中部地区はもちろん全国区でその名を知らしめる名店となっている愛知県のルロワ(愛知県岡崎市真伝町供養坊12番地2)。その技術力の高さ、優れたインストールセンスで多くのファンを集めるプロショップとなっているのは皆さんもご存じの通り。
高速道路でアクセスする場合には岡崎I.C.からも、豊田東I.C.からもほど近い位置にあり、関西方面からも関東方面からも訪れやすいのも魅力。店舗は西洋カフェ風のオシャレな外観で、インパクトも十分、近くまで来ればすぐにその存在に気づくだろう。
オープン当時には音質志向のハイファイオーディオはもとより、手の込んだカスタムオーディオまでを手がけるショップとして名を馳せた。しかし4~5年前からは徐々に時代の流れに合わせるかのように加工を控えたハイファイ志向のクルマ作りが主流になっている。そんな変化について代表の小山さんに話を聞いた。
「現在はクルマを加工すること無く良い音にするインストールを求められることが多くなっています。そんなニーズにも対応して取り付けスタイルは徐々に変化して今にいたっています」。
ただし、デザイン力の高さは今も変わらぬ魅力のひとつ。最小限の加工でも見せる部分はしっかりとデザインするという手法を用いるのもルロワならではのインストールへのこだわりだ。
「リセールまでを考えた加工をするのも方針のひとつです。コストをかける部分に関して、どこに重きを置くかを考えてユーザーに寄り添った作り込みを施すことを徹底しています」。
無闇に加工を施すのでは無く、効果のある作り込みを徹底することでユーザー視点に立ったインストールを実施している。そんな誠実さこそがユーザーから厚い信頼を集めている理由なのだろう。
小山さんのインストーラーとしてのポリシーの中には常に“良いものを作りたい”があるという。実際に自分が試して良いと思うもの、デザインでもカッコいいと思える作りを提案する。小山さんの明確な判断基準があるからこそショップの方向性が定まっているのだ。
「ショップならではの価値観、物差しをしっかり持っていることが大切だと思います。音の良さはもちろんですがセンスを感じてもらえるデザインも含めて評価されるのだと思っています」。
また、エントリーユーザーに対しては説明が詳細で丁寧なのも同ショップの魅力だ。例えばユニットを選ぶ際でも、どのユニットがどんな傾向にあるのかを懇切ていねいに説明する。
「例えばDSPを選ぶユーザーがいたら、DSPの調整機能はもちろんですが、ナビの音声割り込みはできるのか、純正ハイレベルを使う場合にはミックスは可能なのかなど、周辺機能も重視して説明します。ユーザーが自分の使用環境と照らし合わせて、どれが最適なのかを判断するためには必要な説明だと考えているからです」。
エントリーからエキスパートまで幅広いユーザー層がいる同ショップだが、エントリーユーザーにも来店しやすい環境を整えるのも同ショップの取り組みのひとつ。ホームページにはセットプランを数多く掲載して、予算に合わせたシステムをユーザーが想定できる仕組みも作る。手軽な価格帯からミドルクラスまで用意するのもユーザーが予算に合わせて選びやすくするためだ。さらに併設するフォーカル プラグ&プレイストア岡崎ではトレードイン取り付けの客も多く、オーダーは電話のみで完結するケースもあるという。来店のハードルの低さやシステム選び、予算の明快さも同ショップならではだ。
そんなルロワだが、根底にあるのはやはりプロ意識。良いものを作るという意気込みを最後に小山さんに聞いた。
「私はインストールや音作りのプロであることを常に意識しています。プロの料理人ならば冷蔵庫の余り物を使ってもおいしい料理が作れます。もちろん食材にこだわればさらにおいしい料理が作れるでしょう。オーディオでもプロフェッショナルとはそういうもの、アマチュアにはできない音作りやインストールができるのがプロなんだと考えています」。
今回の取材でルロワのプロ意識を肌で感じることができた。プロフェッショナルならではの技術とセンスを信頼して愛車を任せられるショップなのは間違いないだろう。
《text:土田康弘》