カーオーディオユニットの取り付け作業には、さまざまな決まりごとが存在している。その1つ1つについて解説している当コーナー。現在は「低音強化」をテーマに据えて話を進めている。今回は、「サブウーファーボックス」のタイプごとでの音の違いを説明していく。
前回解説したとおり、「ユニットサブウーファー」を鳴らすためには、「サブウーファーボックス」が必要となる。で、それには主に2タイプが存在していると説明した。1つが「シールド(密閉型)ボックス」で、もう1つが「バスレフ(位相反転型)ボックス」だ。
さて、それぞれにはどのような音的な特徴があるのだろうか。まずは「シールドボックス」について説明していこう。最大の特長はズバリ、「タイトな低音が出しやすいこと」だ。ボックスの容量設定等によって鳴り方を変えられるが、基本的に「シールドボックス」では、締まった低音が出しやすい。
対して「バスレフボックス」では、伸びやかな低音を出しやすくなる。そして、ローエンドまで再生レンジを広げやすく、さらには狙った周波数を増強させることも可能となる。
ただ、設計の難易度は高くなる。ポート(ダクト)のサイズ等々の設計を綿密に行わないと、狙ったとおりのサウンドを出し難い。とはいえ“カーオーディオ・プロショップ”に仕事を頼めば、そのあたりは抜かりなく実行してもらえる。
ところで、「バスレフボックス」はボックスのサイズが大型化する傾向がある。メーカーがカタログに記されている推奨容量を見ても、「バスレフボックス」の方が数値が大きい。もしも搭載スペースをできるだけ少なくしたいと思うなら、「シールドボックス」が向いている。
なお、それぞれのボックスでのサウンド傾向はあるものの、設計次第では「シールドボックス」でも伸びやかなサウンドを再生することも可能だし、「バスレフボックス」でも、ある程度タイトなサウンドも奏でられる。なので、特徴に囚われすぎる必要はない。取り付け上の都合等々も鑑みながら、好みのサウンドが得られやすそうなボックスを設計してもらおう。
今回はここまでとさせていただく。次回は、「サブウーファー」を設置するにあたっての配線作業について解説していく。お楽しみに。
《text:太田祥三》