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雪道での旋回・急制動に強いタイヤチェーンは「金属」よりも「ウレタン系」 JAF検証

自動車ニュース

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JAF(日本自動車連盟)は、車の使用が増える年末年始を前に、雪道での旋回と急制動をタイヤチェーンの種類別で検証し、その結果をホームページに公開した。

年末年始は、帰省や旅行先で急な降雪や積雪に遭遇したり、雪道を走る可能性もあるため、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの装備が必要だ。しかしタイヤチェーンは金属や非金属、さらにその中でも様々な種類がある。JAFでは今回、タイヤチェーンの種類別で旋回と急制動にどのような違いが出るのかを検証した。

テストでは、FFコンパクトカーの前輪に新品のタイヤチェーンを装着。金属チェーン(亀甲型)、金属チェーン(はしご型)、非金属チェーン(ウレタン系)の3種類について、テストをそれぞれ3回実施した。

旋回テスト

圧雪路の旋回路コース(半径25m)をカラーコーンに沿って走行できるか、進入速度時20km/hと30km/hで検証。その結果、20km/hではすべてのチェーンで安定して走行できたが、30km/hになると挙動に差が。スピンしたり、カーブで大きく膨らんでしまった金属系チェーンに比べ、非金属チェーン(ウレタン系)は安定した走行ができた。

・金属チェーン(亀甲型)20km/h:安定して走行できた
・金属チェーン(亀甲型)30km/h:後輪がスリップして曲がりきれずにスピン
・金属チェーン(はしご型)20km/h:安定して走行できた
・金属チェーン(亀甲型)30km/h:前輪がスリップしてカーブの外側に大きく膨らんだ
・非金属チェーン(ウレタン系)20km/h:安定して走行できた
・非金属チェーン(ウレタン系)30km/h:コースから極端に離れず安定して走行できた

急制動(ブレーキ)テスト

圧雪路の直線路で40km/hまで加速して急ブレーキをかけた結果、非金属チェーン(ウレタン系)の制動距離が平均で24.8mと最も短い距離で止まれた。しかし、雪道は頻繁に路面状況が変化するため、タイヤチェーンを装着しても、雪道では速度を抑えて慎重に走行することが大切だ。

・金属チェーン(亀甲型)1回目:25.8m
・金属チェーン(亀甲型)2回目:26.9m
・金属チェーン(亀甲型)3回目:25.1m
・金属チェーン(亀甲型)平均:25.9m
・金属チェーン(はしご型)1回目:27.7m
・金属チェーン(はしご型)2回目:28.0m
・金属チェーン(はしご型)3回目:27.0m
・金属チェーン(はしご型)平均:27.6m
・非金属チェーン(ウレタン系)1回目:27.7m
・非金属チェーン(ウレタン系)2回目:24.7m
・非金属チェーン(ウレタン系)3回目:26.3m
・非金属チェーン(ウレタン系)平均:24.8m

JAFでは、雪道走行時には必ずスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンを装着し、急ブレーキ、急加速など「急」の付く運転は避け、慎重な運転を心がけるよう、注意を呼びかけている。

《text:纐纈敏也@DAYS》

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