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実力ジャーマンブランド“グラウンドゼロ”の新パワーアンプ、『GZUA SQ-Plusシリーズ』を聴く! Part 1

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グラウンドゼロ・GZUA SQ-Plus シリーズ全 6 枚写真をすべて見る

ドイツ発の人気カーオーディオブランド“グラウンドゼロ”から、パワーアンプのニューシリーズが発売された。その実力を早速試す機会に恵まれた。当シリーズの特長と魅力を、2回にわたり詳細にリポートする!

かつてあった『GZUA シリーズ』のリニューアルバージョン!

今回“グラウンドゼロ”からリリースされたニューモデルとは、ハイグレードパワーアンプ『GZUA SQ-Plus シリーズ』だ。

まずは当シリーズのプロフィールから紹介していこう。なお当シリーズは、まったくの新規ラインではない。“グラウンドゼロ”が日本に初めて紹介された2013年当時にラインアップされていた『GZUA シリーズ』からのリニューアルバージョンだ。当時のシリーズ名に“SQ-Plus”というサブネームを加えて新登場を果たした、というわけである。

ところで“グラウンドゼロ”は『GZUA SQ-Plus シリーズ』の投入以前は、日本国内に計8つのパワーアンプシリーズを供給していた。スーパーハイエンドラインとなる『リファレンス シリーズ』から、最エントリーラインとなる『GZIA シリーズ』まで幅広く展開していたわけだが、その中にあって当ラインは、価格的にど真ん中のところに加わることと相成った。上から数えても下から数えても5番目なのだ。

ちなみに当シリーズの1グレード上のラインは『GZNA シリーズ』で、それと『GZUA SQ-Plus シリーズ』との価格差は、僅かしかない。2chモデルと4chモデルともに、それぞれ1万8000円しか違わないのだ。しかし案外それぞれは個性的だ。『GZNA シリーズ』はハイパワーであることを信条としていて、『GZUA SQ-Plus シリーズ』は、音質性能的な楽しみ方の幅広い機種として仕上げられている。

旗艦パワーアンプにも採用されている「バリアブルバイアスコントロール機能」も搭載!

2つのシリーズの違いをさらに詳しく解説しようと思うのだが、その前に『GZUA SQ-Plus シリーズ』のラインアップと主要スペックを紹介しておきたい。シリーズは、以下の3モデルで構成される。グラウンドゼロ・GZUA 2.250SQ-Plus

(写真)グラウンドゼロ・GZUA 2.250SQ-Plus

★GZUA 2.250SQ-Plus(税抜価格:13万5000円)
●仕様:2ch(2/1ch)パワーアンプ
●定格出力:180W×2(4Ω)320W×2(2Ω)500W×2(1Ω)640W×1(4Ωブリッジ)1200W×1(2Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~30kHz ●クロスオーバー:20Hz~400Hz/200Hz~4kHz(×10) ●サイズ(幅×奥行×高さ):360×209×46mm ●バリアブルバイアスコントロール機能搭載

グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

(写真)グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

★GZUA 4.150SQ-Plus(税抜価格:13万5000円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ
●定格出力:110W×4(4Ω)190W×4(2Ω)380W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~30kHz ●クロスオーバー:20Hz~400Hz/200Hz~4kHz(×10)※バンドパス対応 ●サイズ(幅×奥行×高さ):360×209×46mm ●バリアブルバイアスコントロール機能搭載

グラウンドゼロ・GZUA 6.200SQ-Plus

(写真)グラウンドゼロ・GZUA 6.200SQ-Plus

★GZUA 6.200SQ-Plus(税抜価格:24万5000円)
●仕様:6ch(6/5/4/3ch)パワーアンプ
●定格出力:110W×4+160W×2(4Ω)160W×4+280W×2(2Ω)320W×2+280W×1(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz~30kHz ●クロスオーバー:20Hz~400Hz/200Hz~4kHz(×10)※バンドパス対応 ●サイズ(幅×奥行×高さ):550×209×46mm ●バリアブルバイアスコントロール機能搭載

これを踏まえて『GZNA シリーズ』との違いを解説していこう。まずは製品構成が異なっている。どちらも3モデル展開なのだが、『GZUA SQ-Plus シリーズ』には6chモデルが用意されていて、『GZNA シリーズ』にはそれがないかわりにモノchモデルが揃えられている。そして当シリーズは「音質性能的に楽しみ方の幅が広い」と説明したが、そうである理由は各機に「バリアブルバイアスコントロール機能」が搭載されているからだ。

ちなみに当機能は、“グラウンドゼロ”のスーパーハイエンドライン『REFERENCE シリーズ』にも搭載されている。で、これを活用すると、駆動方式を変えることが可能となる。AB級動作から限りなくA級動作に近いところまでバイアス電流値を可変させることができるのだ。つまり、「鳴り方」を好みに応じて変更できるというわけだ。ゆえに幅広く楽しさを味わえるのだ。

なお、6chモデル『GZUA 6.200SQ-Plus』の存在もユニークだ。当機は同シリーズの2chモデルと4chモデルとが合体されたかのようなモデルとなっていて、しかしながらその2台を併せて購入するよりはリーズナブル。もしもシステムに6ch分のパワーアンプが必要であるならば、当機をチョイスするというのもアリだ。より合理的にシステムを構築できる。

グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

(写真)グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

エネルギー感と繊細さのバランスが絶妙。実力の高さを疑う余地ナシ。

さて、インプレッション・リポートをお伝えしていこうと思うのだが、その前に試聴環境を簡単に紹介しておきたい。試聴は“グラウンドゼロ”の正規輸入代理店である“イース・コーポレーション”の試聴室にて行った。PCをソースユニットとして、USB DAC→パワーアンプ→スピーカーというシステムを組み、リファレンススピーカーには“RSオーディオ”のセカンドラインスピーカー『RS Stream 165-2』(税抜価格:30万円)を使用した(クロスオーバーはスピーカーに付属しているパッシブクロスオーバーネットワークで行った)。そしてケーブル類は“チェルノフケーブル”の初級~中級モデルで統一した。

まずは、4chモデルの『GZUA 4.150SQ-Plus』からテストした(AとBの2chを使って試聴した)。

テストトラックの1曲目のイントロを聴いた瞬間に、当機の実力が確かなことを確信できた。スピーカーがハイエンドモデルなので悪い音がするはずはないのだが、しかしそれを鳴らしているパワーアンプが13万5000円のモデルとはにわかには信じ難い。それほどの手応えあるサウンドが聴けたのだ。

良さとして感じられたポイントは以下のとおりだ。全体的な密度感が高く、1音1音は粒立ちが良く芯もある。それでいて至って滑らかで繊細。エネルギー感とスムーズさが絶妙にバランスしていた。

グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

(写真)グラウンドゼロ・GZUA 4.150SQ-Plus

低域のパワー感にも好感が持てた。重心が低く、そして押し出し感が強い。かつ、ほど良く締まっている。躍動感も十二分に感じられた。

当機の音を聴きながら、改めて“グラウンドゼロ”のバリューの高さも再認識した。同社の製品はスーパーハイエンドラインからエントリーモデルに至るまで、それぞれが高いコストパフォーマンスを発揮する。それはこの『GZUA 4.150SQ-Plus』でも同様だった。この価格でこの音が聴けて、それを不服に思うユーザーはいないに違いない。

20万円から10万円台あたりのパワーアンプを候補としているのなら、当シリーズのチェックはマストだろう。そうしないと後々悔やむことにもなりかねない。

今回はここまでとさせていただく。次回は当機においての「バイアスセッティング機能」の使い心地と、2chモデル『GZUA 2.250SQ-Plus』のインプレッション・リポートをお届けする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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