エクステリアにもさまざま手を掛け、室内もオレンジをテーマカラーにフロントセクションからラゲッジスペースに至るまでフルカスタムされた、ホンダ・ストリームを紹介する。オーナーはコロコロ・コロ助さん。製作を担当したのは広島県の実力ショップ、ワープスだ。
インテリアカスタムに着手したのは4年前
以後着実に進化を続ける!
最初に、このストリームがここまでカスタムされるに至ったバックボーンから紹介しておこう。なお、当車を取材したの10月20日に開催された『ACG2019 FINAL』の会場だ。長らく外装カスタムに出されていて、この日にリニューアルデビューが果たされた。その出来たてほやほやの姿を、早速じっくりと撮影してきた♪
オーナーのコロコロ・コロ助さんと、所有して8年になるというホンダ・ストリーム。「今後も進化させます!」とのこと。
今回の外装カスタムでは、オールペンや前後のアーチ上げ等々が成されたという。今後はマフラー交換も予定されている。
さて、コロコロ・コロ助さんがこのクルマを手にしたのは、今から8年前だ。当時は「カスタムする気はまったくなかった」とのことで、数年はフルノーマルで乗っていた。しかしクルマ自体は嫌いではなく、SNSを介して徐々にクルマ好きの友人が増えていく。そしてドレコン系のイベントに連れて行ってもらうようになり、遂にはエントリーしてみたらどうだろう、という流れになる…。となるとノーマルというわけにはいかない。こうしてまずは外装カスタムに着手する。
かくしてドレスアップ道に足を踏み入れたコロコロ・コロ助さんだったのだが、この段階ではまだインテリアカスタムへの興味は持っていなかった。しかし…。
豪快に作り込まれたリアセクション。オレンジのレザーやスエード、そしてブラックレザー等々が適材適所で使われている。
友人の付き添いでカーオーディオ・プロショップにも出入りするようになる。それがワープスだった。その後はオーディオを手掛ける友人も増え、じわじわとオーディオカスタムへの思いが熱を帯び始めてくる。そしてコロコロ・コロ助さんは遂に、サブウーファーの導入を決意。ここがターニングポイントだ。今から4年前のことである。
これをきっかけに、「せっかくイベントに出るなら多くの人に見てもらいたい。となるとオーディオがキーになる」、そんな思いが次第に膨らだと言う。その思いを実行に移し、以後、イベントに出るごとに成長が繰り返された。コツコツと手が入れられ、愛情が込められ、ゆっくりとここまで進化するに至った、というわけなのだ。
限られたスペースの中で
最大限の“立体感”を創出!
後から追加されたという吊り下げ式の外向きスピーカーボード。使用ユニットは、“グラウンドゼロ”の『GZCM 6-4PPX』。
ギャラリーにクリアな高音をデリバリーすべくあつらえられた“グラウンドゼロ”のブレッドツイーター。左右に1つずつセットする。
ラゲッジスペースのウォールの左右に、“グラウンドゼロ”のコアキシャルスピーカーをセット。
では、現状のインテリアカスタムの全貌を紹介していこう。今回はまず、リアセクションをクローズアップする。
ところで本格的にインテリアカスタムをスタートさせるにあたっては、「3列シートを残すこと」が前提条件とされた。その方向性の中でリアセクションは作り込まれている。
しかしながら3列シートを残すとなると、スペース的な制約はなかなかに大きい…。そこでワープスは、「いかにして立体感を演出するか」。ここがキモになると考えた。
それを実現させるために、3つの工夫が施されている。1点目は「ウォールを緩やかにラウンドさせたこと」。パワーアンプとコアキシャルスピーカーとを組み込んだウォールのシルエットに動きを持たせることで、できる限りの奥行き感をまずは創出。
2点目は、「左右に1本ずつのバーを設定したこと」。これにてアイキャッチを作りつつ、空間活用を実行した。
なおこの2本のバーは、2枚のMDFで1枚のアクリルボードをサンドイッチするという3層構造となっている。そしてMDFにはオレンジの生地を貼り、アクリルには下部にアンバーのLEDを仕込み、光源は見えないようにしながら全体をほんのりと光らせた。装飾パーツとして完成度高く作り込まれている。その上でこのバーは、パワーアンプを入れて重厚になったウォール全体を支える役割も担っている。機能性も有しているのだ。
「パワーアンプの基盤を見せたい!」
そのオーダーを積極活用!
パワーアンプはカバーを取り払い基盤を見せた。これによりウォールに立体感を持たせることにも成功!
そして“立体感”を増させるための3つめの工夫とは、「パワーアンプの基盤を見せたこと」。用いられているモデルは“グラウンドゼロ”の『GZHA 4200ll』で、当機は内部基盤を見せるような仕様にはなっていないのだが、「基盤を見せたい!」というオーナーのたっての希望を踏まえ、カバーを取り払い内部を見えるようにしてインストールすることとなったのだが…。ならばそのオーダーも立体感の演出に活用しようとワープスは考えた。ウォールの中央にパワーアンプを埋め込み基盤を見せ、それにより奥行き感のブーストアップにも成功したのだ。
ところで、ウォールのトップ部分にはアルミのメッシュボードが埋め込まれている。アンプの放熱を促すために空気の逃げが作られているのだ。この実用パーツも、カスタムのバリューを上げるべく活用されている。ウォールにセットされたコアキシャルスピーカーの上部にもアルミメッシュを組み込み、流れを作りつつかつアクセントも効かせた。百戦錬磨のワープスならではのセンスで、スタイリッシュに仕上げられている。
トランクフロアにセットされたサブウーファーも“グラウンドゼロ”のモデル。スペース的な制約があったので10インチモデルをセレクト。
上部に吊り下げられている外向きスピーカーボードも、音のこととルックスの両面で配慮が行き届いている(これはカスタムを成長させる中で後から追加されたもの)。使用されているスピーカーは、ミッドウーファーが“グラウンドゼロ”の『GZCM 6-4PPX』と同・ブレッドツイーター。エンクロージャーを強固に作りつつ、下部の作り込みとのデザイン的な連続性も持たせ、スッキリと、それでいて豪快に仕上げられている。
なお、リアに負けず劣らず、フロントセクションのカスタムワークも実に秀逸なこのストリーム。それについては次週の当コーナーでじっくりとリポートする。お楽しみに。
《text:太田祥三》