カーオーディオユニットの取り付け作業にまつわるエトセトラを紹介している当コーナー。まずはスピーカー・インストールに関連した諸々を解説している。今回も前回に引き続いて、“デッドニング”作業をDIYで行おうとするときの“制振材”の貼り方のコツを説明する。
さてここまでは、貼る場所の見極め方や、事前のクリーニングが重要であること、左右のドアで同様な内容とすること等を紹介してきた。それらに加えて今回は、実作業時における重要な事項をお伝えしようと思う。それはズバリ、「圧着する」である。
“制振材”は基本的に、「圧着」すればするほど高い制振効果を発揮できるようになる。そしてさらに、「圧着」することで剥がれにくくもなる。
途中で剥がれてくることはなんとしても避けたい。もしも剥がれてくると、“制振材”がノイズの発生源ともなりかねない。ガタガタ鳴ったり共振したり…。ノイズを抑えるためのものであるのに、自らノイズを出してしまってはまさしく本末転倒。それを防ぐには、「圧着」あるのみなのである。
で、徹底的に「圧着」するためには、以下の2つが必要となる。1つは“根気”、そしてもう1つが“使いやすい道具”だ。
“使いやすい道具”とは、具体的には以下の2つが挙げられる。1つが「ある程度“腰”のあるヘラ」で、もう1つが「小型ローラー」だ。結構力を入れて「圧着」させたいので、ヘラを用いる場合にはそこそこに硬いものが向いている。そしてローラーは、幅が数センチ程度の小型のものが使いやすい。ドアの鉄板には凹凸が結構ある。小型なローラーの方が、凹凸に追従しやすいのだ。
なお、部材によっては熱を加えながら貼ることが推奨されているものもある。その場合には、「ヒートガン」と呼ばれているツールを用意したい。要は“ヘアドライヤー”的な道具なのだが、これがあれば熱を加えながらの作業を効率的に行える。というわけで、熱を加えることが推奨されている“制振材”については、しっかりと熱を加えながら作業しよう。その分手間は掛かるのだが、そうすることでより強力に「圧着」できる。
そしてあとは“根気”あるのみだ。ひたすらグイグイ、ゴシゴシと「圧着」して、より高い制振効果を発揮させよう。
今回はここまでとさせていただく。次回からは“制振”以外の“デッドニングメニュー”を紹介していく。お楽しみに。
《text:太田祥三》