クラウンに高音質化と年式に合わせたカスタムデザインをオーダーしたオーナーの清水さん。鳥取県のサウンドステーション ジパングが作ったコクピットまわりのカスタムにも細かな部分までこだわり満載。純正を尊重した上質な処理も見どころだ。
コクピットの雰囲気を踏襲して
スマートなアウターバッフルを製作
クルマが現役だった当時の雰囲気に合わせたカスタム処理がテーマになったこのクラウン。前回、紹介したリアトレーを使ったカスタムはその最たるポイントだった。今回はコクピット側のカスタムを中心に見ていくこととしよう。
作り込みはいずれも上質かつ上品。派手なカスタムを施すことは無く、大人のムードを醸し出すインストールが施されている。中でも注目したのはドアのインストール。ユニットにはDLSのRC6.2をチョイスし、ミッドバスをアウターバッフルで取り付ける。バッフルの作りは純正のドア形状を損なわないデザインなのも見どころ。広いバッフル面を作り、ここにはドア内張りと同系色のブラウンの人工スエードを使って処理。周囲を縁取り処理するデザインも、純正ドアのデザインをうまく踏襲している。いずれもブラウン系でフィニッシュすることでインテリアとの融合も図っている。
ロゴのアクセントを加えた
Aピラーのカスタム処理も見どころ
コクピットのもうひとつのカスタムポイントがAピラー。DLSのツイーターがインストールされているピラーは、ドアのアウターバッフル同様インテリアと同系色のブラウン系の人工スエードを使って張り替え処理される。ショップ名のロゴ処理が施されるワンポイントも加えて、インテリアの中でしっかりと存在感を放っている。
さらに、ツイーターをビルトインした周辺にはしっかりと角度付けの処理が施され、指向特性を考えた計画的なインストールが実施されている。ツイーターまわりの処理は大きくピラー形状を損なわない最小限のサイズでスマートなピラーデザインとしているのも魅力的。サウンド面、デザイン面で上質な仕上がりとしたAピラーへのツイーター取り付けが完成した。
DLSのツイーターの存在感あるグリルデザインもあって、ピラーが主張するデザインとしている点も狙い通り。同ユニットの持つシルクドームのツイーターで滑から心地良い高域サウンドを響かせることが見た目からも想像できる美しい取り付けとなった。
派手さを抑えて純正の溶け込む
カスタムデザインを各部に徹底
ブラウン系、ウッド使いをメインにしたキャビンの純正デザイン。ここに違和感なく溶け込むようにデザインされたフロントスピーカーのインストールスタイル。ドアのアウターバッフルやAピラーはカラーリングやデザインを含めてスマートにインテリアに溶け込んでいるのが印象的だ。さらにキャビン後方にはトランクスルーからDLSのサブウーファーであるRCW10の振動板が顔をのぞかせる。ここにもインテリアに合わせた周辺処理を加え、サウンドのみならずデザインでも上質さをキープしている。
センタークラスター下部には加工を加えてカロッツェリアのサイバーナビXシリーズ(AVIS-CZ902XS)をビルトインする。最新の高音質ナビを当時のデザインのままダッシュにビルトインし、最新の使い勝手&高音質、そして違和感ないインテリアデザインを両立させた点もこのクルマのコンセプト通りだろう。
年式を意識して、新しすぎないデザインセンスをあえて投入したクラウン。リアトレーの作りからコクピットまで、統一感満点の美しいインストールが施された。高音質であることはもちろんだが、オーナーならではの狙いとアイデアの込められたカスタムからは大人の余裕が感じられる。派手さだけがカスタムインストールでは無いことを教えてくれる一台となった。
《text:土田康弘》