アクセスランキング

フラッグシップを知ればブランドの魅力が見えてくる!! トップエンドモデル大研究! 第2回「JLオーディオ」編

カーオーディオカーオーディオ特集記事

JLオーディオ・VXiシリーズ全 5 枚写真をすべて見る

旗艦モデルは、各ブランドごとの独自技術と哲学が注入され完成されている。ゆえに旗艦機の特長を知れば、ブランドごとのこだわりやコンセプトが見えてくる…。そこのところを詳しく分析する週刊特集をお届けしている。今回は、“JLオーディオ”をフィーチャーする。

“クラスD回路”と“多ch”にこだわってパワーアンプを開発!


JLオーディオ・VX1000-5i

(写真)JLオーディオ・VX1000-5i

“JLオーディオ”は、数あるカーオーディオブランドの中でも、ブランドとしてのコンセプトが明確なメーカーの1つだ。各製品に確固たる信念が投影されていて、そのことがユーザーにとっても分かりやすい形で表現されている。

その傾向がもっとも顕著なのが、パワーアンプだ。“JLオーディオ”はパワーアンプには特に、独特のこだわりを多々注入させてきた。注目ポイントは2点ある。1つは「“クラスD回路”の積極採用」、そしてもう1つは「多chモデルを豊富に擁すること」、この2点だ。

それぞれについて詳しく解説していこう。まずは「“クラスD回路”の積極採用」について。“JLオーディオ”は随分前から、パワーアンプのラインナップの多くに“クラスD回路”を搭載させてきた。

“クラスD回路”はなんといっても、小型化が効くことが利点だ。エコカー時代の昨今、カーオーディオシステムにも“小型・軽量”が求められるようにもなってきている。その求めに応えようとしたとき、“クラスD”パワーアンプは強みを発揮する。しかも高効率なのでハイパワー化も図りやすく、かつ省電力というアドバンテージも持ち合わす。つまり“JLオーディオ”のパワーアンプは、合理性が重んじられて開発されている、というわけなのだ。

「多chモデルを豊富に擁すること」においても、同様のコンセプトが見え隠れする。多chアンプであれば、システムが巨大化してもアンプは最少台数ですむ。ブランドとしては製品ラインナップが増えるので開発コストも掛かるはずだが、しかし“JLオーディオ”はユーザーの使い勝手を優先させている。システムをコンパクトに完成させられることを重要視し、多chタイプのパワーアンプを多々投入し続けてきた。

高性能な“DSP”を内蔵することで、ハイエンドシステムを合理的に構築可能!


『JLオーディオ・VXiシリーズ』のチューニングアプリ画面。

(写真)『JLオーディオ・VXiシリーズ』のチューニングアプリ画面。

その哲学は、2018年の春から発売開始されているフラッグシップシリーズで極められた。新たなトップエンドシリーズとなる『VXiシリーズ』では一層の“合理化”が図られている。なんと、“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を内蔵させてきたのだ。旗艦アンプで“DSP”が内蔵されているモデルは、これをおいて他にはない。

今や、ハイエンドカーオーディオシステムの構築には“DSP”はなくてはならない存在となっている。これを活用することで、車内の音響的な不利的要素への対処が可能となるからだ。必要不可欠であるならばと、“JLオーディオ”はこれをもフラッグシップパワーアンプに内蔵させ、単体“DSP”の導入を不要としたのだ。

なお『VXiシリーズ』は、計8機種でラインナップが構成されている。内訳は以下のとおりだ。モノchモデル×2台、2chモデル×1台、4chモデル×1台、5chモデル×2台、6chモデル×1台、8chモデル×1台。その半分が5ch以上だというところがなんとも“JLオーディオ”らしい。

ちなみに、『VXiシリーズ』に内蔵されている“DSP”は、“DSP”としても至って高性能だ。近年“JLオーディオ”は単体“DSP”の開発にも力を注いできたが、『VXiシリーズ』の“DSP”はそこで得た技術が十二分に注がれて完成されている。“DSP”としてもフラッグシップ然としたクオリティが確保されている。

価格もお伝えしておこう。2台ある5chモデルの税抜価格は『VX700/5i』が29万円、『VX1000/5i』が33万6000円、そして8chモデル『VX800/8i』が36万2000円となっている。高性能な“DSP”を内蔵していることも鑑みると案外にリーズナブル。ハイエンドシステムを合理的に完成させたいと思ったら、狙ってみる価値は高い。

スピーカーの旗艦モデルは、2018年春に満を持して登場した『C7シリーズ』!


JLオーディオ・C7シリーズ

(写真)JLオーディオ・C7シリーズ

続いては、スピーカーについて見ていこう。“JLオーディオ”のフラッグシップスピーカーは、『VXiシリーズ』のパワーアンプが発売される直前に登場している。開発に十二分な時間を費やし、満を持してリリースされた。名称は『C7シリーズ』だ。

ラインナップは、ツイーター、ミッドレンジ、ミッドウーファーが1タイプずつ用意されているのみというシンプルな編成となっていて(それぞれが1個単位で販売されている)、パッシブクロスオーバーネットワークの用意はない。つまり、マルチアンプ接続が前提となっているというわけだ。このあたりは、『VXiシリーズ』との組み合わせが想定されてのことでもあるだろう。

さて、『C7シリーズ』にはどのようなテクノロジーが注ぎ込まれているのかと言うと…。

設計においては、“DMA(Dynamic Motor Analysis)”と呼ばれる動的機械分析技術、ならびに“FEA(Finite Element Analysis)”と呼ばれる有限要素法という最先端の測定技術が駆使されている。

特殊技術も多々投入されている。例えばミッドレンジとミッドウーファーには、後部開放面積を拡大して放熱効果が高められているアルミニウムダイキャスト製バスケット、高品位ストロンチウムフェライトマグネット(ミッドウーファー)または高品位ネオジウムマグネット(ミッドレンジ)とT字型ヨークを組み合わせた高密度設計の磁気回路、真空成形されたミネラル充填ポリプロピレンコーン等が採用されている。

これら技術により、車内環境下で最高のパフォーマンスを発揮することが目指されている。なお、2ウェイのセットプランの金額は31万円(税抜)となっている。

JLオーディオ・W7シリーズ

(写真)JLオーディオ・W7シリーズ

ところで“JLオーディオ”は、サブウーファーのクオリティが高いことでもお馴染みだ。サブウーファーにおいては『W7シリーズ』がフラッグシップとして君臨している。スペースの関係で詳しい解説は割愛させていただくが、『W7シリーズ』にも他の旗艦モデルと同様に、こだわりとスペシャル技術がフル注入されている。こちらにもご注目を。

“JLオーディオ”のフラッグシップ研究は以上だ。次回は“イース・コーポレーション”が扱う中でも比較的に新し目のブランドの1つである、“グラウンドゼロ”についての研究をお届けする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

編集部ピックアップ

TOP