レジャー仕様としてハイエースを手に入れたオーナーの亀山さん。しかしレベルの高いオーディオを同時に組むことを計画。そうして生まれたのがラゲッジのサイドウォールを使ったインストールだった。群馬県のto be Styleがアイデア満載のレイアウトを施した。
ラゲッジをスポイルしない
ウォールへのオーディオボードの設置
レジャーカーとして導入したハイエースに本格オーディオを組み込んだ亀山さん。フルビーウィズのシステムがお気に入り。
ラゲッジを大きく確保しつつ、多数のオーディオユニットを搭載するため、左ウォールにオーディオボードを設置した。
ボードの中央部にはパワーアンプやプロセッサー類、上部にはサブウーファーを設置するコンパクトな設計。
ハイエースにハイエンドなオーディオシステムを組み込んだ亀山さん。冬場はスノーボードを楽しむために、広いラゲッジが必要だったことからハイエース(4型)をセレクト。このクルマの前にもハイエース(2型)に乗っていたという根っからのハイエース好き。オーディオとの出会いは先代のハイエースの時だった。
セキュリティの取り付けで群馬県のto be Styleに来店したオーナー。そこで、それまで体感したことの無かったレベルの高いカーオーディオの世界に出会うことになる。強い影響を受けたオーナーは、ACG等のオーディオイベントやSBMなどのハイエースのイベントなどにも積極的に参加して、オーディオやカスタムにますます興味を持ち内外装のカスタムをはじめることになる。
そして現在のハイエースに乗り換えたのを機会に、オーディオのインストールをレベルアップ。実用性もデザインもサウンドも兼ね備えたカスタムオーディオを作り上げることになった。
そんなインストールで大きなポイントのひとつになったのはラゲッジのレイアウトだ。スノーボードに行く際には多くの荷物を積載するため、ラゲッジはつぶせない。さらにリアシートのリクライニングも必須の項目とするなど、ハイエースならではの機能をスポイルするようなカスタムはNGとした。そうしてでき上がったのがこのデザイン。左ウォール面をラゲッジ前後方向に広く使って、パワーアンプ、サブウーファーなどをまとめてインストール。広いラゲッジスペースは残しつつ、大量のユニット群をうまくレイアウトしたのもこのクルマの見どころ。
アンプ×6台、サブウーファー×2発など
多数のユニットをすべてウォールに収める
サブウーファーはビーウィズのC-180IIIを2発インストール。小径のサブウーファーなのでボックスの厚みに収まる設計。
プロセッサーにはビーウィズのSTATE A6をチョイス。ボードの前方にビルトインされている。
パワーアンプはR107Sリミテッドを6台インストール。ウォールの中央部分はほぼパワーアンプで埋め尽くされるデザイン。
新しくカスタムされた左サイドウォールのオーディオボードにはたくさんのユニットが詰め込まれている。ウォールのトップ面にはビーウィズのサブウーファーであるC-180IIIを2発インストール。薄型のオーディオボードに収めまるコンパクトな取り付けを可能にしたのは小径のサブウーファーならでは。クォーターウインドウからのぞくスタイルもアピール度満点だ。
さらにウォール面には同じくビーウィズのパワーアンプであるR-107Sリミテッドを6台インストールする。ウォール面から一段奥まった部分を人工スエードで処理し、ここに整然とビルトインされている6台のパワーアンプはデザイン的にもインパクト大だ。
そして同じくウォール面にはプロセッサーのSTATE A6やレギュレーターのR-70Aをインストール。いずれもウォール面にフラットにビルトインされ、ウォールデザインと一体化&整然とレイアウトされた姿が美しい。
お気に入りのビーウィズユニットをフルでシステムデザインし、狙い通りのサウンドと十分なラゲッジスペースを稼ぎ出すことに成功したカスタムデザイン。大量のユニットをぎゅっと凝縮したインストールはデザイン面でも実用面でも見どころ満載だ。
ウォールには実用面を考えた処理も施し
レジャーカーとしての使い勝手も高い
セカンドシートをリクライニングした際、ウォールとの干渉を避けるために切り欠き処理が加えられている。
オーディオボードの後端には100Vの電源ソケットを設置。ゲートを開けた車外でも使えるレジャー向けの装備と言えるだろう。
ウォール中央部にはショップロゴをエンボス加工。レザーによるシンプルな処理にアイキャッチとして取り入れた。
ウォールの下部にはこのようなポケットを装備。単なるオーディオボードとしてだけでは無く、実用面も考えた装備とした。
ハイエースはオーディオカーのみならず、レジャーカーとしての役割も強いので実用的なカスタムにも力を入れているのがこのクルマの特徴。その代表例となるのが左ウオールの形状だ。リアシートをリクライニングするとウォールとバックレストが干渉してしまうので、この部分をエグリ加工して、シート形状の“逃げ”を作ってあるのだ。レジャー先で後席をリクライニングしてくつろぐことができる、こだわりのカスタムポイントだ。
さらにウォール後方にはAV100Vの電源を装備。車内外で家庭用の電化製品を使うことを想定した装備で、レジャーカーとしての使い勝手を考えた装備と言えるだろう。さらにウォールの下方にはポケット状のデザインを作り付ける。ラゲッジに散らばる小物類などを整理しておける場所としても重宝する。
デザイン面ではウォールの中央部にショップロゴのエンボス加工を施すなど、単調になりがちな広いウォール面に変化を付けることも忘れていない。ラゲッジを開けた際のインパクトは十分だ。
スノーボードに行く際の大量のレジャーギアを積み込むスペースを確保しつつ、レベルの高いオーディオをインストールするという両方のニーズをラゲッジに詰め込んだこのクルマ。さまざまな趣味を一台のクルマで楽しめる多目的車を完成させた。次回の後編では徹底してこだわるサウンドを作り上げているフロントステージまわりを紹介することとしよう。
《text:土田康弘》