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フラッグシップを知ればブランドの魅力が見えてくる!! トップエンドモデル大研究! 第1回「ロックフォード・フォズゲート」編

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ロックフォード・フォズゲート T1000-4ad全 10 枚写真をすべて見る

各ブランドの魅力を知るためには、フラッグシップモデルの音を体験するのが一番の早道だ。各社とも旗艦シリーズには、理想のサウンドを実現すべく持てる技術のすべてを注ぎ込む。そしてその技術が礎となり、標準モデルやエントリー機が作られる。

というわけで今回からスタートする当週刊特集では、イース・コーポレーションが扱う海外人気ブランドの中でも特に多くのファンを持つ代表的数社にスポットを当て、各社ごとのフラッグシップモデル研究を行っていく。それぞれの利点や特長を見ていくことで、各社ならではの強みや魅力を明らかにしていこうと試みる。

まず取り上げるのは、アメリカンカーオーディオブランドの雄、“ロックフォード・フォズゲート”。同社のフラッグシップモデルに投影されているコンセプトに迫る。

ロングセラーを続ける旗艦パワーアンプ『パワーシリーズ』の魅力とは…


最初に、パワーアンプからみていく。“ロックフォード・フォズゲート”のパワーアンプのフラッグシップは、超ロングセラーラインであるご存知『パワーシリーズ』だ。当シリーズのモデルが初めて世に出たのは2007年。以来、多くのファンに使われ続けている。その証拠に、“イース・コーポレーション”が毎年発表している実売ランキング『CAOTY』では、『パワーシリーズ』の何台かが該当する部門で今も第1位をキープし続けている。ロックフォード・フォズゲート T400-4ロックフォード・フォズゲート T600-4

(写真左)ロックフォード・フォズゲート T400-4、(写真右)ロックフォード・フォズゲート T600-4

さて、現在の『パワーシリーズ』には計6機種がラインナップされている。内訳は4chモデル×3台+1chモデル×3台。そのうちの『T400-4』(税抜価格:9万7000円)と『T600-4』(税抜価格:14万8000円)は、2007年の初登場以来継続して売られているモデルだ。なおこの2台はフラッグシップと言えどもなかなかにリーズナブル。ユーザーフレンドリーな旗艦機となっている。

対して、後からシリーズに加わったもう1台の4chモデル『T1000-4ad』は、価格帯がワンランク上がる。その税抜価格は25万4000円。定格出力も価格に比例してパワーアップされている。前出の2台がそれぞれ60W×4(4Ω)と100W×4(4Ω)であるのに対し、当機は250W×4(4Ω)もの大パワーが確保されている。

なお当機には、シリーズ中唯一、新世代増幅回路”Class-A/D”が採用されている。これは高音質な”Class-A”と高効率な”Class-D”の両方の良さを併せ持たせた、“ロックフォード”独自の最新技術だ。ちなみにこの技術は、超小型の『パワーコンパクトシリーズ』にも投入されている。というかこの”Class-A/D”技術があってこそ『パワーコンパクトシリーズ』は完成されていると言って良い。当技術はそれほど、最新“ロックフォード”パワーアンプにおいてのキー技術、なのである。

ロックフォード・フォズゲート T2500-1bdCP

(写真)ロックフォード・フォズゲート T2500-1bdCP

一方、モノラルchアンプ中のトップエンド機となるのは『T2500-1bdCP』(税抜価格:32万6000円)だ。こちらの定格出力は1500W×1(4Ω)、2500W×1(2Ω)、2500W×1(1Ω)。サブウーファーを鳴らすためのパワーアンプとして文句ナシの大パワーを誇っている。ゆえに当機は、力強く低音を轟かせたいユーザーたちからの絶大な人気を博し続けている。

スピーカーにおいては、3ウェイと2ウェイそれぞれで旗艦機が君臨!


続いてはスピーカーのフラッグシップモデルを見ていく。スピーカーについては、3ウェイ機と2ウェイ機でそれぞれにフラッグシップモデルが存在している。ロックフォード・フォズゲート・J5653-S

(写真)ロックフォード フォズゲート・J5653-S

3ウェイスピーカーの旗艦機の名は『J5653-S』(税抜価格:34万円)、通称『J5(ジェイファイブ)』だ。当機は何を隠そう、“ロックフォード・フォズゲート”のディストリビューターである“イース・コーポレーション”によって企画されたスペシャルモデルだ。振動板の材質、磁気回路、そしてフレームに至るまで、こだわり抜いて作られている。

ちなみにミッドウーファーの振動板に採用されている“タンジェンシャル4層コーン”の表面にはなんと、日本の伝統工芸である漆処理が匠の手によって施されている。結果、当機でしか聴くことのできない豊潤な響きを獲得することに成功。正真正銘に特別なモデルとして完成されている。

ロックフォード・フォズゲート T4652-S

(写真)ロックフォード・フォズゲート T4652-S

一方、2ウェイのフラッグシップ機は『T4652-S』(税抜価格:22万円)、通称『T4(ティーフォー)』だ。なお“ロックフォード”の本国製スピーカーも、トップエンドラインは『パワーシリーズ』という名称を冠しているのだが、スピーカーの『パワーシリーズ』はシリーズ中に4グレードを内包している。下から順に、『T1シリーズ』、『T2シリーズ』、『T3シリーズ』、『T4シリーズ』という構成となっていて、『T1』と『T4』とでは価格差も相当に離れている。

ところで少し前まではさらなる上位機種『T5』も存在していたのだが、現在は同機は終売となっている。それよりも後に発売された最新鋭機が、新たなフラッグシップ機としてその地位を引き継いだのだ。なお『T4』には、『T5』に投入されていたスペシャル技術がそのまま踏襲されている。振動板素材には「LCPF(Liquid Crystal polymer Fiber)」が用いられ、ボイスコイルには熱を効率的に拡散させかつ不要な電磁場も抑制する「IDHS(Inductive Damping Heat Sink)」がそのまま受け継がれている。つまり、“ロックフォード”の2ウェイの旗艦モデルは、性能をほぼ落とすことなくリーズナブル化が図られた、という格好となっているのだ。“ロックフォード”ならではのソリッドかつパワフルなサウンドを体験してみたかったら、『T4』の音に触れるベシ。

“ロックフォード”のサブウーファーの旗艦モデルは、スペックが超ド級!


ロックフォード・フォズゲート T3(サブウーファー)ロックフォード・フォズゲート T3(サブウーファー)ロックフォード・フォズゲート T3(サブウーファー)

(写真)ロックフォード・フォズゲート T3(サブウーファー)

“ロックフォード”は、サブウーファーにおいても強力なフラッグシップモデルを持っている。その名は『T3シリーズ』。当シリーズ中には、1Ωシングルボイスコイルモデルと2Ωシングルボイスコイルモデルの2機種がラインナップされていて、口径はともに19インチ(48cm)、税抜価格もともに55万1000円となっている。

ちなみに両機とも、定格入力はなんと3000W。破格のハイパワーモデルとして仕上げられている。しかし当機は実は、構造的には合理的に仕上られている。口径は大きく本体の奥行き寸法は深いのだが、磁気回路には小型でハイパワーなネオジムマグネットを採用するなどして案外軽量・コンパクトに仕上げられている。

ロックフォード・フォズゲート T2(サブウーファー)

(写真)ロックフォード・フォズゲート T2(サブウーファー)

なお、『T3』に続くセカンドライン『T2シリーズ』も、『T3シリーズ』に負けず劣らずスペシャリティが高い。シリーズ中には13インチ(33cm)モデル(税抜価格:28万6000円)と16インチ(41cm)モデル(税抜価格:33万円)とが用意され、それぞれに1Ωシングルボイスコイルモデルと、2Ωシングルボイスコイルモデルとがあるのだが、これらはどれも磁気回路が強力で鳴りっぷりがすさまじい。

『T3シリーズ』の方はサイズ的にも価格的にもド級過ぎるので使いづらい側面もあるのだが、『T2シリーズ』はその点もろもろが『T3シリーズ』と比べれば現実路線。『T3シリーズ』が象徴的フラッグシップと言うのなら、『T2シリーズ』は実用的フラッグシップという趣きとなっている。

いかがだったろうか。“ロックフォード・フォズゲート”のフラッグシップ研究は以上だ。次回は、もう1つの人気アメリカンカーオーディオブランド、“JLオーディオ”についてのフラッグシップ研究をお届けする。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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