好きなユニットにこだわってシステム構築&音作りを実施した伊藤サンのワゴンR。フロント3ウェイはロックフォードの往年の名作であるFNQをチョイス。Aピラーの加工などで栃木県のlc sound factoryが高い技術力を見せつけるインストールを実施した。
ロックフォード好きのオーナーが
デッドストックのFNQでシステム構築
セカンドカーであるワゴンRに好きなブランドであるロックフォードのフロント3ウェイを投入して高音質を手に入れた。
ミッドバスはドアにアウターバッフルで取り付け。元々付いていた3ウェイを取り外してリメイクしている。
ロックフォードFNQ独特なグリル形状やコーン、フェイズプラグなどのおかげで、ドアまわりは華やかなデザインになっている。
前編で紹介したラゲッジフロアへのパワーアンプのインストールスタイルが印象的な伊藤さんのワゴンR。フロントステージのカスタムもかなり個性的で手が込んでいるので、順に見ていくこととしよう。
もともとロックフォードが大好きだった伊藤さんは、前々からロックフォードブランドでフロント3ウェイを構築することを密かに狙っていた。そんな時、lc sound factoryにデッドストックのFNQシリーズ(3ウェイ)が眠っていることを知る。往年の名スピーカーとして名高いロックフォードのFNQなら不足は無い、すぐさまインストールしていた他ブランドの3ウェイスピーカーを外して、交換取り付けすることを決意する。
ただしショップで在庫していたのはミッドレンジFNQ3414とミッドバスのFNQ3406MBのみ。トゥイーターは見つからなかったことから、現行で手に入るロックフォードJ3のトゥイーターであるJ36452-Sを組み合わせて使うシステムをプランした。
ミッドバスはドアにアウターバッフルを組んでインストール。印象的な振動板やフェイズプラグを備えたデザインはドアに映える。さらにFNQの特徴とも言えるフレーム外周に4方向に付きだした突起が独特。純正ドアに溶け込むシンプルなバッフルデザインに、個性的なFNQのフォルムがアクセントとなった。
Aピラーにはデザイン性豊かな
ミッドレンジ&トゥイーター取り付け
AピラーにはFNQのミッドレンジとJ3のトゥイーターをインストール。構造的にもデザイン的にも力の入るポイント。
運転席&助手席の下にはそれぞれグラウンドゼロの16cmサブウーファーユニットであるGZNW6.5をステレオでインストールする。
フロント3ウェイ+サブウーファーをコクピットまわりで完結させ、高音質とスペース効率の良さを狙ったシステムデザイン。
ドアのミッドバス取り付け以上にインストールに苦労したのはAピラーのトゥイーター&ミッドレンジだった。特にFNQのミッドレンジは写真で見るとわかるとおり、4方向に付きだしたフレームデザインを持ち、ピラーにすんなり収めるのはかなりやっかい。そこでショップではAピラーを大胆加工してミッドレンジを収める作戦を実施している。上部にはトゥイーターをビルトインして、中高域スピーカーを近い位置に設置して音のまとまりも引き出している。
FNQの象徴的な形状をうまく収めたピラーデザインはオーナーのお気に入りポイントにもなっている。「あの形のスピーカーをキレイにビルトインしているAピラーはコクピットのカスタム処理の中でも気に入ってるところです」とオーナー。
さらにサブウーファーはスペース効率を考えてフロントシート下に設置するのもこのクルマの特徴のひとつ。シート下スペースを考慮してグラウンドゼロの16cmユニットであるGZNW6.5をチョイス、運転席&助手席のシート下にそれぞれ1発ずつ設置して、ステレオで鳴らしている。エンクロージャーはバスレフボックスとして低音側の厚みも十分に引き出して、ロックフォードの3ウェイユニットとのつながり&帯域バランスを整える役目も担う。
DAPを使った再生環境などで
高音質再生をさらにグレードアップ
2DINヘッドユニットとDAPを音源として利用する。徹底した音質仕様のクルマであることがここからも読み取れる。
運転席と助手席の間にはパネルを設置してDAコンバーターであるAT-HRD1をインストールする。
今後もセカンドカーの熟成を進めるというオーナーの伊藤さん。メインカーの進化も同時進行で進める予定だ。
ヘッドユニットには2DINタイプのAVメインユニットであるカロッツェリアのFH-9300DVSをチョイス。高音質設計を施した2DINヘッドのフラッグシップモデルで、音にこだわった設計が施されたモデルでもある。さらにウォークマンも音源として用いる。こちらはオーディオテクニカのDAコンバーターであるAT-HRD1を介してシステムに組み入れている。ハイレゾ音源も積極的に利用しているオーナー、音源の再生環境にも徹底してこだわった。
フロント3ウェイ+サブウーファーのシステムをコントロールしているのはロックフォードのプロセッサーである3SIXTY.3。前編で紹介したとおりラゲッジの底部にインストールされ、各音源からのデータを入力し、音調整を施した上で各パワーアンプへと出力する役目を果たしている。ベテランユーザーならではの詳細な調整を施したシステムは、サウンド面でもハイクオリティ。
カスタム処理に加えハイクオリティサウンドを手に入れたワゴンR。ベテランユーザーのセカンドカーらしい質の高い仕上がりぶりで、オーディオの楽しさが伝わってくる構成。好きなブランドのユニットを使ったシステムデザインで高音質を追求するスタイルも、多くのユニットを経験してきたベテランユーザーならでは。今後はセンターコンソールの作り込みなど、ますますカスタムレベルをアップさせて、オーディオインストールの完成度を上げていく予定だ。
《text:土田康弘》