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“グラウンドゼロ”から高音質設計のニューDSPが新登場! ストロングポイントを徹底チェック!

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ドイツ発の人気ブランド“グラウンドゼロ”から、新たなDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)が登場した。その名は『GZDSP 6-8X PRO』。さて、当機のストロングポイントはどこにあるのか。その全容を解説する。

グラウンドゼロ・GZDSP 6-8X PRO

(写真)グラウンドゼロ・GZDSP 6-8X PRO

早くから新登場が予告されていた期待のDSPの、本格デリバリーがいよいよスタート!


“グラウンドゼロ”と言えば、スピーカー、パワーアンプ、サブウーファー、そしてケーブルやショートパーツに至るまで、幅広い製品ラインナップを誇るブランドとしてもお馴染みだ。しかも、アクセサリー以外の主要ユニットはいずれも、エントリーモデルからスーパーハイエンドユニットまでグレード展開も多彩だ。そしてそれぞれが抜群のコストパフォーマンスを発揮するので、初級者からサウンドコンペティターまで幅広い層に使われている。

ただDSPの品揃えは意外とシンプル。単体DSPとパワーアンプ内蔵DSPをそれぞれ1機種ずつ用意するにとどまっていた。もっともDSPを多様に展開するブランドはまれなので、“グラウンドゼロ”に限った話ではないのだが。

しかし本年度より“グラウンドゼロ”は、単体DSPを2グレード擁することとなっていた。春には早速新たなスタンダード機『GZDSP 4-8X』(税抜価格:6万円)が発売され、上位機種であり高音質設計がうたわれた当機『GZDSP 6-8X PRO』の登場も併せて発表されていた。ディストリビューターである“イース・コーポレーション”が春に発行する総合カタログに両機種ともに掲載されていて、主要スペックもあらかじめ記載されていた。ゆえに、これに期待する多くのショップやユーザーから、そのリリースが今か今かと待望されていた。

その期待のモデルの本格デリバリーが、遂に今月よりスタートされた。さて、当機は従来機と比べて、そしてスタンダードモデル『GZDSP 4-8X』と比べて、どんな利点を有しているのだろうか…。

グラウンドゼロ・GZDSP 6-8X PRO

(写真)グラウンドゼロ・GZDSP 6-8X PRO

上級機でありながらも価格は至ってリーズナブル!


見どころを詳しく解説する前にまずは主要スペックから紹介しておこう。

☆GZDSP 6-8X PRO(税抜価格;8万5000円
●仕様:8chシグナルプロセッサー
●RCA/ハイレベル入力:6系統 ●RCA出力:8系統(出力電圧:4V RMS) ●AUX入力:3.5mmステレオミニジャック/TOSLINK/COAXIAL ●31バンドパラメトリックEQ ●フェイズコントロール ●タイムディレイ ●周波数特性:5Hz~20kHz(-3dB) ●SN比:115dB以上 ●サイズ(幅×奥行×高さ):185mm×151mm×42mm ●質量:1.08kg ●GZDSP BT-BOX対応(別売) ●リモートコントローラー別売(GZDSP REMOTE PRO-X)●日本語版取扱説明書付属
基本スペックの中で真っ先に着目すべきは、その価格だ。上位機種でありながらも実にリーズナブル。税抜価格は余裕で10万円を下回っている。従来機『GZDSP 6-8X』と比べても1万円のアップにとどめられている。また、スタンダード機である『GZDSP 4-8X』との価格差も2万5000円しかない。

しかしながら、バリューはなかなか。特に“ハイレゾ音源”を楽しみたい向きにとっては、スタンダード機との差は歴然だ。『GZDSP 4-8X』の入力端子は、RCA入力とハイレベル入力のみ、つまりはアナログ入力のみなのだが、当機『GZDSP 6-8X PRO』はそれらに加え、“TOSLINK”と“COAXIAL”の2系統のデジタル入力が確保されている。ちなみに、従来機『GZDSP 6-8X』ではデジタル入力は“TOSLINK”のみだった。“PRO”へと進化しDAPとの連携性が一層高められている、というわけだ。

なお、“TOSLINK”では最大96kHz/24bitのフォーマットへの対応となるのだが、“COAXIAL”では最大192KHz/24bitのファイルフォーマットまでに対応する。ここまでのスペックが確保されていれば、サウンドコンペティターたちからの引き合いも増えるだろう。ハイエンドシステムに組み込んでも十二分に機能する。

チューニングアプリの画面。グラウンドゼロ・GZDSP REMOTE PRO-X

(写真左)チューニングアプリの画面。、(写真右)グラウンドゼロ・GZDSP REMOTE PRO-X

クラス最高レベルのシーラス・ロジック社製の「32bit/192kHzシングルコア8chプロセッサーを搭載!


続いては、高音質設計とうたわれているその中身について解説していこう。先にも述べたようにファイルのフォーマット対応が広げられたこともその1つだが、もっとも着目すべきは“素の音質性能”が高められている点だ。核となるパーツである搭載プロセッサーに、クラス最高レベルの性能が担保されたシーラス・ロジック社製の「32bit/192kHzシングルコア8chプロセッサー」がチョイスされているのだ。これが大きく効き、S/N比は従来機に対して5dB高められ、115dBが達成されている。

また、ハイレベルインプットに関しては、「ADEP回路」が積まれていて、より高音質にスピーカー出力を取り込めるようになっている。しかも「サミング機能」も搭載されているので、クロスオーバー機能が掛けられた純正オーディオのスピーカー出力も、問題なく入力可能だ。

そして、肝心要のサウンドチューニング機能も至って充実。まずイコライザーはA~Fchまでは独立31バンドパラメトリックイコライザーとなっているので、より緻密な補正を実行できる(サブウーファー用のG/Hchについては独立11バンドパラメトリックイコライザー)。周波数ポイントは1Hz単位で変更できQ特性も細かい刻みでフレキシブルに設定できる。詳細に調整可能だ。

クロスオーバークラスの選択肢はバターワースのみだが、スロープは6dB/oct刻みでマイナス6dB/octから急峻なマイナス48dB/octまで選べる。選択範囲に不足はない。タイムディレイも0.02msステップもしくは0.7cmステップで設定できる。実用上十二分に細やかにチューニング可能だ。

ところで、専用リモートコントローラー『GZDSP REMOTE PRO-X』(税抜価格:1万2000円)は別売対応だ。しかしこれを合わせて購入しても税抜価格は10万円に届かない。当リモコンを使うと、音量調節(マスターボリューム/サブボリューム)、入力切替、そして9件のユーザープリセットの切り替えを手元で行えるようになる。併せて導入すべきアイテムだ。

ハイエンドシステムで十二分に力を発揮できるリーズナブルな単体DSPを探しているというのなら、当機『GZDSP 6-8X PRO』も候補に入れよう。注目する価値は高い。

《text:太田祥三》

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