コペンをフルカスタムしている斎藤さん。新たに手がけたのはオーディオのインストールだった。コンパクトボディ&オープンモデルという限られたスペースで、サブウーファーをインストールする難しいカスタムを栃木県のlc sound factoryで実施した。
コペンの限られたスペースを駆使して
コクピット背面にサブウーファーを設置
コンパクトボディのオープンモデルであるコペンに対して内外装カスタムを実施している斎藤さん。中でもカスタムオーディオのテーマとなったのはコペンという限られたスペースのクルマで、どこまで狙い通りのシステムを組むことができるかだった。
ガルウイング、オールペン、足まわりカスタム、外装加工、ヘッドライト加工など、外装のカスタムレベルは圧倒的なこのコペン。コペンカスタムの中でも際だってクオリティの高い一台だ。そんなコペンだからこそ、オーディオにもしっかり力を入れてハイクオリティな作り&サウンドを目指したのだという。
キーワードになるのはコクピットの背面。リアのトランクスペースはほとんどをルーフの収納スペースとして使う構造のコペンは、サブウーファーなどの設置で使える場所として目星を付けたのはコクピット背面。そこに大胆なカスタム処理を施すことでインテリアのイメージを一新。内装カスタムのクライマックスに仕上げたのだ。2脚のレカロシートの間からのぞくサブウーファーがこのクルマのアイコンとなった。
薄型エンクロージャーの設計や
アクリルのツメなど工夫満載のインストール
シート背面に設置されたのはロックフォードの8インチサブウーファーP2D2-8。ユニットサイズ・エンクロージャー容量を考えたとき、8インチ口径のモデルがギリギリの選択だった。しかしその存在感は抜群。振動板をシートの間からのぞかせるデザインはとにかくインパクト大。シートへの干渉を防ぐために薄型のエンクロージャーが組まれているのも特徴。エンクロージャーが埋め込まれたパネル面からぐっとユニットを前方に突き出すデザインで、インテリアにオーディオを溶け込ませるデザインも秀逸だ。
パネルはすべてパープル系のペイントでフィニッシュ。外装やレカロシートを見ればわかるのだが、このクルマのテーマカラーはパープル。オーディオインストールでも積極的にパープル色を使うことでインテリアの統一感を出している。
さらに、造形上の注目ポイントはサブウーファーユニットの上方から付きだしたツメ形状のアクリル処理。元々オーナーとショップとの打ち合わせでは出ていなかったデザイン処理だが、納車時に+αのサプライズとして用意されていたカスタムで、オーナーも大満足のデザインとなった。
そんな8インチサブウーファーをドライブしているのは超小型パワーアンプのBANDAI POCKET 250.1。スペースが限られているコペンなので、8インチサブウーファーとエンクロージャーを組むと、シート背面のスペースはすでにいっぱいいっぱい。そこで少しのスペースでも収めることができるBANDAIのユニットをセレクトしたのだ。小型ながらパワフルにサブウーファーをドライブして、そのサウンドにもオーナーは大満足だという。
トランク内のデッドスペースに
パワーアンプとDSPをインストール
リアのトランクスペースは、前方をルーフの収納エリアとして利用するため、オーディオのインストールに利用できるのは後端のわずかな部分のみ。そのわずかなスペースにインストールしたのはフロントスピーカー用にシステムしたロックフォード・パワーシリーズのパワーアンプであるT600-4と、同じくロックフォードの8chシグナルプロセッサーであるDSR1だ。
フロントスピーカーを高音質&パワフルに鳴らすパワーシリーズのパワーアンプは、このクルマのサウンドを支える重要なユニットのひとつ。さらにデジタルプロセッサーのDSR1はフロント2ウェイ+サブウーファーのシステムを、クロスオーバー、タイムディレイ、イコライザーなどを駆使してコントロールし、狙ったサウンドを引き出す。こちらもサウンドをまとめるキーになるユニットだ。
限られたスペースに妥協することなく必要なユニットを効率良くインストールしたコペン。外装や足まわりカスタムにも負けない統一感満点のカスタムオーディオを完成させた。次回は高音質の根幹をなすフロントスピーカーを中心に紹介していくこととしよう。
《text:土田康弘》