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『サウンド調整術』入門! 第4章「イコライザー」の調整方法 その5 “31バンドタイプの操作方法”

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サウンドチューニングアプリの設定画面(ロックフォード・フォズゲート)。全 1 枚写真をすべて見る

クルマの中でより良い音を聴くための重要項目となる『サウンド調整術』について解説している当コーナー。現在は「イコライザー」をテーマに話を進めている。今回からは“31バンドタイプ”の「イコライザー」の操作方法を解説していく。

さて、ハイエンドメインユニットともなると、「イコライザー」は“31バンドタイプ”が搭載されることとなる。さらに単体DSPやパワーアンプ内蔵DSPでは、“チャンネル独立31バンド”であったりもする。その場合には、もしもフロントスピーカーが3ウェイであったなら、実質“左右独立93バンド(31バンド×3)”ということになる。このような「イコライザー」では、相当に細かく周波数特性の乱れを修正できる。

しかしながら「31バンドイコライザー」を使いこなすのは容易ではない。プロインストーラーのようにプロ用の測定器を持っていれば特性の乱れを探し出せ、補正をかけてもいけるのだが、ユーザーレベルではプロ用機材を入手し難い。

では機材がないと何もできないのかというと、そうとも限らない。「31バンドの調整用テスト信号」を入手できれば、以下のような操作が可能となる。

「31バンドの調整用テスト信号」を入手できたら、低い方の信号から1つ1つ再生してみる。そして聴こえ方がおかしいバンドを探し出す。着目すべきポイントは2つある。1つは「音量に変化があるか」、もう1つは「変な響き方になっていないか」。

もしも他の信号よりも音量が大きく聴こえたり、ハウリングを起こしたような響き方になっている信号が見つかったら、その周波数帯で「ピークが出ている」と推測できる。そんなときは「イコライザー」でそのバンドを少し下げてみよう。

なおその際には、該当周波数の1/2とか1/3といった、整数で割り切れる周波数帯のバンドも触ってみよう。1/2とか1/3のバンドを触ることで、そのバンドのピークを抑えられることもあるのだ。

その理由は以下のとおりだ。以前にも解説しているが、大事なことなので再び説明しておきたい。

音は音程を決定付ける“基音”と音色を決定付ける“倍音”とで構成されていて、“倍音”は“基音”に対して整数倍の周波数となっている。で、“基音”や特定の“倍音”に問題が発生すると、それよりも高い“倍音”にも良くない影響が出たりする。ゆえに、問題のある周波数帯が見つかったら、それよりも低い“倍音”部分や“基音”に問題がある可能性も疑ってみるべきなのだ。該当する下側のバンドを調整することで、問題が見つかったバンドの特性の乱れが収まったりもするのだ。覚えておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回も“31バンドタイプ”の「イコライザー」の操作方法を解説していく。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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