ハイエンドカーナビの代名詞的存在である『DIATONE SOUND.NAVI』。2012年7月4日に初代『NR-MZ60シリーズ』が発売されてから丸7年が経過しようとしている今、その魅力を改めて考察しようと、実力カーオーディオプロショップを取材した。
大阪府高石市で店舗を構える“イースト”に伺い、店長の藤原さんにじっくりと話を訊いてきた。
『NR-MZ60シリーズ』の登場で、愛好家の裾野が広がった。
まずは、『NR-MZ60シリーズ』が発売開始された当時の印象を教えてもらった。
「率直に、凄いモデルが出たなと思いました。そして、これをきっかけにカーオーディオに興味を持つ人が増えるのではないかという期待感も持ちました。
というのも、当時はすでに“ナビヘッド”を核としてカーオーディオシステムを組む方が多くいらっしゃったのですが、ハイエンドを追求できるナビヘッドはありませんでした。しかし『NR-MZ60シリーズ』なら、ナビを中心にこだわりのシステムを構築できます。
しかもコストパフォーマンスが高い。ナビとハイエンドメインユニットを同時に導入できるわけですから、価格的なハードルも下がりました。
なので当店では、“ライトにハイエンドを楽しもうとするときの新たな選択肢”という位置付けで、多くの方にこれをおすすめしました。
結果、愛好家の裾野が広がったと思います。『NR-MZ60シリーズ』から『NR-MZ80シリーズ』、『NR-MZ90シリーズ』と代替わりをしていく中でそれぞれの機種が一定の支持を集め、新たなカーオーディオファンを獲得することが出来ました」
『NR-MZ100シリーズ』となり音が成熟。低音の質感、1音1音のリアリティが向上。
そして2015年の秋に、初のフルモデルチェンジ機となる『NR-MZ100シリーズ』が登場する。これについての印象も教えてもらった。
「『NR-MZ100シリーズ』の登場により、『DIATONE SOUND.NAVI』は名実ともに“ハイエンドカーオーディオメインユニット”になったと思います。音が成熟しましたし、音以外の部分も大きく進化しました。操作性が高まり、画質もぐっと良化しました。
音についてもう少し具体的に言うと、これならではの独特の風合いが増したと思うんです。『DIATONE SOUND.NAVI』でなければ聴けない音を奏でてくれるようになりました。
特に、低音の質感が良くなったと感じました。ミッドウーファーが受け持つ低域からサブウーファー帯域にわたるまで、格別な味わいが発揮されます。そして、1音1音の描写力の高さも光っています。全帯域にわたってリアリティが高いんです。とても気に入っています。
実際、『DIATONE SOUND.NAVI』のサウンドの虜になっているお客様も多いです。そういった方は浮気をしません。何年かで新しい機種へと買い替えながら、ずっと『DIATONE SOUND.NAVI』を使い続けられています」
本格システムに興味を持つ初級ユーザーに特におすすめ。
『DIATONE SOUND.NAVI』はどんなユーザーに支持されているのかも訊いてみた。
「初級のお客様に選ばれることが多いのですが、その中でも本格的なシステムを組んでみたいとお考えの方に特に支持されています。まずはスピーカー交換からという方も多いのですが、システム全体を良くしたいというイメージをお持ちの方には、『DIATONE SOUND.NAVI』はおすすめしやすいです。
導入の仕方はさまざまです。『DIATONE SOUND.NAVI』+スピーカー交換というパターンが最有力ですが、『DIATONE SOUND.NAVI』だけという方もいらっしゃいます。そうであってもガラリと聴こえ方が変わりますし。
とはいえ、そこからステップアップさせていく方は多いです。しかも、スピーカーを換えるにとどまらず、その先まで進まれる方も一定数いらっしゃいます。
『DIATONE SOUND.NAVI』の良さの真髄は、まさにここにあると思っています。こつこつとシステムを発展させていって、都度、音が良くなる感動を味わえます。
最初に大きな感動を与えられるからこそですよね。“純正スピーカーのままでここまでの音が聴けるのなら手を掛けたらどうなるのか”、そう考えられる方が多いんです。そしてポテンシャルが高いので、何かをすれば期待どおりの結果を出してくれます。
ステップアップさせていく順序は、スピーカー交換、デッドニング、サブウーファーの追加、外部パワーアンプの追加、といったところでしょうか。そして、フロントスピーカーの3ウェイ化にまで進まれる方も少なくありません」
『DIATONE SOUND.NAVI』は長く、そして深く楽しめるユニット。
ステップアップさせていくときの具体的なコツも教えてもらった。
「組み合わせるフロントスピーカーには、何を選んでも大丈夫です。『DIATONE SOUND.NAVI』はどんなスピーカーと組んでも、製品の良さを活かし合えると思います。
ただしサブウーファーには、個性が強すぎないモデルを選んだ方が無難かもしれません。『DIATONE SOUND.NAVI』の低域の質感の良さは、ナチュラルに再現できるサブウーファーを使った方が発揮させやすいと思います。その方がフロントスピーカーとも合わせやすいですし。
外部パワーアンプについては、どんなモデルでもOKです。『DIATONE SOUND.NAVI』はソースユニット兼コントロールユニットに徹しますので、サウンドの方向性は外部パワーアンプで決まります。お好きなモデルをじっくりと選んでいただきたいですね。
3ウェイ化する際には、パッシブクロスオーバーネットワークにこだわると楽しいです。『DIATONE SOUND.NAVI』で3ウェイを組む場合にはパッシブクロスオーバーネットワークが必需品となりますが、そこも楽しむポイントです。オリジナルで作って、後から素子を変えてチューニングしてみたり。そういうアナログ的な楽しみ方もアリだと思うんです。
『DIATONE SOUND.NAVI』は長く、そして深く楽しめるユニットです。カーオーディオにハマってみたいと思う方には、『DIATONE SOUND.NAVI』は有力な選択肢の1つになり得ます。おすすめ度は高いです」
まずは『DIATONE SOUND.NAVI』をシステムの中心に据えると、“基本が整う”、ということなのだろう。だからこそ、長くじっくりと楽しんでいけるのだ。カーオーディオを趣味としたいと考えたなら、『DIATONE SOUND.NAVI』があることを思い出そう。これから始めれば、カーオーディオという趣味を、よりディープに楽しめる。
《text:太田祥三》