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【マツダ3 新型試乗】低速時に実感するマツダらしいこだわりの効果…九島辰也

自動車試乗記

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『マツダ3』のステアリングを握る時がようやくきた。昨年のロサンゼルスモーターショーで実車を目にしたときから、この日を待っていたといっても過言ではない。見た目にカッコいいからね。

低速走行でのクルマの挙動と乗員への影響をチェック

まず乗り込んだのはマツダ3セダン。SKYACTIV-G 2.0、つまりは高効率のガソリンユニットだ。それに6速ATが組み合わされる。駆動方式はFWD。話題のSKYACTIV-Xは次回のお楽しみとなる。

では、その走りは…、と言いたいところだが、今回はクローズドとはいえ高速走行がメインではなく、低速走行でのクルマの挙動と乗員への影響がテーマとなった。そのため時速は15キロ、30キロに規制される。外周路では80キロまでOKだが、それは操縦安定性というより、静粛性のテストとなる。

低速時の印象だが、マツダとしては乗員の身体をできるだけ揺さぶらないことに精を注いだ。人間が歩行時無意識に足や骨盤、脊髄をコントロールし、頭の位置を安定させていることに注目し、それを乗車時でも行えないかと考えたのだ。身体が揺さぶられないと長距離ドライブでの疲労を軽減できるのは容易に想像できる。

振動少なく、キャビンがフラットに保たれる

そこで生み出されたのが新開発のシートとSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)。要するにシートとボディとシャシーでそれを実現する。具体的には骨盤を立てて座るシート形状が出来上がった。歩いているとき、人は骨盤を立てることで頭を安定させているからだ。

また、クルマ側としては、ダンパーの形状、専用タイヤ、それに大きなところではリアサスで入力の軽減を図る。今回リアにTBA(トーション・ビーム・アクスル)を採用したのはそれが理由だそうだ。バネ下重量を軽くできるメリットと、ダンパーとバネと合わせて路面からの振動をこれまで以上に吸収できると判断した。もちろん、ビーム自体新設計で剛性を高めている。

といった効果からか、確かに身体の揺さぶられ方は少なく思えた。特に、時速15キロ制限エリアではキャビンがフラットに保たれる気がする。車庫から出た直後や、信号の発進&停車、商店街などを走行するときにその恩恵を感じられるだろう。G-ベクタリング コントロール プラス(G-Vectoring Control Plus、GVC)もそうだが、この辺のこだわりはまさにマツダらしいと言える。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身

《text:九島辰也》

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