フロントにミッドバス×2、トゥイーター×1をビルトインしてカスタムを施した岡田さんのムーヴ・カスタム。見せる&聴かせる仕様を目指しただけにサウンド&カスタムで抜かりなし。製作ショップである香川県のピットハウスコスギが手の込んだ処理を実施した。
ミッドバス×2発を取り付ける
イベント仕様のフロントドアが完成
ムーヴ・カスタムの内外装カスタムを進める中で、オーディオを本格的に手がけることにしたオーナーの岡田さん。イベント仕様を目指した愛車のオーディオは、ギャラリーを意識してフロントドアをオープンした際にデザイン的なアピール度とサウンド面での鳴りっぷりを追求した仕様とした。
中でもカスタム処理に力を入れたのがフロンドドアだった。前編でも紹介した通り、フロントスピーカーにはサーウィンベガのCVMP6.5とCVMP1.0をチョイス。すべてのスピーカーユニットをフロントドアにまとめてインストールすることで、ドアオープンすると中低域から高域までの幅広い帯域をしっかりと車外に響かせることができるパワフルな外向き仕様を完成させた。
しかも6.5インチ・ミッドバスのCVMP6.5は片側に2発インストールするデュアル仕様なのもこのクルマの特徴。1発は純正位置付近に取り付け、もう1発はドア後方に新たにバッフルを組んでインストールする独特なスタイルを導入。ドアオープン時の音飛びに加えて厚みのある中域サウンドの実現を狙った。まさにイベント仕様のフロントドアとなった。
イルミ処理やアクリルなどを加え
立体的で見どころ満点などあを製作
さらにドアの細部を見ていくこととしよう。さすが内装カスタムにこだわったクルマだけに、単にスピーカーをインストールしただけではなく、細部に渡って手の込んだ処理が施されているのがわかる。まずはドア下部にはゴールドのパネルがビルトインされ、周辺を赤&青の縁取りで処理されている。この縁取り処理はフロントシートに用いているレカロの限定シートのカラーリングをモチーフにしたもので、インテリアのデザイン的な統一感を引き出すワザでもある。
さらにドアパネルには異形のアクリル処理を施しイルミでショーアップする。スピーカー周辺のリング状のアクリルとも相まって、ドア全体に光りモノによるインパクトを引き出している。オーナーがドアオープン時の見せる効果を狙ったもので、このクルマならではのドアカスタムのアイデアのひとつと言える。
もちろんドアは全面張り替え処理されている。ベースにはホワイトの人工スエードを用いて、上部はブルー、さらにアームレスト上部にはブルーの人工スエードにホワイトステッチを加えた処理を施し、バリエーションに飛んだ処理が加えられる。カラーリングや生地、処理のスタイルなどをパートごとに変更し単調になることのない立体的なドアデザインを作り上げた。
ダッシュやリアドアなども含めて
内装全体のカスタムにも抜かりなし
イベント仕様を目指したクルマだけに、インテリアのカスタムはトコトン手が込んでいる。オーディオまわりで印象的だったドアのカスタムに加えて、ダッシュ、グローブボックス、さらにはリアドアや前後シートなども、すべてがカスタム処理済み。内装に置いてはストック状態のパートが見当たらないほどのフルカスタムがお見事。
ダッシュは全面をブルーの人工スエードを使って処理。ドアにも用いられているカラーリング&素材を使って、ドア上部とのコーディネートを完成させた。さらにダッシュ、フロントドア、リアドアへと続くインテリアデザインの流れを作っているのも見どころ。またグローブボックスなど、コクピットまわりの細部パーツもすべて人工スエードを使った処理が施される。純正のモールやシルバーベゼルなどとの組み合わせで高級感と個性的なカスタム内装の雰囲気を見事に表現している。
さらに、リアドアもフロントドアに合わせて全面張り替え処理を実施。スピーカーは純正をそのまま使っているが、グリル部分をあえて残して他の部分を張り替えた処理でメリハリを付ける。フロントドア同様にカスタムレベルが高いフィニッシュとなった。
徹底して“見せるカスタム”を実施したムーヴ・カスタムのインテリア。オーディオまわりのみならず、インテリア全体を処理した手の込んだカスタムで、イベント仕様ならではのクオリティの高いフィニッシュとした。オーナーは今後もサブウーファーの追加など、ますますオーディオにも力を入れていく予定だという。内装カスタムの進化はまだまだ止まらない。
《text:土田康弘》