「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part2「製品選びの“勘どころ”とは?」 | Push on! Mycar-life

「パワーアンプ」の使い方、楽しみ方を完全解説! Part2「製品選びの“勘どころ”とは?」

カーオーディオ特集記事
“AB級”パワーアンプの一例(ロックフォード・フォズゲート T400-4)。
“AB級”パワーアンプの一例(ロックフォード・フォズゲート T400-4)。全 2 枚拡大写真

愛車のスピーカーを市販モデルに交換ずみだという“音”への感度が高い方々に向けて、“次の一手”として“外部パワーアンプ”の導入をおすすめする短期集中連載をお届けしている。第2回目となる今回は、“外部パワーアンプ”の選び方の“勘どころ”を解説していく。

なお当特集では毎回、全国の有名カーオーディオ・プロショップの協力を仰ぎ、記事を展開している。今回は、福岡県の実力店、“エモーション”の橋本さんに教えを乞うた。参考になる話しをたくさん訊くことができた。じっくりとお読みいただきたい。

■“パワーアンプ”は、コストが掛けられているモデルほど高性能!

単刀直入に、“外部パワーアンプ”選びのコツを教えてもらった。

「“パワーアンプ”の性能は、概ね価格に比例します。ですので至極シンプルな話なのですが、『ご予算の中でもっとも上級なモデルを選ぶ』のが最善の策になると思います。

スピーカーとパワーアンプは至って“ローテク”な工業製品です。“ローテク”な工業製品は物量を投入すればするほど、つまりコストを掛ければかけるほど性能が向上します。設計者のセンスも性能に影響しますので一概に言えない部分もあるのですが、コストが掛けられたモデルほど音質的なアドバンテージが高くなることは確かです。

カーオーディオのパワーアンプの多くは“AB級”、もしくは“D級”ですが、“AB級”のモデルにおいてはその傾向が顕著です。“AB級”の“パワーアンプ”では、電源部が高性能であるか否かが音質に大きく影響します。また“電源使用効率”は大体50%程度ですから消費電流の約半分は熱として失われることとなり、出力の大きなモデルほど大きなヒートシンク(放熱のためのパーツ)を必要とします。性能を上げようとすれば電源部もヒートシンクも大型化せざるをえませんので、それにともない価格も上昇していく、というわけなのです」

■“D級パワーアンプ”には、コストパフォーマンスに優れたモデルも多々ある!

話しを続けてもらった。

「ただし“D級パワーアンプ”については、少々事情が異なります、“D級パワーアンプ”は“電源使用効率”がすこぶる高いんです。多くのモデルが95%くらいなのではないでしょうか。なので熱を発生しにくくヒートシンクを大型化させる必要がありません。電源部も小型化できます。なので物量を投じる必要性が低く、リーズナブルに完成させることが可能となります。結果、高額化する傾向は弱く、手頃なモデルの中にもなかなかに高性能なモデルがあったりします。

というわけで、性能を突き詰めようと思えば高額な“AB級”の“パワーアンプ”がおすすめとなりますし、手頃なモデルの中から良いものを選ぼうと考えるなら、案外“D級”のモデルにお買い得なモデルがあったりもします。参考にしていただきたいですね」

続いては、スペックの見方を教えてもらった。

「結論から言いますと、スペックはそれほど気にする必要はありません。スペックから性能を推し量るのは困難です。

ところで、“外部パワーアンプ”のスペック表を見て、メインユニットの内蔵パワーアンプと比べて出力差が大きくないと感じられる方がいらっしゃいます。メインユニットの多くはスペック表のところに“50W×4ch”と記載されていて、スタンダードな“外部パワーアンプ”もそれと同じような数値だったりするので、内蔵パワーアンプで十分なのでは?と思われる方もいらっしゃいます。

しかしそこにはちょっとしたからくりがあるんです。内蔵パワーアンプの多くは、出力表示の欄に“最大出力”を記載していて、対して“外部パワーアンプ”ではほとんどの機種が“定格出力”を記載しています。ちなみに“最大出力50W×4ch”を“定格出力”に換算すると、“16W×4ch/THD1%以下”程度というのが実情です。同じ“50W×4ch”でも“最大出力”と“定格出力”では大きな違いがあります。ですので、“外部パワーアンプ”のスペック表を見て出力不足を心配する必要はありません。“外部パワーアンプ”は総じて内蔵パワーアンプより格段にパワフルです」

■“ダンピングファクター”は、値の高・低よりもスピーカーとの相性が重要!

ところで、“パワーアンプ”のスペックの中で“ダンピングファクター”が重要だという声を聞くことも少なくない。続いてはこれについて詳しく教えてもらった。

「“ダンピングファクター”は、スピーカーを止める力(制動力)を表す数値です。ただし、値が高ければ良いというわけでもありません。問題は、使用するスピーカーとの相性です。組み合わせるスピーカーによっては高い方が良い場合もあれば高過ぎない方が良い場合もあるのです。

スピーカーにも、止まる能力が高いタイプと低いタイプとがあります。低音の再生力が重視されたモデルは案外、止まろうとする能力が低かったりします。そのようなスピーカーには“ダンピングファクター”が高い“パワーアンプ”が向いています。

逆に、止まる能力の高いスピーカーにはむしろ、“ダンピングファクター”が高過ぎるモデルは向いていません。

なお、“ダンピングファクター”がスペック表に記載されていないモデルも少なくありません。その場合は、使ってみて傾向を判断するしかないですね。測定することは可能なのですが、一般の方では測定は難しいと思います」

機能の違いについても訊いてみた。

「機能についても気にする必要はないと思います。チェックするとすれば“クロスオーバー”機能くらいですが、昨今は“プロセッサー”が使われることが多くなっていますので、“パワーアンプ”の“クロスオーバー”が使われるケースは随分減っています。むしろ搭載されていない方が回路的にはシンプルですから、音には有利です。なので“クロスオーバー”機能の内容、そして有る無しは気にしなくていいと思います」

最後にまとめてもらった。

「“外部パワーアンプ”を使うことで高音質化が図れることは間違いありません。気に入ったモデルを見つけてシステムに組み込んでいただいて、カーオーディオを一層深く楽しんでいただきたいと思います。多くの方に“パワーアンプ”を使うことの面白さを味わっていただきたいですね」

橋本さんに訊いた話しは以上だ。使用するスピーカーとの相性を考えながら、楽しみながら“パワーアンプ”選びを行おう♪

《太田祥三》

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