初めての「スピーカー交換」。楽しみ方、全部教えます! Part1「換えると音が良くなるワケ」 | Push on! Mycar-life

初めての「スピーカー交換」。楽しみ方、全部教えます! Part1「換えると音が良くなるワケ」

カーオーディオ特集記事
市販スピーカーの一例(モレル・ハイブリッド602)。
市販スピーカーの一例(モレル・ハイブリッド602)。全 1 枚拡大写真

「ドライブと音楽は切り離せない!」と考えているドライバーは多いはずだ。その音楽を“もっと良い音”で楽しみたい、そう思っている方もまた、少なくないだろう。さて、カーオーディオの音をより良くするにはどうすれば良いのかというと…。

もっとも人気が高い方法はやはり、「スピーカー交換」だ。上を見ればキリがないが、リーズナブルなモデルを選べば他のやり方に比べてより手軽に音質を良化させることが可能となる。

そんな、もっともスタンダードな音質向上策である「スピーカー交換」を多くの方々に楽しんでいただくべく、実践ガイド企画を展開する。何を、どこで、どうやって行えばいいのかを、毎回テーマを絞りながら解説していく。「スピーカー交換」に興味を持ちつつもやり方がわからなかったというアナタは、当記事を要熟読!

■純正スピーカーには多くを望めない!?

まず今回は、「スピーカー交換」を実践するとなぜに音が良くなるのか、その理由を解説していく。

市販スピーカーに換えると音が良くなる最大の理由はズバリ、「純正スピーカーと市販スピーカーとの“性能差”が大きいから」だ。市販スピーカーは純正スピーカーと比べて明らかに性能が上だ。市販スピーカーでもっともリーズナブルな製品は1万円台から存在しているが、そのレベルであっても純正スピーカーとの違いは顕著だ。コストの掛けられ方が大きく違っているのだ。

純正スピーカーを取り外して手に取ってみると、そのことを実感できる。大概の純正スピーカーはフレームが樹脂製で、そして重要度の高いパーツである磁気回路がかなり小さい。つまり純正スピーカーは、より軽く、かつ簡素に作り上げられている。それに対して市販スピーカーはフレームが金属製で屈強であり、磁気回路も大ぶりだ。高級な磁石を使って磁気回路の小型化が図られているモデルもあるので大きさと性能が完全に比例するわけではないが、とにもかくにも市販スピーカーの磁気回路は立派だ。スピーカーは高級品になるほどに重く高剛性になっていくのに、純正スピーカーはその逆の方向に向かっている、というわけなのだ。

昨今の純正スピーカーが、軽く簡素に仕上げられている理由は主に2つが考えられる。1つは「低燃費を実現させるため」だ。そのためには“車重”は軽いほうが良い。理由の2つ目は、「コストカットが進められているから」だ。価格競争を勝ち抜くためには、走行性能、安全性能に関係のない部分には多くのコストを掛けられない。

こうして純正スピーカーの軽量化は一層進み、そしてますますのコストカットが実行されている傾向が見て取れる。純正スピーカーに多くを望むのは酷な話、というわけなのだ。

■愛車の純正スピーカーにツイーターが設定されていない場合は、むしろチャンス!?

ところで、愛車の純正スピーカーがもしも“フルレンジタイプ”であったなら、市販スピーカーに交換したときの音質向上幅は、一層大きなものとなる。

“フルレンジタイプ”というのは、1つのスピーカーユニットだけで低音から高音までを再生しようとするものだ。

しかし実際は、1つのスピーカーユニットで全帯域をスムーズに鳴らし切るのは至難のワザだ。人間の可聴帯域は20Hzから20KHzであり、これは音程で言うと10オクターブ分。このような広範囲な音域を、1つのスピーカーユニットで再生しようとしても無理があるのだ。なので市販スピーカーでは通常、“マルチウェイ方式”が採用されている。高音再生はツイーターに任せ、中低音再生はミッドウーファーに担当させるというように、複数のスピーカーユニットを用意し役割分担させ、全帯域をよりスムーズに再生しようとするわけだ。

であるので純正スピーカーにツイーターの設定がなかったら、ツイーターの設定がある市販スピーカーに交換することで、状況を一変させられる。高音のクリア感が一気に向上し、音楽全体の質感もぐっと良化する。

ちなみに、高級欧州車の中にもツイーターが設定されていない車種は結構多い。10cm程度のフルレンジスピーカーと、足元に設定しているサブウーファーとによる“2ウェイ”タイプとなっていて、その分低音再生能力は案外高いが、高音再生能力はそれほどでもない。フルレンジスピーカーの口径が比較的に小さめなので、16~17cmクラスのフルレンジスピーカーと比べたら高音再生力は高めではあるが、ツイーターが存在しないビハインドは小さくはない。

もしも愛車の純正スピーカーが“フルレンジタイプ”であったなら、逆にチャンスだと考えよう。音が良くなるノリシロが大きいからだ。トライしない手はないのだ。

■「パッシブクロスオーバーネットワーク」の存在も、音質良化に効果大!

市販スピーカーが音に有利である要素は他にもまだある。市販スピーカーには大抵、「パッシブクロスオーバーネットワーク」というパーツも付属されている。これがあることによって得られるメリットもなかなかに大きい。

まずは「パッシブクロスオーバーネットワーク」とはどのような役割を果たすものなのかから説明しよう。これは、音楽信号を“帯域分割”するための装置だ。これがあると、高音を再生するツイーターには高音信号だけを送れるようになり、ミッドウーファーには中低音の信号だけを送れるようになる。

対して純正スピーカーのセパレート2ウェイスピーカーでは多く場合、ツイーターに対しては中音以下をカットする仕組みが搭載されてはいるものの(そうしないとツイーターが破損してしまうからだ)、ミッドウーファーに対してはその仕組みが採用されていない場合がほとんどだ。

そうであると、ミッドウーファーからも微弱ながらも高音が聴こえてくることとなる。しかしミッドウーファーは高音再生が得意ではないので、濁った高音を発しがちだ。対して市販スピーカーにはミッドウーファーに送られる信号の高域成分もカットできる「パッシブクロスオーバーネットワーク」が備えられているので(一部の廉価なモデルを除く)、ミッドウーファーからはほとんど濁った高音が聴こえてこない。2ウェイスピーカーをより効率的に、スムーズに鳴らすことができるのだ。

さて、市販スピーカーが音質的に有利である理由をご理解いただけただろうか。純正スピーカーが“フルレンジタイプ”であっても“セパレートタイプ”であっても、市販スピーカーに換えることで、聴こえてくる音の質をガラリと変えることが可能となる。「スピーカー交換」を検討する価値は、実に大きい。

次回は、「スピーカー交換」はどこで行うと良いのかについて掘り下げて行く。お楽しみに。

《太田祥三》

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