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気鋭の新“防音・制振材”ブランド“DrARTEX(ドクターアルテックス)”。その実力に迫る! Part1・創設者インタビュー

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シンガポールに本拠を置く“DrARTEX”という新たな“防音・制振材”ブランドが日本上陸を果たしていたことをご存知だろうか。発売が開始されたのは昨年4月。以来、その製品をデッドニングや静音化の部材として採用する販売店が増え始め、知名度も徐々に高まりつつある。

そんな気鋭ブランド“DrARTEX”のバリューを解き明かすべく、今改めて同社をクローズアップする週刊特集を展開する。“DrARTEX”とはどんなブランドであり、その製品群にはどのようなストロングポイントが秘められているのかを掘り下げていく。その第1回目となる今回は、プロモーションのために来日していた同社社長、Andrey・Dmitriev氏へのインタビューの模様を掲載する。

蓄積された知識と経験を基に新たな“防音・制振材”を創造しようとブランドを設立。

DrARTEX社長、Andrey・Dmitriev氏。

(写真)DrARTEX社長、Andrey・Dmitriev氏。

インタビューは、“DrARTEX”の正規輸入代理店である“イース・コーポレーション”の本社内で行った。まず最初に、ブランドが誕生した時期と、設立理由を教えてもらった。

「ブランドを創設したのは2017年です。誕生して間もない、新しいブランドです。

それ以前まで私は、クルマ用の“防音・制振材”を販売する仕事をしていました。会社を立ち上げたのは1995年です。当初はカーオーディオユニットも取り扱っていたのですが、2008年からは“防音・制振材”の販売に特化し、それらを広めていくことに力を注いできました。

その活動の中で、世界中のユーザーが愛車のノイズを減らすためにどのような部材を求めているのか、それが次第に分かってきました。同時に、ノイズが生成されるメカニズムや、それによる負荷についても相当に研究を重ねてきました。

そしてさらには、本当に望まれている部材を世に送り出したいという気持ちが芽生えてきました。『このような部材があればもっと効果的に問題を解決できるのに』、そんな思いが頭をもたげてきたんです。ならばそれを自社で作ろう、そう思い立ちました。蓄積された知識と経験を基に、車内での使用に最適化された新たな“防音・制振材”を生み出そうと。こうして“DrARTEX”は誕生しました」

DrARTEX社長、Andrey・Dmitriev氏。

(写真)DrARTEX社長、Andrey・Dmitriev氏。

“革新”的な製品をいかに“迅速”に生み出せるか。そこに並々ならぬこだわりを注入。


次いでは、ブランドとしてのポリシーを訊ねた。

「弊社では、以下の6つのキーワードを“弊社の価値”として掲げています。“Agility(迅速)”、“Knowledge(知識)”、“Innovation(革新)”、“Stability(安定)”、“Quality(品質)”、“Certified(保証)”。

この6つはいずれも重要なのですが、その中でも“Agility(迅速)”と“Innovation(革新)”には特にこだわりを注いでいます。

以前、ディストリビューターをしていた頃には、取引先のメーカーに新しい製品を作ってほしいと投げかけても、それが完成されるのに1年半とかの長い時間が掛かっていました。しかし今は3か月で製品化させられます。ニーズに対していかに素速く対応できるか。“革新的”な製品を“迅速”に生み出せるブランドでありたいと思っています」

そのポリシーにより創造された製品には、どのようなこだわりが注入されているのだろうか。

「主には2つあります。1つは“純度”です。100%ピュアな素材を使って製品を完成させたいと思っています。リサイクルされた素材では、劣化が早かったり安定した性能が発揮できなかったりしがちだからです。

2つ目は“配合”です。複合的な素材を用い、それらをいかに理想的な形で配合させるか。その配合の妙で、より高性能な製品に仕上げていこうと考えています。結果、“軽量化”も実現できています。日本市場には弊社でラインナップする製品の中でもハイグレードなモデルが投入されているのですが、これらはローグレードな製品と比べて高い効果を発揮できるにもかかわらず、同時に“軽量化”も成し遂げられているんです。48%もの“軽量化”が達成できている製品もあります。“防音・制振材”は高性能なモデルほど重くなる傾向がありますが、弊社の製品はそこのところはむしろ逆なのです」

DrARTEX・Mantle

(写真)DrARTEX・Mantle

ヨーロッパとアジア各国で、幅広く使われている。


続いては、“DrARTEX”の製品がどのような地域で、そしてどのようなシーンで使われているのかを訊いてみた。

「現在は、ヨーロッパとアジアで幅広く販売しています。当初はヨーロッパが中心でしたが、昨年からは中国での販売もスタートさせました。中国の市場はやはり大きく、結果、アジア全体での販売量がヨーロッパでの販売量に肉迫することとなっています。

用途も幅広いです。エンジンやモーターを積んでいてボディが金属である乗り物に広く使用できます。バスや電車や船舶等々。ただ、今の所はクルマ以外で使われる頻度はそれほど多くはありません。特に船舶での使用においては使用条件に特殊性が多々ありますので、現状では積極的に進出していません。

まだ新しいブランドでもありますので、今は認知を広めていくことが重要だと思っています。クルマ以外での使用については特に、まずはブランド名を知っていただいて、そして製品の価値を分かっていただくことが必要です。現在はその活動を各国で行っているところです」

今後の展開についても訊いてみた。

「“革新”的な製品を多々出していきたいと思っています。面白いところでは今、スプレータイプの“防音・制振材”を開発中です。施工箇所によっては、シート状の部材を貼りにくいケースもありますので、スプレーすることで“防音・制振”効果が得られたら便利だと思うんです。そう遠くないタイミングで製品化できるのではないかと思っています。楽しみにしていてください」

DrARTEX・Lace05

(写真)DrARTEX・Lace05

「ノイズは単に耳障りなだけでなく、健康にも悪影響を及ぼしかねない。そのことをもっと多くの方に知ってほしい」


最後に、日本のカーオーディオ愛好家へのメッセージをもらった。

「弊社は、クルマの中で聞こえるノイズを下げることにこだわって製品を開発しています。ノイズは単に耳障りなだけでなく、健康にも悪影響を及ぼしかねません。不眠症になったり、精神的な疾患を発症させることも有り得ると思っています。しかしながら、害があるものだということを認識されている方はまだまだ少ない。

例えば、今では“紫外線”が健康に悪影響を与えることを多くの方が知っています。なので外で活動する際には日焼け止めが塗られたりサングラスがかけられたりします。しかし車内のノイズは、まだまだそこまで気にされてはいません。でもノイズは、“紫外線”と同じように避けるべきものだと弊社では考えています。

日本の皆さんにも、そのことを強く訴えたいと思っています。ノイズが少なくなれば、お好きな音楽をより良い音で楽しんでいただけるばかりでなく、ドライブの快適性も高まり、そして健康への悪影響も減らせます。

弊社のアイテムならば効果的にノイズを抑え込めます。“DrARTEX”という名前をご記憶いただき、ノイズが気になったらぜひ弊社の各製品をお使いください。“DrARTEX”の“防音・制振材”が日本の皆さまのカーライフの質の向上に貢献できることを、心から願っています」

信念に満ちたこのブランドの製品を、試す価値はなかなかに高そうだ。より効果的にデッドニングを行いたいと思ったら、そして車内の快適性をもっと上げたいと思ったら、“DrARTEX”という新たな選択肢が出現していることを思い出そう。

さて次回は、製品ラインナップを具体的に紹介していく。次週の当記事も、お読み逃しなく。

《text:太田祥三》

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