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国産ハイグレードケーブルブランド"Zonotone"の、新旗艦モデルを緊急テスト!! <後編>

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実力ケーブルブランド"Zonotone(ゾノトーン)"から、2018年の11月下旬に注目の新インターコネクトケーブル(ラインケーブル)が発売された。製品名は『7NAC-Shupreme X(シュプリーム X)』。その実力を探るために緊急テストを実施した。

試聴したのは計4モデル。新たなフラッグシップ機となる当機の実力をより正確に把握すべく、スタンダードグレード、セカンドグレード、そしてトップエンドグレードの従来モデル、これらとの比較試聴を実行した。

リポートの「後編」となる今回は、旗艦モデルの新旧比較試聴記をお届けする。

Zonotone・7NAC-Shupreme LE


素材に贅が尽くされ、考え抜かれた構造で仕上げられたハイコストパフォーマンスモデル。


前回聴いたのは、4グレードあるスタンダードライン『Granster シリーズ』のセカンドモデル『6NAC-Granster 3000α』(税抜価格:1万8900円、RCA、ペア、1m)と、インターコネクトケーブルの全ラインナップ中のセカンドグレード『7NAC-Neo Grandio 10Hi』(税抜価格:8万3000円、RCA、ペア、1m)だ。

ともに、端正かつ味わい深いサウンドが楽しめた。とりわけ『7NAC-Neo Grandio 10Hi』の聴き心地の良さは特筆に値した。十二分に高性能であることを確認できた。

それらに対して最高峰グレード『Shupreme シリーズ』の性能はどうなのか。まずは旧作となる『7NAC-Shupreme LE』についてリポートしていく(試聴システムの詳細は前回の記事を要参照)。

最初に当機のプロフィールを簡単に紹介しておこう。試聴したのは1mのモデル(税抜価格:12万5000円、RCA、ペア)。長さは以降50cm刻みでオーダーでき、6mのモデルの税抜価格は37万5000円(RCA、ペア)となっていた。

導体構成は以下のとおり。超高純度7NCu、高純度銅特殊合金、PCOCC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅。この5種類の素材が"Zonotone"独自の黄金比でハイブリッドされている。構造は、ハイブリッド独立8芯を絶縁パイプの周囲に配置し(エアー制振構造)、4芯を集合アイソレートする方式が取られている。シールドには、内部シースに厚手アルミラップシールドと高密度軟銅線編組を重ねた2重シールド型が採用されている。

「1人でも多くの方に“最高峰”を」という思いも込められているとのことで、導体素材に贅が尽くされこだわりの構造が用いられていながらも、トップエンドモデルとしては案外にリーズナブル。さて、その実力のほどはどうだったのかと言うと…。

Zonotone・7NAC-Shupreme LE

相反するイメージも、それぞれを同時にしっかりと味わえる…。


最初の1音が響き始めた瞬間に、唸らされた。それまで聴いていた『7NAC-Neo Grandio 10Hi』でも十分なS/N感が確保されていると感じたが、そこからさらにもう1枚ヴェールが取り払われたかのようにクリア感が増していた。

そして、味わいもさらに深まっている。優しい音はとことん優しく、硬い音はどこまでも硬質に、温かい音は限りなく温かく、クールな音は至ってクールに…。相反するイメージであってもそれぞれを同時にしっかりと味わえる。

結果、心地良さが一層向上している。ずっと浸っていたいと思わせるなんとも魅力的なサウンドが目の前に展開されていた。

『7NAC-Shupreme LE』が生産終了となっていることを、至極残念に感じた。おいそれと手を出せる値段ではないが、これを欲しいと思っても、もう手にすることは叶わない…。感動に浸りながらも、寂しい気持ちも込み上げてきた。

Zonotone・7NAC-Shupreme X

素材、構造とも、さらなるブラッシュアップを断行!


さて、いよいよ今回のテストの主役の登場だ。話題のニューモデル『7NAC-Shupreme X』のインプレッションリポートをお伝えしていく。

こちらについてもまずはプロフィールから紹介しておこう。試聴したのは他のモデルと同じく1mタイプ(税抜価格:17万円、RCA、ペア)。なお、当機ではこの1mタイプが標準機となっていて、1.5mタイプと2mタイプが特注対応となる(納期の目安は2~3週間)。それ以上の長さには対応していない。

5種類の導体が使われていて、それらが"Zonotone"独自の黄金比でハイブリッドされていることは『7NAC-Shupreme LE』と同様ながら、使われている素材の内容は変わっている。顔ぶれは以下のとおりだ。超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、高純度無酸素銅PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅OFC。より贅が尽くされている方向で変わっていると判断して良いだろう。生産が終了し変更を余儀なくされたものもあるようだが、全体的な品質アップが図られていることは確かだ。より豪華な仕様となっている。

構造は、『7NAC-Shupreme LE』のそれがキープされている。エアー制振構造もそのままだ。対してシールドは複雑化している。『7NAC-Shupreme LE』では2重シールド方式となっていたが、『7NAC-Shupreme X』は3重シールド方式が採用されている。同様の2重シールドの外側に、特殊銅スプリングによる独立シールド(グランドアース線付)が加えられている。

素材、構造ともさらなる高級化が果たされ、価格的にもワンランク上がっているわけだが、果たしてそれがどのように音に現れているのだろうか。期待しながら試聴を開始した。

Zonotone・7NAC-Shupreme X

従来機の良さを何1つ失うことなく、新たな魅力も付加…。


最初のテストトラックのイントロを聴きながら、まずは「流石だ」と感心させられた。従来機の良さが何1つ失われていなかったからだ。『7NAC-Shupreme LE』が終売となったことを寂しく思う必要はない。その魅力は当機に完全に引き継がれている。

その上で、味わいがより深くなっている。ただただ心地良く、そして感動的なサウンドが目前に広がっている。1音1音が滋味に富みコクがある。全体的には説得力が強烈で、心を揺さぶろうとする力が強い。際立って音楽性が高められている。

ところで前作では、「リーズナブルであること」もコンセプトの1つだったわけで、『7NAC-Shupreme X』はその点においては言わばリミッターが外された格好になっているのだが、そのこともすんなりと納得できた。これはこれでコスパが高い、そう思わせる性能が確保されている。

いやはや何とも強力なモデルが登場したものだ。『7NAC-Shupreme X』を手にできるユーザーを、心から羨ましく思う。価値ある高級ケーブルがまた1つ、カーオーディオ市場に投入された。

もしも『7NAC-Shupreme X』のサウンドを体験できる機会の告知を目にしたら、そのチャンスを逃すことのなきように。人生の経験の1つとして、この音に触れておくことは無意味ではないはすだ。

さらなる実力を身にまとったフラッグシップ機を完成させた"Zonotone"。2019年もカーオーディオ市場の中で快進撃を続けるに違いない、そんな予感を抱きながらテストを終えた。ケーブル選びにこだわるならば、"Zonotone"のチェックもお忘れなく。

《text:太田祥三》

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