【BMW X4 新型試乗】ひさびさに豪快なBMW「直6」を堪能した…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【BMW X4 新型試乗】ひさびさに豪快なBMW「直6」を堪能した…中村孝仁

◆大きくなって広くなった新型『X4』 ◆メルセデスも真似できない直6サウンド ◆全高1620mmもあるクルマとはとても思えない

自動車 試乗記
BMW X4 M40i
BMW X4 M40i 全 21 枚 拡大写真
◆大きくなって広くなった新型『X4』

ライバルのメルセデスが最近になって直6エンジンを復活させた。エンジン長が長くなり、縦置きにするにも横置きにするにも、その長さがネックとなって、近年直6を採用しているのはBMWだけ、という状況が続いていた。

メルセデスの場合、これを48Vのモーターと組み合わせたマイルドハイブリッド車として世に出した。しかし、本家ともいえるBMWは、あくまでもパフォーマンス優先でこの直列6気筒を使い続けている。

新たに登場した2世代目の『X4』がお披露目され、試乗にはその6気筒を搭載する「M40i」のみがやってきたのである。因みにX4のラインナップは「xDrive30i」と、そのMスポーツ版、及びこのM40iの3モデルで、4WDのxDriveは、2リットル4気筒エンジンのみと組み合わされる。

さて、新しいX4は先代よりも全長で80mm、ホイールベースで55mm拡大されている。全幅も40mm大きくなって1920mm。いまや1900mm台の車幅を持つクルマがぞろぞろ出てきているが、日本のインフラがそれに対応しているかというと、正直疑問。隣のクルマのドアがぶつかるなどのトラブルが起きなければ…と、老婆ではないけれど老婆心ながら心配してしまう。それも、この種のクルマは過密な東京に多いのだから余計だ。

ホイールベースが伸びたおかげで、リアシートのレッグスペースも従来よりも30mm拡大されているという。要するに大きくなって広くなった。デザイン的にも少し従来より猫背感が増して、リアのヘッドクリアランスや、ラゲッジスペースの容量に気を使った跡がうかがえる。

◆メルセデスも真似できない直6サウンド


等々、サイズやスタイルの話はこれぐらいにして、やはり気になるのは直6のパフォーマンスだ。数値の上では360psに500Nmである。最近ではこの程度のパフォーマンスはざら。とは言うものの、ヨーロッパ仕様の自社データでは、0-100km/hの加速が4.8秒であるという。これは相当なものだ。そして実際に走らせてみて、それ以上に感動するのはやはりBMWならではの直6サウンド。これだけはメルセデスも真似できないようである。

エンジンをかけた瞬間、今回試乗会の舞台となった箱根の山に、この直6サウンドがこだました。少し大袈裟すぎると感じたし、少々うるさい。ここまでしなくても、その良さは十分に伝わるはずである。

まずは車両をチェックする意味でもゆっくりとスタート。あれほど威勢の良いサウンドを響かせていた始動時とは打って変わって、静かにこもる音が室内を支配する。静粛性という言葉は正直、このクルマには不要である。直6サウンド自体がむしろ心地よく室内を包む。要するにエンジンは常に主張しているということだ。だが、この点についてうるさいと感じることは一度もなかった。

◆全高1620mmもあるクルマとはとても思えない


例によって走行モードはコンフォートをデフォルトに、エコプロとスポーツが選べる。街中を走る分にはおよそすべての状況において、エコプロで十分である。そしもう少し加速が欲しいと思えばコンフォートを選べばよい。高速の料金所からほんの僅かのフル加速を堪能する。直6サウンドはまさに官能的だ。これがエコプロとコンフォートモード時は控えめだが、スポーツをチョイスすると、その控え目な印象はどこへやらで、俄然主張を強める。これを聞きたければ窓を開ければその違いが鮮明にわかる。

このスポーツモードでは、さらにノーマルスポーツ、そしてスポーツプラス、さらにインディビデュアルの設定が可能。そのインディビデュアルでは、ダンパーやステアリングにコンフォートを選べるだけでなく、エンジンとトランスミッションだけにスポーツよりも瞬足を約束するスポーツプラスモードがチョイスできる。スポーツプラスをチョイスすると、アクセル開度に対してさらにエンジンの反応が俊敏となり、トランスミッションのシフトタイミングも同様にさらに時短される。

これが当然ながら加速の際にはスピード感に繋がるわけで、ここまで行くと、全高が1620mmもあるクルマをドライブしているとはとても思えず、まさに地面すれすれの地上高を持つスポーツカーのそれの走りである。つまりコンフォートもダイナミックもお望み次第、ということである。

まあ、残念ながら合法的にこのパフォーマンスを発揮できる場所など、ないのが現状であるから、正直なところ宝の持ち腐れ感が強く、乗っていてもフラストレーションが溜まってしまうのだが、内に秘めた豪快さは、そのサイズに対するパフォーマンスの高さから特に強烈に印象付けられた。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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