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超実力スピーカーブランド“マイクロプレシジョン”の“凄さの真髄”に迫る。

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カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。全 11 枚写真をすべて見る

ドイツ発の“スーパーハイエンド”スピーカーブランド、“マイクロプレシジョン”。これへの注目度が、さらなる高まりを見せている。ここにきてこれを装着するクルマの数が少しずつではあるが増えていて、その音の“凄さ”が各所で話題となっているのだ。

さて、ここまでの“スーパー”なスピーカーは、どのような理由で選ばれ、そしてどのように楽しまれているのだろうか。そこのところを明らかにすべく、2名のオーナーに取材した。そのリポートをお届けしながら、“マイクロプレシジョン”の“凄さの真髄”に深く迫っていこうと思う。

“初めてのカーオーディオ体験“での感動が、“理想のスピーカー選び”をスタートさせるきっかけに。


カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。
カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。

まずは、千葉県の気鋭ショップ“アークライド”が製作した“トヨタ・マークX”(オーナー:ヒロミさん)から紹介していこう。

なお、このクルマのシステムが完成したのは、9月30日に開催されたオーディオカーイベント『ACM GUNMA』(取材は当イベント会場で実施)の直前だ。ちなみに、オーナーのヒロミさんが“マイクロプレシジョン”の装着を決めたのは、2年前の『ACG2016 WORLD FINAL』の会場だという。そこから完成までに長い時間を要した理由とは…。

ことの発端は、今から3年前まで遡る。この“マークX”を手にしたばかりだったヒロミさんは、愛車にセキュリティとナビを装着しようと考え、ナビについては“音が良い”と言われている『ダイヤトーンサウンドナビ』に決め、その上で両方の取り付けを安心して任せられるショップを探し、サウンドナビの検証動画を数多くYouTubeにアップしていた“アークライド”の存在を知る。

ヒロミさんは“アークライド”の門を叩き、それらを実行した。そして、ナビを装着し、さらにカーオーディオプロショップによるセッティングで音が激変することに、いたく驚かされることとなる。「カーオーディオって面白い」。ヒロミさんはつくづくそう感じたと述懐する。

そうして続いてはこう考えた。「スピーカーも換えたらどうなるのか」。それに対しては“アークライド”から次のような提案が成されたという。「カーオーディオイベントに来ていただければ、“アークライド”のお客さんのクルマをはじめさまざまなスピーカーの音を聴く機会に出会えますよ」。これに同意したヒロミさんは、いろいろなイベントに同行しては、さまざまなクルマに装着されたスピーカーの音を聴いて回った。

またヒロミさんの探究心はこれにとどまらず、インターネットでもいろいろと調べ尽くす。そうしてその中で、海外のYouTube動画の中から“マイクロプレシジョン”のスピーカーを見つけ、「このスピーカーは他とは違う」と惹き付けられる…。

そして遂に、『ACG2016 WORLD FINAL』の会場で、実車装着された“マイクロプレシジョンスピーカー”を直接聴く機会に恵まれ、確信を得て導入を決断した、というわけなのだ。

妥協なく本当に気に入ったモノを選び、しかしシステムの完成には十二分に時間をかけ…。


カーオーディオプロショップ“アークライド”(千葉県)が製作した“トヨタ・マークX”。

かくしてそこから数か月後にお目当てのスピーカーは手元に届くのだが、しかし、クルマへの装着はすぐには実行に移されなかった。その理由は、これに合うパワーアンプをじっくりと探したいという気持ちがあったから、そして、システム構築のための資金をプールする時間を持ちたいとも考えたからだった。

この段階で『ダイヤトーンサウンドナビ』の内蔵パワーアンプで鳴らすという手もあったが、それよりも“テスト”と資金作りが優先された。一旦予算がかかる活動は休止し、しかしパワーアンプ選びは継続された。スピーカーを“アークライド”のデモボードに入れてもらい、さまざまなパワーアンプと組み合わせては鳴らしてみたという。また試聴会にも積極的に参加し各アンプの特性を研究。その間、同時にスピーカーのエージングも進められた。ヒロミさんは時間ができると店を訪れ、テストの音を確認しながら“マイクロプレシジョン”のサウンドを堪能したという。

こうしてじっくりとパワーアンプ選びが煮詰められ、無事に資金も貯まり、いよいよこの9月に、この“マークX”は完成を見る。

搭載機材の顔ぶれは以下のとおりだ。メインユニットが『ダイヤトーンサウンドナビ』。パワーアンプには“オーディオウェーブ”の『アスパイアプロ』(2chモデル×2台+1chモデル×1台)が選ばれている。そしてフロントスピーカーが、『Z-STUDIO TW』と『Z-Studio 170』で構成される2ウェイ、そしてサブウーファーにも“マイクロプレシジョン”の『Z-Studio 245』がチョイスされている。

その音を聴かせてもらったのだが、まずは圧倒的な情報量に驚かされた。密度感がこの上なく高い。そして質感の良さはさすがは“マイクロプレシジョン”。なんともリッチでふくよか、そして深みもある。いつまでも浸っていたいと思わせる、充実のサウンドを堪能できた。

妥協なくモノを選び、それを手にするために十分な時間をかけるというこのアプローチ。このようなカーオーディオの楽しみ方もあるのだと、至極感心させられた。この極上サウンドを、たっぷりと時間をかけて手にするのも悪くないと思うのだが、いかがだろうか。

他のスピーカーでは出せない音を、“マイクロプレシジョン”は出せていた…。


カーオーディオプロショップ“AVカンサイ堺店”(大阪府)が製作した“BMW X6 M”。
カーオーディオプロショップ“AVカンサイ堺店”(大阪府)が製作した“BMW X6 M”。カーオーディオプロショップ“AVカンサイ堺店”(大阪府)が製作した“BMW X6 M”。カーオーディオプロショップ“AVカンサイ堺店”(大阪府)が製作した“BMW X6 M”。

続いては、大阪府の有名ショップ、AVカンサイ堺店で製作された“BMW X6 M”(オーナー:米田清隆さん)を紹介する(10月8日に開催された『カーエキサイトジャム2018』にて取材)。

ちなみに米田さんのカーオーディオ歴は約25年。これまでに相当な数のスピーカーを使ってきたという米田さんが、“マイクロプレシジョン”に行き着いた理由とは…。

出会いは、AVカンサイの新店舗“天王寺店”のオープニングイベントとして今年の1月に開催された、『スーパーハイエンド試聴会』にて果たされた。

“マイクロプレシジョン”のことは、評判を聞きつけては気になっていたとのことだが、そこで耳にしたその音は、米田さんの想像を超えていた。驚かされたポイントは、スピードと情報量、そして正確さ。今まで使ってきたどのスピーカーとも違う音を、“マイクロプレシジョン”は出せていた。

米田さんはこれの装着を即決しオーダーする。そしてその2か月後に製品が納入され、早速の取り付け作業が実行された。

なお、“BMW X6 M”のシステムレイアウトは以下のとおりだ。ソースユニットが“アステルアンドケルン”の『AK SP1000』、プロセッサーが“ヘリックス”の『DSP-PRO MKII』、パワーアンプには“カロッツェリアX”の『RS-A09X』が計4台使われている。そしてスピーカー群が“マイクロプレシジョン”。ツィーターが『Z-STUDIO TW』、スコーカーが『Z-Studio 100F』、ミッドウーファーが『Z-Studio 170』、サブウーファーが『Z-Studio 245』。このような強力な布陣が敷かれている。

取り付けにもとことんこだわりを注入。ただただ“良さ”を引き出すためだけに…。


カーオーディオプロショップ“AVカンサイ堺店”(大阪府)が製作した“BMW X6 M”。

なおこの“BMW X6 M”には、スピーカーインストールにおいてもこだわりがフル注入されている。ハイライトはミッドウーファー。ドア内部にエンクロージャー(容量は17リットル)を設けるという、一大加工が施されているのだ。そのことについて米田さんはこう説明してくれた。

「前のスピーカーもエンクロージャーで鳴らしていたのですが、このスピーカーではさらに“エンクロ”のメリットが活きると考えました。“マイクロプレシジョン”には“スピード、情報量、正確さ”という良さがあり、特に低音においてそれが際立っています。それを引き出すためには、エンクロージャーがベストだと思うんです」

また、スコーカーは当初、ドアの上部(純正位置)に埋め込まれていたのだが、最近になってAピラーに移動されている。

「純正位置では反射の影響等があり、ベストなポジションとは言えない印象がありました。しかし10cm口径と大きく、Aピラーには取り付けにくい。でもそれを敢えて断行し、このようにセッティングしてもらいました。結果、わずかに存在していたネガティブな要因を取り払うことができました。取り付けにおいては、ゴールに到達できたと思います。

しかし、チューニングにはゴールはないと思っています。エージングが進むことでも変わってきますし、聴きたい音楽を“もっと良い音で”と思う気持ちが尽きることはありませんから(笑)。そして、このスピーカーを気に入っているからこそ、性能を100%引き出したいと思うんです。そうしないともったいない。これからもより良い音になるように、煮詰め続けたいと思っています」

その音を聴いてみると…。ただただ圧倒されるばかり、ぞくぞくさせられるばかりだった。優しさ、きめ細やかさ、滑らかさ、力強さ、激しさ…。感動を呼び起こさせるすべての要素が、最上級に再現されている。圧巻だ。

“マイクロプレシジョン”はベテラン愛好家を本気にさせ、そしてその本気に応えることができている。底力をつくづく思い知ることができた。

“マイクロプレシジョン”のサウンドは、各地の実力カーオーディオプロショップでランダムに開催される“スーパーハイエンド試聴会”で聴くことができる。当サイトでも開催情報を随時掲載している。もしもお近くでこの音を体験する機会に出会えたら、それを逃すことのなきように。一聴の価値はすこぶる高い。

《text:太田祥三》

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