【ボルボ XC40 試乗】快走止まらぬボルボ、これは売れて当然だ…中村孝仁 | Push on! Mycar-life

【ボルボ XC40 試乗】快走止まらぬボルボ、これは売れて当然だ…中村孝仁

ボルボの快走が止まらない。今年は20数年ぶりに日本国内年間販売台数が2万台を上回ることがほぼ確実だとか。しかも、それを牽引するクルマがたくさんあって、出すクルマすべてが、非常にポジティブに市場に受け入れられている。

自動車 試乗記
ボルボ XC40 T4モメンタムAWD
ボルボ XC40 T4モメンタムAWD 全 21 枚 拡大写真
◆ラインアップが拡充したXC40

ボルボの快走が止まらない。今年は20数年ぶりに日本国内年間販売台数が2万台を上回ることがほぼ確実だとか。しかも、それを牽引するクルマがたくさんあって、出すクルマすべてが、非常にポジティブに市場に受け入れられている。

『XC40』もその顕著な1台であり、現在の受注残(9月22日現在)は、3034台。年内にこれをすべて納車するのは不可能な状態だという人気車なのである。日本導入時に行われた試乗会では、限定仕様の「T5 Rライン」1種のみだったが、ようやくラインアップが拡充されたということで、再び試乗会が開催され、今回の試乗車として、現状ではグレードの低いラインアップとなる「T4モメンタム」をチョイスしてみた。ただし、駆動方式は4WDである。

ボルボがうれしいのは、こうした低いグレードをチョイスしても、装備はとても充実していて、ほぼアディショナルのオプションを頼む必要性をあまり感じないこと。今回のモデルでも、追加装備されていたオプションは、パノラマガラスサンルーフやハーマンカードンのオーディオ、それにホワイトルーフや19インチのホワイトカラーに塗られたホイールなどで、まあ好みにもよるだろうと思われる装備ばかりだから、すべて付けなくても走りにはまず影響がない。まあホイールは少し影響するだろうが…。

というわけで4WDや先進安全装備インテリセーフは標準。この中には高度な性能を誇るACC、360度ビューカメラ、パイロットアシストなどがすべて含まれる。だから、素の状態の459万円(税込)というプライスに、何も付け加えなくても何ら不満がないということになるわけだ。おまけにサービスパッケージが最初の3年間は無料である。つまり、定期点検に関わる費用とパーツの交換は、すべて無料となるから、少なくとも最初の3年は、維持に関わる費用は基本的に走らせた分の燃料代だけ、ということになる。

◆乗り心地の良さに驚かされた


以前、20インチのタイヤを装着したRラインに試乗して、その乗り心地の良さに驚かされた。今回は、オプションとなるが19インチを装着する。装着タイヤはピレリの235/50R19である。勿論その乗り心地は快適そのもの。ただ、一言で快適と言っても、その質はメーカーや車両によって異なる。大別するならばドイツ系メーカーの快適さは、比較的サスペンションストロークを取らず(最近変わりつつあるが)、入力に対して一発で収束させるフラットな感触が売り物。ただし、最初に入力される突き上げについては、やはりカツンとくる明確で少し刺のある揺れを感じさせる。

ボルボのそれは違っていて、その最初の入力がとてもマイルドなのだ。その分サスペンションストロークを多めにとっている印象があって、全体の揺れも常にマイルドである。そして、このCMAと呼ばれる新しいアーキテクチャのフラット感の高さは、このマイルドな入力をもってしてドイツ車級を演出しているのだから凄い。峠道を攻めるような乗り方をしても、ハンドリングは実にシャープであり、このCMAと呼ばれるコンパクトアーキテクチャーの素性の良さを感じさせる。

T4のエンジンは、T5に対してパワーで62ps、トルクにして50Nm劣る。恐らく横並びにして乗ってみると、その差が顕著に感じられるのかもしれないが、少なくとも日常的な使い方において、これで不満を感じることはまずないと思う。劣るとはいえ、パワーは190psあり、トルクは300Nmもあるのだ。

◆ナチュラルな感覚で乗れるのが嬉しい


このところ、デザイン面では古い歴代ボルボのモチーフを採用する新たなスタイリングを確立しているボルボ。今回はカラー面でもそれが発揮されている。試乗車のアマゾンブルーと呼ばれる淡いブルーのボディカラー。その名が示すように、往年のボルボ、アマゾン(120シリーズ)に初めて塗られたカラーリングで、それを踏襲したものだという。

ボルボの試乗車と言えば、ほぼ内装は本革が当たり前となっているが、モメンタムのそれはテキスタイルのコンビネーションシート。それにテキスタイルのフロアマットも標準装備だ。フロアマットは最近オプション設定が多いが、標準装備は有難い。このテキスタイルシート、個人的には非常にお気に入りで、今も本革よりもテキスタイルが好みだ。その昔のクルマは運転手が本革シート。後席のオーナーが座るのはテキスタイルと相場は決まっていた。高級な布製は本革を凌駕するということである。

川崎のモダンなホテルを起点に、アクアラインを渡り千葉県側の一般道をのんびりと走らせてみた。肩肘張らずに乗れる和み感がとても気持ちよく、無理をしない自然な自分がいることに気付かせてくれる…そんなとてもナチュラルな感覚で乗れるクルマであった。恐らく多くのユーザーはこうしたナチュラル感覚は馴染むはずで、乗ったその瞬間から、もう長く乗っている自分のクルマ感覚で乗れるのは、実に有難い。ただ、日本の路上を走らせる上で少し難儀に感じるのは、1875mmというかなりワイドなボディではないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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