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アルパイン ビッグXシリーズ 2018年モデル はどこが進化した?…ボイスタッチ キーワード拡大、キャンセル機能も追加

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アルパイン ビッグXシリーズ 2018年モデル はどこが進化した?…ボイスタッチ キーワード拡大、キャンセル機能も追加全 34 枚写真をすべて見る

声でナビ操作ができる「ボイスタッチ」が好評のアルパイン「ビッグXシリーズ」。今年7月、搭載されるソフトウェアに改良が加えられ、さらなる快適さと、安全安心に貢献する大幅な進化を遂げた。そのポイントをお伝えしたい。

音声コントロールのメリットとユーザーの要望


カーナビゲーションの操作として、日本ではタッチパネル操作が主流だ。画面を見ながら直感的に操作できることがその要因と思われるが、反面、それは弱点ともなり得る。操作時に画面を見る必要があるということで、安全上、走行中での操作制限が加えられるからだ。そんな中で走行中でも操作制限なしに扱えるインターフェイスのひとつが音声コントロールなのだ。音声でコマンドを入力するわけだから、走行中であっても安全を阻害することなく快適に操作できるのがその理由だ。

ただ、最近は認識精度アップのためにクラウドを介して対応することが増えてきた。これだと精度は上がるものの、どうしても通信によるタイムラグが発生しがちだ。数字に表せばほんのわずかなのだが、クルマの運転中にそれが発生するとなんとなく間延びしているように感じてしまう。ならば、通信による送受信を行わない本体での処理だけならこのラグは縮められるはず。世の中がクラウドとつながろうとしている今、アルパインは逆手をとってここに目を付けた。それが2017年に登場した「ビッグXシリーズ」に搭載された「ボイスタッチ」である。

「ボイスタッチ」を使って実感するのはその反応の速さと使い勝手の良さだ。システムは常にレディ状態にあり、何ら操作をすることもなく音声でコマンドを入力するだけで、コマンドに対する結果を即座に出す。たとえ運転中であってもよく使うキーワードを声で発すればそれを自動的に認識し、そこに煩わしい操作は一切存在しない。特にハンドル操作に集中しているときなどは、大きな安心につながっていたと言っていいだろう。だからこそ「ボイスタッチ」が高く評価されたのだ。

そんな便利で使いやすい「ボイスタッチ」であるが、実際に使っているユーザーからの声は手厳しい。「操作を間違えた時、キャンセルは手で操作しなければならない」「周辺検索もコンビニとガソリンスタンドだけ」などと数多くの意見が寄せられたというのだ。認識精度を高めるために対応できるコマンド数を絞り込んだことが、やはり物足りなさを生み出してしまったかもしれない。そこで実施されたのが今回のアップデートだ。

「ボイスタッチ」4つの進化ポイント


進化のポイントは大きく4つある。

1つめは周辺検索で対応できるカテゴリーが従来のコンビニとガソリンスタンドから、ファミレスやスーパーなどを含む全9つまで増えた。もちろんページ切り替えも出来るので、行きたい施設をスムーズに探し出せ、音声だけでアッと言う間にルートガイドをスタートできるのだ。

2つめは「キャンセル」が可能になったこと。ほとんど誤認識することがない「ボイスタッチ」だが、それでも間違えることはあるし、入力そのものを変更したいこともある。そんな時に「キャンセル」と一言発するだけで、直前の操作がキャンセルされて元の画面へ戻る。さらに、高速道路を走っている際にETC2.0などで提供されるVICSの割り込み情報や、エリア道路情報も、道路状況や注意喚起の情報を確認した後は、「キャンセル」で消すことができる。この機能の追加により「ボイスタッチ」の使い勝手は想像以上に高まったと断言していいだろう。

3つめは、オプションで装着したマルチビューカメラのアングル切り替えが可能となったことだ。今までもフロントカメラやサイドカメラ、コーナーカメラに切り替えが可能だったが、新たにリアカメラに切り替えることに加え、その表示をパノラマビュー、コーナービュー、トップビュー、バックビューへと切り替えられるようになったのだ。フロントカメラについても同様に操作が可能で、カメラの視点を切り替えることでより安全性が高まったというわけだ。

そして、4つめ。全体を通して認識可能なキーワードは大幅に拡大した。メニュー画面で言えば、従来は最初の階層に対応していたレベルだったが、今回はさらに深い階層での対応が可能となった。コマンドを入力した際のトークバックもあり、ほとんど会話するようにやりとりが出来る。実際に使うとこれがあるとないとでは大違い。入力してからの反応もラグがないから、まるで助手席に座っている人と会話しているかのよう。キーワードごとに反応感度をチューニングすることもできる。新しくなった「ボイスタッチ」を一度使ってみれば、その使いやすくなったことに誰もが驚くに違いない。

ここまで「ボイスタッチ」が機能アップすると心中穏やかではないのが、昨年「ビッグXシリーズ」を買ったばかりの人だろう。でも安心して欲しい。アルパインは2017年モデルを購入した人に対しても、無料で2018年モデルと同機能になるアップデートプログラムを用意したのだ。第1回目の無料地図更新とともに7月下旬から順次、実施しており、これも末永く「ビッグXシリーズ」を使ってもらいたいというアルパインの気遣いなのだ。

デザイン、ルート案内、AV機能の魅力も健在


一方、車種専用で車室内空間に最適化する11型大画面のナビゲーション「ビッグXシリーズ」としてのスタイルはそのまま継続されている。今回、取材したトヨタ『ヴォクシー』に装着された姿は、まるで車両に最初から組み込まれていたかのように自然で、しかもプレミアム感までもたっぷりと漂わせていた。ディスプレイもタッチパネルとLCDユニットを密着させた「ギャップレス構造」により黒の深みをアップ。電源OFF時はそのパネルとヴェゼルとの差がまったくわからないほどだ。その高いクオリティはアルパインが推進する「ALPINE STYLE プレミアムスペースデザイン」をリードする機種として純分な満足度を与えてくれるだろう。

ナビゲーションのルート案内機能もかなりの充実ぶり。安心安全という観点で高い評価を得ていた「カウントダウンガイダンス」は継続して搭載され、「3つめの信号を右」、「コンビニの手前を左」など、画面と音声を使ってより具体的にルートガイド。さらに、信号機のない交差点では曲がり角を「3つ目の角」「2つ目の角」というカウントダウンスタイルでガイドしてくれるので、つい行き過ぎてしまうことを未然に防いでくれるのだ。また、音声案内と連動して、画面でも右左折のタイミングを大きな矢印で知られるビッグアロー表示もわかりやすい。その他、VICS-WIDEにも対応したことで渋滞を考慮したルートガイドも可能になる点も見逃せないポイントだ。

大画面を活かすAV機能も魅力にあふれている。車室内が広いミニバンで最適と思えるのが「ダブルゾーン機能」で、前席と後席で異なるソースを再生できるというもの。これはアルパインが長いこと強みとしている機能の一つで、「AUDIO」ボタンを押して表示されるメニューから選ぶか、音声で「ダブルゾーン」と一言告げれば設定メニューに切り替わる。ミニバンなど後席用スピーカーが運転席から離れている車種であれば、この機能を上手に使いこなして欲しい。同乗者とのドライブが楽しくなること間違いなしだ。

また、「ビッグXシリーズ」は、リアモニターである「リアビジョン」との組み合わせを可能としている他、後席でカラオケが楽しめる「スペースクリエイター」や、クイズ形式で子供の知育に役立つ「クルマで学ぼうDVDシリーズ」を「カートイズ」にラインナップ。ドライブ中の突然のトラブル発生にも映像として自動記録するドライブレコーダーの組み合わせも可能となっている。一段と使いやすく便利になった「ボイスタッチ」と合わせ、「ビッグXシリーズ」はますます魅力的になったと言っていいだろう。

ボイスタッチの詳細はこちら

《text:会田肇》

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