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【BMW X2 試乗】ライバル多き戦場、決め手はシャープな走り…諸星陽一

自動車試乗記

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SAC(スポーツ・アクティブ・クーペ)のX2


『X5』から始まったBMWのXシリーズのなかで、ポッカリ空いていたナンバーが「2」。そこを埋める『X2』がついに登場した。

X2は『X1』をベースとしたモデル。BMWはSUVのことをSAV(スポーツ・アクティブ・ビークル)という名前で呼ぶが、このX2についてはSAC(スポーツ・アクティブ・クーペ)と呼んでいる。その名が示すとおり、スタイリングはシャープなクーペを思わせるもので、車高はX1に比べて65mmも低く設定されている。470リットルのラゲッジルームを持つX2は4対2対4の可倒式リヤシートによって、高いユーティリティ拡張性を誇り、実用性も高い。

2リットルターボ&8速AT


試乗車に搭載されたエンジンは2リットルのガソリンターボで最高出力190馬力、最大トルクは280Nmを1350回転という低回転で発生、そのまま4600回転まで維持するというフレキシビリティの高い特性。そんな常用域で太いトルクを誇るエンジンにさらに8速という多段ATが組み合わされるので、オートモードでドライブする際は間断なく駆動力が伝わり滑らかな加速を得られる。

もちろんマニュアル操作によるシフトも可能。パドルシフトを使ってアクセルペダルを床まで踏み込むようなドライブをすれば、エンジン回転を6800回転まで引っ張ることが可能で、グイグイとクルマを前に運ぶことができる。

ロールを感じさせない足回り


足まわりはしっかりとよく動くタイプで、コーナーへ向かってステアリングを切り込むと、フロントがインを向くと同時にグーッとロールが始まる。クーペの名を与えられたとはいえ、素性はSUVだからそれなりのロールは発生する。しかしそのロールをなんとも感じさせないところが、BMWの足まわりという印象だ。

ただし乗り心地はちょっと硬い。ほかのBMW同様にランフラットタイヤを採用するので、どうしても路面の継ぎ目などは拾いやすい傾向にある。しかしペースを上げていくと乗り味は安定する。やはりドイツ車は速度が速いほうが落ち着く。

試乗モデルの「xDrive 2.0i」は474万円のプライス。もっともリーズナブルな「sDrive 18i」でも436万円。国産車だと『ランドクルーザー』や『アウトランダーPHEV』、『ハリアー』などの価格帯。大きな国産車か? コンパクトなX2か? という悩みはもちろん、輸入車でもライバルは多く存在する。そのなかでX2はとくにスポーティな走りが光るモデルだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《text:諸星陽一》

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