クルマの中で良い音を聴くためのキーポイントの1つ、「サウンドチューニング」について深掘りしている当連載。現在は「タイムアライメント」をテーマにお贈りしている。今週から2回にわたっては、これを“詳細に”調整可能なAV一体型ナビを、具体的に紹介していく。
さて、「タイムアライメント」を詳細にコントロール可能な(ツィーターとミッドウーファーを個別に制御可能な)AV一体型ナビというと…。
今のところそれが可能な機種は2シリーズに限られる。1つがカロッツェリアの『サイバーナビ』、そしてもう1つが三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』だ。まず今回は、『サイバーナビ』について見ていく。
なお『サイバーナビ』は現在、3タイプが存在しているが(スタンダードなタイプ、車種専用10V型モデル、『サイバーナビ Xシリーズ』)、これら3タイプすべてで「タイムアライメント」を詳細にコントロール可能だ。いずれのモデルも“ネットワークモード”に対応していて、当モードを活用することで「タイムアライメント」を詳細にコントロールすることが可能となる。
当モードは要は、内蔵パワーアンプの4ch分をすべてフロントスピーカーに使用する、というモードだ。そうすることで、左右のツィーター、左右のミッドウーファーのそれぞれに内蔵パワーアンプの1chずつをあてがえるようになり、結果、個別制御が可能になる、というわけだ(その代わり、“ネットワークモード”を選択した際にはリアスピーカーは鳴らせなくなる)。
ところで『サイバーナビ』の3タイプは、「タイムアライメント」については能力に差がないのだが、音質性能やチューニング能力は一部異なっている。どのように異なっているのかも解説しておこう。
まず、もっとも高音質なのが『サイバーナビ Xシリーズ』だ。こちらはスタンダードモデルと比べて音響パーツ等に贅が尽くされていて、音質性能的に“ハイエンドカーオーディオユニット”というべきほどのポテンシャルが備えられている。スタンダードモデルと比べて価格は相応に上がっているが、その分がそのまま音質向上に効いていると言っていい。音にこだわるのであればこちらがもっともおすすめだ。
車種専用10V型モデルにもスペシャリティが備えられている。それは、「対応車種専用にあらかじめ詳細なチューニングが施されている」ことだ。しかもそれには特別なイコライザーも使われている。ユーザーが自分で操作しようとするときにはスタンダードモデルと同様の機能しか触れないのだが、プリセットされているチューニングデータには特別なイコライザーが適応されている、というわけなのだ。
今週はここまでとさせていただく。次回は『ダイヤトーンサウンドナビ』について詳しく紹介していく。乞うご期待。
《text:太田祥三》