アクセスランキング

「グラウンドゼロ」から新機軸な“パワーアンプ内蔵DSP”が登場! その“特長”と“音”を緊急リポート!!

カーオーディオカーオーディオ特集記事

グラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMP全 8 枚写真をすべて見る

ドイツ発の人気カーオーディオブランド「グラウンドゼロ」から、新機軸な“パワーアンプ内蔵DSP”が発売された。その名は『GZDSP 4.80AMP』。当機の新機軸たるポイントはどこにあるのか、そしてどんな音が聴けたのかを、詳細にお伝えしていく。

“パワーアンプ内蔵DSP”でありながら、“システム拡張性”を有する。


まずは、当機の基本的なスペックから紹介していこう。それについては「グラウンドゼロ」をディストリビュートするイース・コーポレーションから先に発表された、当機の発売を告知するニュースリリースにも記載されていたのだが、ここでも改めて確認しておきたい。

グラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMP

☆GZDSP 4.80AMP(税抜価格:10万円)
●仕様:4chパワーアンプ内蔵 8chデジタルシグナルプロセッサー
●定格出力:80W×4(4Ω)130W×4(2Ω)240W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:20Hz~20kHz(-3dB) ●RCA/ハイレベル入力:6系統●スピーカー出力:4系統 ●ライン出力:4系統 ●AUX入力:RCA/3.5mmステレオミニジャック/TOSLINK ●ハイレベルインプット対応 ●サイズ(幅×奥行×高さ):185mm×215mm×42mm ●リモートコントローラー別売(GZDSP Remote)
さて、早速核心に迫っていく。当機が“新機軸”たる最大のポイントとは何かと言うと…。答はズバリ、「発展性を有していること」である。当機の内蔵パワーアンプの出力は4chと少な目であるが、代わりに4ch分のRCA出力を持っている。これにより、外部パワーアンプを足してシステムを成長させることが可能となっているのだ。

通常“パワーアンプ内蔵DSP”は、コントロール機能とパワーアンプをオールインワンで手にできることを最大の特長としている。しかしながらその利点を得ることと同時に、“発展性”を失うことになる。基本的には後からパワーアンプを交換・追加することはできないからだ。

しかし当機『GZDSP 4.80AMP』は、その常識を覆した。つまり、“パワーアンプ内蔵DSP”と“単体DSP”それぞれの良さを備えた仕様となっている、というわけなのだ。

グラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMPグラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMPグラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMP

リーズナブルで小型、しかしハイパワー。相反する利点を両得。


ところで“パワーアンプ内蔵DSP”は、大きく2タイプに分類できる。1つは、「パワーアンプの出力が小さめのもの」、もう1つは「パワーアンプの出力が大きめのもの」。前者は、手軽であることを優先したタイプと言える。価格を抑えるため、さらにはインストール性を高めるために小型化が図られていて、中にはグローブボックス内に収めることが可能なほどの超小型化が実現されたモデルもある。しかし、リーズナブルであることと超小型であることと引き換えに、内蔵パワーアンプの出力は小さくなっている。一般的なメインユニットに内蔵されているパワーアンプと、同等程度の場合が多い。

対して「パワーアンプの出力が大きめのもの」は、筐体は少々大きめになるもののその分パワーアンプの出力を確保して、外部パワーアンプを導入したときに得られるメリットまでも獲得できるように設計されている。

当機『GZDSP 4.80AMP』は、ここでもそれぞれの利点の両取りが図られている。内蔵パワーアンプのch数を絞ることでコストを抑え、さらにはある程度の小型化にも成功。しかしながら、1chあたりの出力をしっかりと確保できている(2Ωステレオや4Ωブリッジにも対応する)。

であるので、以下のように使うとその利点がいかんなく発揮される。まずは、ミニマムなシステムを組もうとするとき。フロント2ウェイスピーカーをマルチ駆動させたいときには、リーズナブルに合理的に、かつパワフルにフロントの4スピーカーをドライブできる。または、パッシブクロスオーバーネットワークを使ってフロント2ウェイを鳴らし、そこにサブウーファーを足そうとするシステムでも、すべてのスピーカーをパワフルに鳴らすことが可能だ。

そして、それぞれからシステムを発展させようと考えたときには、好みのパワーアンプを使ってそれを実行できる。その場合も、当機がリーズナブルであるがゆえに、“単体DSP”+“外部パワーアンプ”という組み合わせと比べて、手軽にシステムアップしていける。

グラウンドゼロ・GZDSP 4.80AMPのチューニングソフトの画面。

チューニング機能もハイエンド機に迫る充実ぶり。付属品も多彩に同梱。


続いては機能的な特長について、ニュースリリースにあった以上の情報をお伝えしていく。

まずは「クロスオーバー」について。「クロスオーバー」では、“クロスオーバークラス”は“バターワース”のみしか設定されていないものの、スロープは-6dB/octから-48dB/octまで計8タイプの中から選べ、さらにはカットオフ周波数は1Hz刻みで選択可能。一般的なハイエンド“DSP”とほぼ同レベルの詳細な設定が可能となっている。

「タイムアライメント」については0~15ms(0~510cm)の範囲の中で0.02msステップで調整が可能だ。これ以上に細かく調整できる機器も存在しているが、通常のハイエンド機ではこのくらいが標準的だ。

「イコライザー」についても、トップレベルのスペックが担保されている。8chのうちAchからFchまでは、“31バンドパラメトリックEQ”が装備され、その31バンドはそれぞれ1Hz刻みで設定可能だ。Q値も0.5~9の間で調整でき、0.001刻みで値を変えられる。残りの2chは“11バンドパラメトリックEQ”だが、こちらはサブウーファー用のchであり設定範囲は20Hz~200Hz。11バンドあれば十二分に詳細な設定が可能だろう。

調整機能以外でも見どころがある。ハイレベルインプット時には“オートターンオン機能”と“リモートアウト機能”が使え、さらには、ハイレベルインプット使用時にメインユニットを起動した際にポップノイズが発生する場合に使用できるアダプタ、『GZDSP DELAY BOX』も付属する。

他の付属品も充実している。ハイレベルインプット用ハーネス、4chラインアウト用ハーネス、DSPソフトウェア(CD-ROM) & PC接続用USBケーブルまでもが付属しているのだ。使いやすさに対する配慮は、さすがは「グランウンドゼロ」といったところだ。

グラウンドゼロ・GZDSP REMOTEグラウンドゼロ・GZDSP BT-BOX

いかようにも調理可能な、フラットでニュートラルなサウンド…。


次には、『GZDSP 4.80AMP』の内蔵パワーアンプのサウンドインプレッションをお伝えしていこう。調整機能を使用しない状態で、じっくりと音を聴いてきた。試聴環境は、先週にお伝えした「グラウンドゼロ」の小型パワーアンプの試聴記事と同様であるので、該当記事を参照していただきたい(下にある“関連記事”から移動できる)。

ただし、ソースユニットは変更した。ハイレゾ音源を聴くために“DAP”を使用したのだ。『GZDSP 4.80AMP』は最大96kHz/24bitまでのフォーマットに対応した光デジタル入力も装備しているので、そこを活用してテストした。なお、出力は通常の設定で聴いた(内蔵パワーアンプ4chのうちの、Ach、Bchのみを使用)。

結論から入りたい。『GZDSP 4.80AMP』の税抜価格が10万円であるので、パワーアンプについてはその半分の5万円クラスのモデルと同等くらいの性能であるだろうと予測していたのだが、なかなかどうして、10万円近い価格帯の製品の音に迫っているのではないかと思わせる、手応えあるサウンドが楽しめた。

廉価なモデルでは静寂感が感じられることは少ないが、当機ではそのあたりもしっかりと感じ取れた。かつ、解像度も高く、1音1音の粒立ちも至って良好。低域は密度感が高く、ほど良くタイトで躍動感も十二分。高域のきめ細やかさにも好感が持てた。

そして何より興味深かったのは、サウンド傾向。色づけがほとんどない、実に冷静なサウンドが展開されていた。ただただ淡々と正確に原音が再生されていたのだ。

素のサウンドはあくまでもフラットでニュートラルに仕上げられている。いかようにも調理できるように鮮度の高い高品位な“食材”が提供されている…、そんなイメージのサウンドだった。

そしてこのクオリティならば、4ch用意されているRCA出力を活用して外部パワーアンプを組み合わせようとするときに、ミドルグレード以上のアンプを追加しても聴き劣りすることはなさそうだ。システムアップのし甲斐がある、確かな実力が備えられている。

「パワーアンプ内蔵DSP」は今、本格システムを手軽に手にできるものとしてますます人気が伸長し、新機種の登場が相次いでいる。そんなホットな市場の中で、『GZDSP 4.80AMP』は大きな存在感を発揮していきそうだ。

実用性が高く、かつ、サウンド面でも満足感が高い“パワーアンプ内蔵DSP”をお探しならば、当機があることをお忘れなく。

《text:太田祥三》

関連記事

  1. 「グラウンドゼロ」から注目の小型パワーアンプが3機種新登場! 利点から音質性能までを徹底チェック!! 後編

    カーオーディオ特集記事
  2. 「グラウンドゼロ」から注目の小型パワーアンプが3機種新登場! 利点から音質性能までを徹底チェック!!

    カーオーディオ特集記事
  3. グラウンドゼロからパワーアンプ内蔵DSPとBluetoothレシーバー発売

    カーオーディオ新製品情報
  4. 「JLオーディオ」の新トップエンドスピーカー『C7シリーズ』が、満を持して堂々登場!! 緊急テスト!!

    カーオーディオ特集記事

編集部ピックアップ

TOP