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【サウンドチューニング大辞典】第2章「クロスオーバー」その6「“前方定位”について」

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サブウーファーボックスの取り付け例。製作ショップ:サブライム。全 1 枚写真をすべて見る

「サウンドチューンング」機能を使いこなせるようになると、カーオーディオライフはさらに充実する。そのためのヒントをご紹介すべく、当コーナーを展開している。現在は、「クロスオーバー」機能について、その成り立ちから使い方のコツまでを解説している。

今週は前回に引き続いて、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」調整のコツを解説していく。

さて、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」調整には、1つの重要なキーワードが存在している。それは、“前方定位”だ。この言葉を意識して調整することが、非常に重要となるのだ。

まずはこの言葉の意味を解説していこう。

ところでサブウーファーは、小型・薄型のパワードサブウーファーならば、シート下に置かれることが多くなる。一方大型の本格タイプともなると、トランクルームに置かれることが多くなる。どちらにせよ、リスナーの前側に置かれることはほとんどない。

しかしながら、低音も前から聴こえてくるべきだ。コンサート会場に行って、低音だけが後ろから聴こえてくることはあり得ない。音楽は低音から高音まで一体となり、すべてが前から聴こえてくるべきなのである。

このように、音が前から聴こえてくることを、カーオーディオの世界では“前方定位”と呼んでいる。

そして、「クロスオーバー」の調整が決まると、“前方定位”が実現されやすくなる。この理由は以下のとおりだ。

低音は指向性が弱い。つまり、どこから聴こえてくるのか比較的にわかりにくい。であるので、サブウーファーから発せられる音とフロントスピーカーから発せられる音が一体化する(繋がる)と、低音も、高音につられて前から聴こえてくるようになる。しかし、フロントスピーカーの音とサブウーファーから発せられる音がバラバラだと、低音はそのまま後ろから聴こえてしまうのだ。

「クロスオーバー」の調整はズバリ、異なるユニット間の音を繋げるための調整と言っていい。音の重なり具合を整えて、自然な一体感を得ることを目指す調整なのだ。「クロスオーバー」調整以外の項目も併せて整えて行く必要もあるが、サウンドをまとめるためには、「クロスオーバー」は非常に重要なのだ。「クロスオーバー調整」が上手くいくとサウンドが繋がり、“前方定位”を実現させやすくなる、というわけなのだ。

今週はここまでとさせていただく。次回は“前方定位”を得るための具体的なコツの解説を行う予定だ。お楽しみに。

《text:太田祥三》

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