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スーパーハイエンドブランド「Micro-Precision」の最高峰スピーカー、『Z-STUDIO』シリーズの実力に迫る! Part2

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Micro-Precision『Z-STUDIO』シリーズ。全 6 枚写真をすべて見る

その存在は知られていながらも、いわば“幻”の名機となっていたドイツ発のスーパーハイエンドブランド「Micro-Precision」の『Z-STUDIO』シリーズスピーカー。しかしながらようやく生産体制が再整備され、オーダー可能な状態となった。

そうしてこの度遂に、ディストリビューターであるイース・コーポレーションの手によって、全国でデモされることとなる試聴機が完成された。

その知らせを受けて、早速の試聴取材を実行した。そのリポートの2回目をお届けする。ライバルとなる2つのスーパーハイエンドスピーカーと聴き比べながら、「Micro-Precision」の『Z-STUDIO』シリーズの実力を探ってきた。今回は、そこで体験した音についての詳細をお伝えする。

RS AUDIO『RS Master 2』

『RS Master 2』からテスト。音源を正確に再現し、さらに…。


まずは、「RS AUDIO」の『RS Master 2』(税抜価格:65万円)から聴いてみた。当スピーカーはこれまでも、スーパーハイエンドブランドのパワーアンプや超高級ケーブルの試聴時に、何度もリファレンススピーカーとして使用してきたスピーカーであるので、その特長は概ね把握しているつもりではあったが、改めてじっくりと聴き込んでみた。

ちなみに、記憶に刻まれている当機のイメージをひと言で言うならば、「正確なスピーカー」である。真面目なスピーカーという印象が強いのだ。音源に含まれている音をそのまま、かつハイクオリティに再現してくれるスピーカーだと認識していた。

改めて聴いてみても、その印象は揺るがなかった。例えば、ドラムのスティックが打面に当たった瞬間の、そのスティックの木の質感とヘッドの質感、それぞれまでもを感じ取れる。ベーシストの指が弦の上で滑るときの音なども生々しい。細部にわたって再現性が極めて高い。

ただし今回はいつもと風合いが異なっているように思えた。どちらかと言えばクールなイメージが強かったのだが、今回はむしろウォーム。いつも以上に暖かみが感じられたのだ。そう思いながら試聴システムを見回して、はたと気が付いた。使用したパワーアンプが、「オーディオウェーブ」の『Aspire Pro CA』(税抜価格:72万円)であったのだが、『RS Master 2』がこの“A級アンプ”ならではの個性を、しっかりと引き出していた、というわけだったのだ。

『RS Master 2』は音源を正確に再現してくれるスピーカーであり、同時に、他の機器の個性も正確に表現してくれるスピーカーでもあるのだ。このスピーカーはやはり優秀だ。組み合わせるアンプの良さをも、たっぷりと味わえる。

ZR Speaker Lab『ZR Extravagance Saturn+ZR Extravagance N°1』ZR Speaker Lab『ZR Extravagance Saturn+ZR Extravagance N°1』ZR Speaker Lab『ZR Extravagance Saturn+ZR Extravagance N°1』

続いては『ZR Extravagance』のサウンドを確認。音楽の世界に引き込む力に唖然…。


続いては、「ZR Speaker Lab」の『ZR Extravagance Saturn (25mmトゥイーター)+ZR Extravagance N°1(165mmミッドウーファー)』(税抜価格:95万円、Polished)を聴いた。

当機の音を聴くことも初めてはないのだが、改めてこのサウンドと対面してみると…。

なんとも音に気品が溢れている。艶やかさ、コク、響き、余韻のグラデーション、こういった心地良さや美しさを感じさせる成分が、至って濃い。これならではの魅力に満ちていて、音楽の世界に引き込む力が相当に強い。

同時に、基本性能の高さも十二分に感じ取れた。サウンドに個性が表れているのだが、音色自体はあくまでも原音どおりで正確。各スペックの高さは『RS Master 2』と遜色はない。フォーカスのシャープさや、サウンドステージのリアルさも最上級。工業製品としての完成度が実に高い。

その上で、音楽性が豊かなのだ。この音に魅せられたら、もう他のスピーカーには戻れないのではないだろうか。当機は人を惹き付けるスピーカーだと再認識できた。スーパーハイエンドと言うに相応しい、スペシャリティの高いスピーカーであることを、つくづく思い知ることができた。

Micro-Precision『Z-STUDIO』シリーズ

音楽の説得力、感動力がとにもかくにも高く、曲ごとで感情が揺さぶられる。


さて、これらに対して、「Micro-Precision」の『Z-STUDIO』シリーズの音はどうだったのだろうか…。

『Z-STUDIO TW』と『Z-Studio 170』(税抜価格:109万円)で構成された試聴機に繋ぎ換えていただいて、これまでと同様の試聴トラックを流してみると…。

今回、『RS Master 2』と『ZR Extravaganceシリーズ』、両方の素晴らしさを再認識したわけだが、このスピーカーはそれらに比べて、さらなる魅力を放っていた。ひと言で言ってしまうなら、それまで聴いた2モデルの良さを兼ね備えている、という印象だ。

製品としてのスペックが高いことは紛れもなく、S/N感、解像度、情報量、再生レンジ、レスポンス、それぞれが最高レベル。究極的に精度にこだわって作られているという説明が、すんなりと腑に落ちる。シャープにクリアに、そして正確無比に音源を再現して見せている。

とはいいつつも、この音に対峙するとき、細かなことを分析しようと思う気持ちはほとんど沸き起こらなかった。ただただ音楽に浸っていたい、そう思わされるのみだった。音楽の説得力、感動力がとにもかくにも高く、曲ごとで感情が揺さぶられる…。

前回の記事でも記したが、今回聴いた3モデルについての優劣を問うのは愚問だと思う。それぞれが高い完成度を示していて、この中からどれを選ぶかは、“好み”、この1点でチョイスするべきだ。

ただしこの3機種の中で、この『Z-STUDIO』が強烈な存在感を放っていることも事実だ。印象度が高いのだ。この音にハマってしまう人は多いだろう。人を虜にするスピーカー、と言っていい。いやはや、凄いスピーカーである…。

今後も、イース・コーポレーションでは、当機の音を確認できる「スーパーハイエンド試聴会」を各地で開催するとのことだ。もしもお近くでこれを聴けるチャンスが巡ってきたら、それを逃す手はない。いや、多少遠い場所での開催であったとしても、この音が気になるのであれば、足を運ぶべきだろう。おいそれと手にできる製品でないが、一聴する価値が高いのは確かだ。カーオーディオを趣味とするのならば、人生の経験として1度は聴いておくべき音なのではないだろうか。

さて次週は、この音をすでに体験している実力インストーラーへのインタビューを紹介していく予定だ。プロたちはこれをどう評価するのか…。次週もお読み逃しなきように。

《text:太田祥三》

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