カーオーディオのサウンドの、最終的な仕上がりに大きな影響をおよぼす、「サウンドチューニング」について、そのもろもろもろを解説している当コーナー。現在は、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」をお届けしている。
今回も先週に引き続き、「単体DSP」について見ていく。フォーカスするのは、「結合する」という機能。
ただし、これを実現しているのは、国産ハイエンドカーオーディオブランド「ビーウィズ」だけだ。「ビーウィズ」の『STATE A6R series』だけが、それを可能としている。
同シリーズは3機種から構成されていて、その中のベーシック機である『STATE A6R』は、当機単独で最大3Way・6chの高音質デジタルマルチシステムを構築でき、さらには同社独自の機器間通信フォーマット「MLリンク」を使い、最大10台まで(マスター機含む)の連携使用に対応する。
この特長を利して、2台目を買い足し、3Way・6chを超えるマルチWay・マルチchシステムへ発展させたり、左右chそれぞれに1台ずつを使用しての“デュアルモノラルシステム”構築も可能となる。
なお、シリーズにラインナップしている『STATE A6R DUAL』は、最初から、左右独立・2台1組での使用を前提としたデュアルモノラル専用ファームウェア「LR拡張ファームウェア」を搭載した、3Way・3chモノラル構成専用機である。要は、右chに1台のプロセッサーを、左chにもう1台のプロセッサーを使って、左右のchセパレーションを高めようとするモデルなのである。
そして…。メリットはそれだけにとどまらない。機能が詳細になる、という利点も生み出されるのだ。「イコライザー」のch数は“15”から“30”となり、選択可能周波数ポイントは、“35”から“120”にまで増加する。
「クロスオーバー」においては、選択可能スロープ(dB/oct.)が、「18」であるところが、「18」と「36」の両方から選べるようになる。さらには、“多段重ね”スロープも実現できる。
今週はここまでとさせていただく。次週もこれに引き続いた内容をお贈りする。お楽しみに。
《text:太田祥三》