オーナーの吉福さんは高音質&高級感あるデザインをテーマにカスタムを開始。インストールを手がけたのは福岡県のasu.company。スーパーハイエンドのスピーカーやシンプル系のカスタムを施したトランクルームなど、アイデア満載のカスタムに仕上がった。
◆印象的な2台のパワーアンプをトランルームのフロア下に埋め込む
《ティアナのイメージを崩すことなく、上質なクルマに対して上質なオーディオシステムと高級感溢れるインストールを目指した。》
《トランクルーム中央部には印象的なグラウンドゼロのパワーアンプが2台重ねでフロア下に埋め込まれている。》
《デザインされた開口部からのぞく上下2台のパワーアンプ。間接照明で浮かび上がるパワーアンプのフォルムも美しい。》
兄の影響からオーディオのインストールをはじめたというオーナー。20歳にしてすでに複数のシステムを経験したベテランでもある。今回のシステムの中心に据えたのはZRスピーカーとグラウンドゼロのパワーアンプだ。ハイエンドなユニット群を使って最上級のサウンドと高級感溢れるデザインを完成させた。前編ではトランクルームの完成度について見ていくこととした。ラゲッジのフロア下に埋め込まれたのはグラウンドゼロのパワーアンプGZPZ Reference4SYMとGZNA 1.2550DXII。トランクのフロアをかさ上げすることもなく、2台の大型アンプをスマートにフロア下に埋め込んだスタイルは狙い通りのスマートな仕上がり。
トランク内には前方にエアサスシステム、左右にはデジタルプロセッサーやヒューズブロックをビルトインするものの、ストックのイメージを壊すことのないシンプルなデザインが光る。周囲を抑えたデザインとしている分、中央部のパワーアンプ周辺のデザインがクローズアップされるという仕組みでもあるのだ。
◆段違いでユニットをレイアウト手の込んだスリット処理にも注目
《絶妙のバランスで上下に重ねてレイアウトされている2台のパワーアンプ。下部のパワーアンプの存在感もしっかりアピール。》
《ケーブルの取り回しまで考えて2台のパワーアンプがトランクルームのデザインの中心となっているのがわかる。》
《パワーアンプを埋め込んだスペースのグリル部を見ると格子状のスリットを用いたデザイン処理が施されている。》
グラウンドゼロのパワーアンプをフロア下にインストールするデザインにはかなりこだわっている。幅50cmを超える2台の大型ユニットを設置するには、それ相当のスペースが必要になる。しかしシンプルで高級感あるデザインを目指す上で、トランク内をゴテゴテと着飾るデザインは避けたかったという。そこで2台のパワーアンプはまとめてフロア下に埋め込まれる事になった。ただし、シンプルなデザインでありながらも、2台のアンプの存在感はしっかりアピールするという2つの相反するテーマを克服したのがこのデザイン。写真を見るとわかる通り、2台のパワーアンプは重ねてインストールされているのが特徴。それぞれのユニットを段違いにレイアウトすることで下部のパワーアンプもしっかりその存在をアピール。フロアに空けた開口部からのぞく2台のアンプは奥行きのあるレイアウトもあってインパクト十分。イルミ効果も加わり美しくアンプを浮かび上がらせている。パワーアンプを魅せることにこだわってレイアウト&デザインを工夫した成果だ。
さらに、開口部の周囲にはグリルを設置する。ここに用いられる生地に格子状にスリット処理を施す加工が施されているのも見どころ。これは毛足の長い生地にピンルーターを使って格子状の模様を描いていくという手の込んだテクニックで作られたもの。他では見られない新しいアイデア&高度な技術を要するカスタムなので注目してみよう。
◆シンプルだけど高級感満点アイデア駆使のトランクが完成した
《トランクの右サイドにはヒューズブロックをインストール。間接照明を使ったデザインはパワーアンプと同様だ。》
《左サイドにはグラウンドゼロのプロセッサーをインストール。周囲には格子状のスリットを効果的に使った処理も加えられる。》
トランクルームはフロア面を完全にフラットに作ってあるのが特徴。前方にはエアサスユニットを設置するものの、後部はカバーすれば荷物も載せられるほどのスペース。中央のパワーアンプを取り囲むように左右に周辺パーツをインストール。左サイドにはグラウンドゼロのプロセッサー・GZDSP 6-8Xをビルトイン。インストールのスタイルとしてはパワーアンプと同じく、フロア下に埋め込みつつ、LEDによる間接照明でユニットをショーアップするという手法。グリル部分の生地に対するスリット処理もパワーアンプ取り付け部と統一し、トランク全体の素材感や仕上がりのテイストを統一した。右サイドには同様のスタイルでヒューズブロックを設置する。パワーアンプの存在感を存分に引き出すデザインを施したトランクルーム。ユニットをこれ見よがしにアピールするのではなく、すべてのユニットをフロア下に埋め込みつつ、アピール度満点のデザイン作り上げたのが特徴。アイデア次第でカスタムのクオリティはここまで上げられることを証明したインストールと言えるだろう。
《text:土田康弘》