トランクルームとキャビンを別イメージで仕上げたインプレッサ。今回は福岡県のスタイリッシュ・サウンズがアイデアを駆使して作り上げたキャビン内のインストールを見ていくこととした。欧州スポーツを思わせる上質デザインがキーワードになっている。
◆ZRスピーカーラボを使って超ハイエンドなサウンドを目指す
《外装はスポーティなインプレッサながら、トランクやドアを開けるときっちりコンセプトを立てたインストールが施されている。》
《ブラウン系のカラーリングに変更することで内装に高級イメージを出した。欧州スポーツ的なデザインコンセプトが反映されている。》
《ドアにはZRスピーカーラボのミッドバスをアウターでインストール。ブラウンを要所に使ってアクセントとしているのも見どころ。》
前回お届けした前編ではトランクルーム内にインストールした外向きオーディオに注目した。グリーンをメインに使った鮮烈なデザインでインパクト十分なカスタムインストレーションを見せた。対して今回紹介するキャビンは欧州スポーツカーのイメージでシックに決めるのがテーマ。カラーリングも落ち着いたブラウンをメインに使い、大人のムードでデザインされてる。
加えてサウンド面でもスーパーハイエンドのZRスピーカーラボをフロントスピーカーにチョイスするなど、フロントステージは高級感にこだわった作りを施した。トゥイーターにはZRスピーカーラボの「ZR Extravagance SATURN」を、ミッドバスには「ZR Extravagance N°1」をチョイスする。オーナーは同ブランドの試聴会に訪れ、そのサウンドに惚れ込み即決したというこだわりのユニットなのだ。上質でリアルなサウンドがキャビンの高級感漂う空間デザインともマッチしている。
ドアはアウターバッフル化され、スピーカー周辺にもブラウン系の人工スエードを用いるデザインが美しい。さらにドア下部のライティングボックスや、上部のアームレストなどにもブラウンの生地を用いる。純正のインテリアはブルーを基調としたスポーティなデザインだったのに対して、上質な欧州スポーツを思わせるデザインへとイメージチェンジを果たした内装が見どころだ。
◆存在感満点のトゥイーターを引き立てるシンプルデザインのピラー
《ZRスピーカーラボの存在感満点のトゥイーターをビルトインしたAピラー。周辺デザインはあくまでもシンプルにまとめる。》
《リアドアには外向き仕様のロックフォード・パンチプロをインストール。ドアサイズギリギリの2ウェイを美しく収めた。》
《リアドアを閉じた状態は車内のエンクロージャー+アンプラックの脇に、リアスピーカー+イルミがのぞく設計。》
各スピーカーの取り付けスタイルにもこだわり満載だ。ZRスピーカーラボのトゥイーターである「ZR Extravagance SATURN」はグリル部を含めて存在感満点のユニットだ。そのデザインをスポイルすることのないように、周辺デザインはあえてシンプルにまとめたという。Aピラーはブラウンの人工スエードを用い、ピラー形状もトゥイーターを美しく収めるためのスマートなラインを描く。
そんな超ハイエンドなフロントスピーカーに対してリアスピーカーはロックフォードのパンチプロを採用。トランクルーム同様、ドアオープン時の外向きサウンドも考慮したチョイスとなっている。周辺にはイルミパネルを備え、ドアオープン時にデザインはもちろん、ドアを閉じた際の車内側のデザインも見事に仕上げた。
◆19インチサブウーファーでハイクオリティな低域を再現
《19インチのロックフォードT3は存在感満点。200Lオーバーのエンクロージャー容量を確保してローエンドの鳴りを引き出す。》
《リアシート部サイドにはアンプラックを設置。ロックフォードのパワーシリーズのアンプを斜めに収める大胆なデザイン処理が光る。》
《サブウーファーの全面にはプロセッサーなどを収めるパネルを設置。コクピットからのつながりを考え内装デザインの統一感を生む。》
リアシート側のセクションを見ると19インチの巨大サブウーファーであるロックフォードのT3S1-19をインストール。低音が大好きだというオーナーの望みもあって大口径サブウーファーを使ってローエンドを伸ばす作戦だ。エンクロージャー容量は200Lオーバーという余裕のサイズを確保し、ユニットのポテンシャルを存分に引き出す。T3はサウンド的にもハイファイ志向が強く、フロントスピーカーにチョイスしたZRスピーカーラボとのサウンド的なマッチングも絶好に仕上がったという。
リアセクションのもう一つの見どころはそのデザイン。中央の巨大なエンクロージャーを取り囲むように両サイドにアンプラックを設置。ロックフォードのT2500-1bdCPとT1000-4をそれぞれビルトイン。各アンプはサブウーファーとフロント2ウェイをドライブ。ドアオープンすればパワーアンプ全体が見えるど迫力のデザインもこのクルマのクライマックスのひとつになっている。
さらにサブウーファー下部からフロントシートへとつながる部分にも新たにボードを設置。グラウンドゼロのプロセッサー・GZDSP8やロックフォードのキャパシターなどをインストール。インテリア全体の統一感を作りつつ、リアセクションの魅せるデザインを作り上げた。
スーパーハイエンドであるZRスピーカーラボをチョイスすることで最上級の音を狙ったフロントステージ。T3による低域のクオリティにもこだわりサウンドは極上。合わせてブラウンを使った処理で上質感を徹底追求したデザインも秀逸な仕上がり。サウンドもデザインも兼ね備えるコンセプト通りのキャビンができあがった。
《text:土田康弘》