“最初の本格システム”を組むのに“使える”モデルはどれ? エントリー4chパワーアンプ、一挙6モデル聴き比べ! Part.1 | Push on! Mycar-life

“最初の本格システム”を組むのに“使える”モデルはどれ? エントリー4chパワーアンプ、一挙6モデル聴き比べ! Part.1

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“最初の本格システム”を組むのに“使える”モデルはどれ? エントリー4chパワーアンプ、一挙6モデル聴き比べ! Part.1
“最初の本格システム”を組むのに“使える”モデルはどれ? エントリー4chパワーアンプ、一挙6モデル聴き比べ! Part.1 全 8 枚 拡大写真
市販スピーカーを装着した後に次なるシステムアップを目指そうとするならば、“外部パワーアンプの導入”がお薦めだ。余裕を持ってスピーカーを駆動できるようになるので、サウンドに躍動感が生まれ、瑞々しさもアップする。外部パワーアンプはダテではない。

さて、それを実行しようと考えたとき、選ぶべきモデルはどれなのだろうか。そこのところを探るべく、人気モデル6機種の比較試聴を行った。これから“初めての外部パワーアンプ”を導入しようと考えている方は、当レポートを大いにご参考にしていただきたい。

なお今回は、4chパワーアンプに絞ってテストを行った。特にエントリーグレードにおいて4chパワーアンプは、使いやすさが大きな魅力だ。1台あれば、リーズナブルに、そして省スペースで“フロント2ウェイ+サブウーファー”、もしくは“フロント2ウェイのバイアンプ接続やマルチシステム”を完成できる。その意味でも4chモデルは、“初めてのパワーアンプ”として最適なのだ。


リファレンススピーカーには、「グラウンドゼロ」の“上級エントリー機”を使用。


インプレッション・リポートに入る前に、試聴環境をご紹介しておこう。試聴は、イース・コーポレーションの試聴室で行った(今回チョイスしたパワーアンプ6機種はすべて、同社がディストリビュートしているモデルだ)。試聴システムは、PC→USB DAC→パワーアンプ→スピーカー、というシンプルな構成とした。

リファレンススピーカーには、「グラウンドゼロ」の『GZUC 650SQX』(税抜価格:6万5000円)を使用した。“上級エントリーグレード”に位置する人気スピーカーだ。そしてシステムに組み込まれていたケーブルは以下のとおり。パワーケーブルが『MCA PF8R/B』(税抜価格:1000円/1m)、ラインケーブルが『MCA 350i-3M』(税抜価格:9000円/3m)、スピーカーケーブルが『MCA 350S16』(税抜価格:800円/1m)という陣容だ。

試聴にあたっては、4chパワーアンプのフロントchのみを使用し、クロスオーバーは『GZUC 650SQX』に付属しているパッシブクロスオーバーネットワークで行っている。

デザインも機能もシンプル。サウンドは骨太で安定感高し。


それでは本編に進もう。最初に聴いたのは、これだ。

GROUND ZERO・GZIA 4115HPX-II
●Entry No.1
GROUND ZERO・GZIA 4115HPX-II(税抜価格:3万4000円)
●仕様:Class-A/B 4ch(4/3/2ch)パワーアンプ
●定格出力:70W×4(4Ω)、115W×4(2Ω)、230W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:10Hz-30kHz(±1dB) ●S/N比:80dB ●入力感度:200mV-6V ●クロスオーバー:ハイパス40Hz-3kHz(-12dB/oct)、ローパス30Hz-250Hz(-12dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):312×192×49mm ●質量:2.48kg ●ハイレベルインプット装備 ●実装ヒューズ:25Ax2
ドイツ発の気鋭ブランド「グラウンドゼロ」の、最エントリー4chモデルである当機。とにもかくにも定格出力70W×4ch(4Ω)を確保しながらこの価格、というところが当機の魅力と言っていい。

機能的にはシンプルだ。ハイレベルインプットを備え、ローパス、ハイパスクロスオーバーも装備し、基本的な使い勝手には不満はないものの、特別な機能は特に持たず、その分、リーズナブルに仕上げられている印象だ。

デザインもシンプルで無駄がない。筐体の大きさもそこそこにコンパクト。横幅が312mmということで、シート下に収められる車種も多いのではないだろうか。総合的な実用性は十二分だ。

GROUND ZERO・GZIA 4115HPX-IIGROUND ZERO・GZIA 4115HPX-IIGROUND ZERO・GZIA 4115HPX-II

では、音のほうはどうだったのかと言うと…。

流れてきた音を聴いて真っ先に感じたのは、“安定感”だ。エントリーアンプ+エントリースピーカーの組み合わせであるのだが、粗さを感じることは一切なかった。音色は至って正確で、帯域バランスもナチュラルだ。安心して聴けるサウンドだったのだ。

もっともスピーカーはエントリーモデルとは言っても6万円台の“上級エントリー機”だ。しかも当機は人気も高く、性能の確かさは各所で評判となっている。であるので悪い音がするはずはないのだが、当パワーアンプの性能も確か、ということなのだろう。優良スピーカーの性能を、しっかり引き出すことができている。

高音からは繊細さを感じ取れ、ボーカルもしっかりと前に出ていて音像もシャープだ。そして低域の力強さにも好感が持てた。「グラウンドゼロ」らしい、土台のしっかりした骨太のサウンドが奏でられている。エントリー機でありながら“らしさ”を発揮しているあたりには、むしろ驚かされた。

このパワーアンプはあなどれない。低予算で外部パワーアンプの良さを味わいたいと思っている人に、自信を持ってお薦めできる。確かなエントリーモデルを探しているならば、当機の音を、要チェック。

これからカーオーディオを始めるユーザーが、最初に使うパワーアンプだったら幸せだろうなと思うほど素性が良い。なんせ34000円でこの音が手に入るとは。スッキリとして滲まずに全帯域を表現して、派手さは無いけれどそつなくこなす優等生タイプ。低域にもっとトルク感が欲しかったり、音の余韻が欲しいなぁとは思うけれど・・・それをこの価格帯に求めるのは酷なことだ。スピーカーと合わせて10万円でこの音が手に入る素敵な時代が来ているようだ。(藤澤純一)



“正統派”なサウンド。余分な色付けもなく、至って自然な聴き心地。


続いてはテストしたのはこちらのモデルだ。

VIBE AUDIO・SLICKS4-V2
●Entry No.2
VIBE AUDIO・SLICKS4-V2(税抜価格 :4万2000円)
●仕様:Class-A/B 4ch(4/3/2ch)パワーアンプ
●定格出力:75W×4(4Ω)、100W×4(2Ω)、200W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:20Hz-20kHz(±1dB) ●クロスオーバー:Front ハイパス;ローパス 50Hz-4kHz(-12dB/oct) ●クロスオーバー:Rear ハイパス;ローパス;バンドバス 20Hz-4kHz(-12dB/oct) ●サイズ(幅×奥行×高さ):330×194×50mm ●質量:2.60kg ●ハイレベルインプット装備 ●実装ヒューズ:30Ax2 ☆BASS BOOST:45Hz(0/+3/+6dB)
こちらは、英国の人気ブランド「ヴァイブ オーディオ」から新登場したばかりの「スリック・シリーズ」の4chモデルだ。

当機はまず、デザインが独特だ。ヒートシンクを備えた側面をわざわざラウンドさせて個性的なシルエットを描いている。“パウダーコーティング”されたマットブラックの色合いにもインパクトがある。エントリー機とは思えない高級感が漂っているのだ。

機能性の高さも特長だ。内蔵されているクロスオーバーは、ハイパス、ローパス、バンドパス(バンドパスはリアchのみ)を選択可能なので、DSPを用いずともさまざまなシステムを構築できる。4chアンプはいろいろな使われ方がされるものだが、当機は特に対応力が高い、というわけだ。

さらには、サブウーファーをブリッジ接続した際に有効な「BASS BOOST」も設定されている(効かせる深さは3段階から選択)。もちろん、ハイレベルインプットも装備する。実用性の高い1台に仕上げられている。

VIBE AUDIO・SLICKS4-V2VIBE AUDIO・SLICKS4-V2

そんな当機の音質性能は…。

結論から入ろう。こちらも、エントリー機としては十二分な性能を有している。「ヴァイブ・オーディオ」はコストパフォーマンスの高さが光るブランドでもあるのが、当機もその面目躍如だ。充実感の高いサウンドを響かせている。

音の方向性はあくまでも正統派。余計な色付けはなく、至って自然な聴き心地だ。敢えてジャッジするならば、ドライなタイプと言えそうだ。音源をそのまま再生している印象で、ソリッドでクールな傾向にある。

各帯域ごとに耳を澄ませてみると、まず低域は密度感が高くタイト。ドスッと体に響く、良質な低音を楽しめる。中域の厚みも良好で、高域は倍音が良く乗っていて伸びやかだ。そしてS/N感にも不満がなく、全体的に見通しが良い。

華やかな音を好む人には、物足りなく感じるられるかもしれないが、素直な、落ち着いたサウンドを求めている向きには、当機はぴったりなのではないだろうか。落ち着いているとはいっても、音にはしっかりと芯が入っているので、つまらない音では決してない。聴き応えは十分だ。

このところの「ヴァイブ・オーディオ」の新製品には、好感度の高いモデルが多いように思う。実際、ファン層もじわじわと拡大していると聞いている。これまで当ブランドをノーマークだったというならば、今後は注目度を上げるベシ。

音が出た瞬間、強いなー、マッチョだなーという感想。重心が低域寄り、だからといって高域も一定以上しっかりとキラリとした印象を持たせながら鳴っている。メリハリが効いたサウンドと言うべきだろうか、音の分離は若干甘いが気にするほどではなく、捉え方によっては音の厚みを前へ前へ押し出してくる豪快なサウンドとも言える。細かい事を考えずに楽しく好きな音楽を良い音で聴こう! というユーザーには選んで後悔のない製品だ。(藤澤純一)



今週は以上で終了だ。次週もこれに引き続き、エントリーパワーアンプの注目モデルをご紹介していく。内蔵パワーアンプシステムからのステップアップを視野に入れている方は、次回の当特集もお読み逃しのなきように。

《太田祥三》

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