「125ccのフルサイズオフローダーが欲しい」って声をよく耳にする。そういえば、昔は当たり前のようなにたくさんあったフロント21、リア18インチの足まわりを持つ、原付2種免許で乗ることができるデュアルパーパス。
経済性に優れ、街乗りやツーリング、オフロード遊びやエンデューロなどオールマイティに楽め、いつの時代もビギナーからエキスパートまで幅広い層に愛されてきた。
国産ラインナップには見当たらないが、イタリアの名門『SWM』にあった。水冷4ストDOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載する『RS125R』だ。
SWMは1971年創業のイタリアメーカー。エンデューロをはじめ、モトクロスやトライアルなどの世界でも活躍してきた由緒正しきブランドで、2015年のミラノショーで復活をアピールした。
「これはとても気になる!」と思い、乗ってみたが、さすがはオフロードシーンで成功を収めてきたブランド。ダートでの走りが気持ちいい。
しっかりとした剛性感のあるシングルビームダブルクレードル・スチールフレームに、インナーチューブ径41mmの倒立フォークやリンク式のモノショックがセットされ、本格派といった印象。なによりも、見た目に迫力があっていい。
もちろん街乗りでも扱いやすく、細くて軽い車体とタップリあるハンドル切れ角で市街地もスイスイ楽チン。背が高いから前方を確認しやすいし、アップライトなライポジがイージーなライドフィールをもたらしている。
イタリアンバイクらしい洗練されたスタイルは、若い男の子がストリートで乗っていたら似合いそうだし、昔のオフ車のように始動はキックスタートのみってこともなくセルボタンで一発だから、セカンドバイクを探していたベテラン層にもオススメしたい。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。
《text:青木タカオ》