メルセデスベンツがお金持ちの象徴であり、一般人にとってはあこがれの存在となっているのはタイでも日本と同じだ。タイの物価は日本よりも安いが、いっぽうでバンコクにおいては富裕層、すなわちクルマにお金をかけられる人は多いので、メルセデスベンツにとってタイのマーケットは侮れない規模となっている。
その結果として起きるのが、日本よりも早くニューモデルが現地発表されること。ワールドプレミアから日本発売までのタイミングが比較的短いBMWと違い、メルセデスベンツは本国発売から日本発表までのタイムラグが長いケースも多い。だから日本よりもタイのほうが早く新型のメルセデスが登場することが頻繁にあるのだ。
しかも日本人としてさみしい気持ちになるのは、タイは左側通行。つまりクルマは右ハンドルだ(日本と違って左ハンドルは皆無)。だから本国とは違う右ハンドルのモデルを日本より先に手に入れられることになる。
というわけで、2017年のバンコクモーターショーにおけるメルセデスベンツブースの目玉となるニューモデルは、新型『Eクラス』クーペ。
昨年12月にワールドプレミアされ、右ハンドル仕様となるイギリスではすでに正式発売されているものの、アジア地域においては日本よりも先に正式公開となった。ブースではステージの上に飾られ、多くの来場者に注目されていた。展示されていた新型Eクラスクーペは「E300」なので、排気量2.0リットルの4気筒ターボエンジンを積むモデルだった。
《text:工藤貴宏》