高いショーアップ効果と実用性を兼ね備えたラゲッジを作り上げたパサート。インストールしたのは広島県のリクロス。フロントステージには女性ボーカルの心地良さを引き出すシステム & インストールが施された。
◆純正っぽいデザインで
シンプルに高音質を狙う
前回紹介したラゲッジは、カバーを開けると見事なデザインがあらわれる魅せる効果満点のインストールだった。対してコクピットは「純正っぽいが、よく見るとしっかりカスタム処理が施されている」という、あくまでも純正デザインをいかした落ち着いたデザインがテーマ。
チョイスしたスピーカーユニットはカロッツェリアのTS-Z172PRS。2ウェイスピーカーのミッドバスをドアに、トゥイーターをドアミラー裏にインストールするスタンダードな構成。そんなスピーカーをコントロールしているパワーアンプがカロッツェリアのPRS-D700、そしてプロセッサーにはビーウィズのSTATEを組み合わせた。ヘッドユニットには同じくビーウィズのMM-1をチョイスする。
このシステムを構築したオーナーがサウンド作りで望んだのは、良く聴く女性ボーカルの声が「心地よく伸びる音」だった。高域特性はもちろん、中域の厚みなども重視され、張りのあるサウンドとヌケの良い高域を両立させることを狙った。
◆純正の機能を損なうこと無く
アウターバッフル化するドアに注目
ドア純正位置へのミッドバスの取り付けはアウターバッフル化される。内張りの影響なしに直接音が聞ける、高音質化には欠かせない手法だ。オーナーが望んだ中域の厚みにも絶好のスタイル。しかもドアポケットをスポイルすること無く、スピーカー周辺を限定して加工しているため、ストック時の使い勝手を損なうこと無いのもこのクルマならではの完成度の高さだろう。
グリルにはLED+アクリルリングを用いたイルミが施され、ラゲッジのライティングデザインと統一感も高い。大型のフェイズプラグを備えた存在感のあるPRSのデザインをより一層引き立てている。
トゥイーターはドアミラー裏にインストール。ここでも純正デザインを一切損なうこと無く、スマートにトゥイーターをインストール。ぱっと見は純正そのものだが、しっかりとPRSのトゥイーター振動板が主張する事でオーディオカーをイメージさせている。
◆低音から高音までのバランスの
良い音を作り出すユニットと調整
ヘッドユニットにはビーウィズのミラーメディアMM-1をチョイス。同社のステートとのコンビで再生能力に加えて調整機能の高さも魅力のコンビだ。細かな調整はオーナー自身が行い、好みのサウンドやステージを作り出しているという。
DINスペースにはサイバーナビAVIC-0999Lをインストール。ユニットをスマートにビルトインするためにユニット周辺をわずかに加工して取り付けられている。これも純正風のコクピットを望んだオーナーならではの仕上がりと言えるだろう。
洋楽やEDMを幅広く聴くというオーナー、普段のドライブでもしっかり音量も上げて鳴らすケースも多く、このクルマの低音から高音までバランスの良い鳴りっぷりにも満足だといういう。サウンド面、インストール面と、オーナーの望みがしっかり込められたクルマが仕上がった。
《text:土田康弘》