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【BMW 330e 試乗】スポーツセダンらしさは損なわれていない…島崎七生人

自動車試乗記

BMW 330e Mスポーツ全 7 枚写真をすべて見る

BMW『3シリーズ』といえは、50歳台のレポーターにとって、ずっと憧れの存在。初体験は初代E21型が現役だったころに取材で乗った「320-6」だったが、第三京浜をシャーン!とエンジンを回しながら爽快に走るさまは、今でもカラダに感触が残っている。

車種ラインアップが驚くほど増えたBMWのなかで、セダンの3シリーズが中核モデルなのは今も変わらない。しかもガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドと市場要求に応えるパワートレーンをしっかり用意しているのはさすがだ。

試乗車はM Sport仕様で、18インチランフラットタイヤ(前:後=225/45:255/40)を履き、車高が10mm(他グレードに対し)低いこと、左フロントフェンダーに充電口があり、Cピラー、ホフマイスターキンク後方にバッジが付くのが外観上の主な違い。つまり、普通の3シリーズと見かけはほとんど変わらないということ。いかにもPHEVでござい…の主張は控えめなのがスマートだ。

走りは3シリーズそのもの。PHEVであることをまず意識させない。3つの走行モード(AUTO eDrive/MAX eDrive/SAVE Battery)と性能切り替え(COMFORT/SPORT/ECOPRO)を備えるのは他のBMW PHEV車と同様。2リットル4気筒ガソリンエンジン(184ps/29.6kgm)とモーター(88ps/250Nm)を活用しながら、適宜、状況に応じた走らせかたが可能となる。

120km/h、36.8kmまでモーター走行を可能としており、その走りは低速から力強く、EVのように電欠の不安がないから心強いのもいい。そして思いのままにアクセルを踏み走らせれば、普通のBMWのガソリン車の感覚でパワートレーンが小気味よく反応してくれ、胸のすく加速まで味わえる。

車重差は1770kgとガソリン車+およそ200kg。とはいえ前/後=860/910kgの重量配分で、コーナリングでも気持ちよくノーズがインに向かって入っていくし、乗り味もしなやかだ。さらに心地いい包まれ感のある車内は今の3シリーズならではで、よって、スポーツセダンらしさは、この330eでもいささかも損なわれていない…そう思えた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《text:島崎七生人》

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