読者のみなさま、こんにちは! ホットワイヤードの三輪がレポートします、海外のカーオーディオ情報。これから定期的にPush on! Mycar-lifeで執筆することとなりました。日本ではなかなか知る事の出来ない情報をお届けできるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。
海外レポートって言うのは普通アメリカとかから始めるんですが…いきなりマニアックですみません、ロシアへ行ってきまして『EMMA RUSSIA 2016』での様子を今回から数回に分けてレポートしていきます。
EMMA とは、EUROPEAN MOBILE MEDIA ASSOCIATION の略で、ヨーロッパのハイエンドカーオーディオコンテストであり、世界共通のルールと音質審査の基準を明確にしたヨーロッパの統一基準です。「良い音ってなに?」という問に対し、ヨーロッパやアメリカではかなり明確に基準と評価が確立していて、良い音とはなんなのかがはっきりルールとして理解され「録音されているステレオサウンドを正確に再生する事」が、良い音の定義です。
EMMAではルールブックに基づいて音質とインストール、2つの審査があります。音質審査では審査用のEMMA CDを基準に各項目を採点を行い、インストールは主に取り付けの安全性と確実性が重視されています。今ではアジア各国もEMMA基準を採用して、決められたルールに則ったカーオーディオコンテストを開催するための世界統一基準になっています。日本では2013年から正式にEMMA JAPAN が発足。日本のジャッジトレーニングには外国のヘッドジャッジが来日して2日間かけてトレーニングをしました。私もジャッジトレーニングの参加をして資格の獲得、と同時に海外ジャッジの通訳として参加しました。
やっと私自身が望んでいた世界統一基準のカーオーディオのコンテスト開催される! という事で、ホットワイヤードのデモカーも2013年からEMMA マスタークラス(金額無制限)にエントリーする事にしました。
EMMAのコンテストを開催する為には、正しい音の定義とコンテストのルールを理解していること、正しい音を正しく評価できる審査員が必要なわけですが、その為には世界統一基準のジャッジ(審査員)のトレーニングや育成が必要です。私は、2014年に、EMMAインターナショナルジャッジの資格を取得しています。
前置きが長くなりましたが、今回は国際ジャッジとしてEMMA RUSSIA の事務局よりご招待頂き、仕事もあり正直しんどい感じだったのですが…せっかくの機会なので行ってみる事にしました。そして「ロシアってどうやって行くの?」ってことなのですが、地図を見てみると意外に近いんですね、日本海の反対側はもうロシア。しかし、地図上では近いのですがやっぱり実際は遠い国です。ビザも必要ですし、名古屋からだと乗り継ぎで10時間待ちとかになっちゃうみたいで、見た事もない飛行機会社の飛行機を乗り継いでやっと来れたのがウラジオストク、いわゆる極東ロシアです。やっと着いたよ…というのが正直な気持ちです。
そして迎えにきてくれたのは、たぶん世界最年少のEMMA ジャッジであろうEKATERINAに連れられてさっそく会場の下見に向かいます。
EMMAのコンテスト会場は街の中心のスクエアで、観光客もたくさん来るスポット。街の風景は普通にヨーロッパです。すぐ前は港で、イベント会場としてのロケーションは最高でした。
港には軍艦や潜水艦が普通に待機していて、日本では感じられない雰囲気。「正しい音」だけではなく、歴史の違いも思い知らされるわけです。
私は歴史も勉強不足ですが、多くの日本人がサラッと忘れてしまっている戦争関係のモニュメントが凄く多いので日本人としてはちょっと微妙感じではありますが、比較的安全に暮らせている日本に改めて感謝する気持ちになります。
上の写真はイベント主催者のNIKOLAYさんとGENNADYさん。今回のコンテストでヘッドジャッジはロシアでも6人しかいないインターナショナルジャッジのGENNADYさんが勤めます。彼は2015年のEMMA ASIA (アジア全体での順位を決める為のコンテスト)のインターナショナルジャッジとしてEMMA本部から選出されたジャッジ団のひとりで、アジア諸国をすべて回ってジャッジした凄腕のジャッジです。イベント当日もEMMA ASIA のポロシャツ誇らしげに着ていて、他のジャッジとは違う風格が感じられました。
EMMA RUSSIA では、ジャッジを4種類に分けて区別しています。
1.国内でセミナー受けてジャッジ資格を取得したビギナーのジャッジ。
2.少し経験のあるジャッジ
3.経験豊富なヘッドジャッジ
4.国外でEMMA 本部主催のトレーニングを受けてジャッジ資格を取得したインターナショナルジャッジ。
これはジャッジとエントラントの両方にとって非常に良いシステムで、大変うまく機能していましたし日本も見習うべきだと思いました。
コンンテスト前日の打ち合わせです。大量のエントリーシートやスコアシートでスタッフは準備が大変そうでした。
「明日やってね!」と渡されたエントリー車両のリスト。ESQLというカテゴリーの音質審査のジャッジをさせていただく事になり、20数台のエントリーがあるのですが、全部日本車でクルマの名前だけは読めるぞ! とひと安心。そして写真にあるのがジャッジで使用するスコアーシートとなります。
たくさん用意されたトロフィーが、とってもセンスがよくてカワイイんです。そしてスポンサーから協賛のプレゼントがたくさん。
しょーもない景品やノベルティじゃなく、普通に使えるマトモな賞品なので、もらってもうれしいですよね!
そして、イベント当日。めずらしい外国人のインターナショナルジャッジという事で、ステージで少しご挨拶もさせていただきました。その後のコンテストの様子はまた次回に!
《text:HOT WIRED 三輪洋揮(まとめ:編集部)》