アルピーヌは日本において、市販車につながるプロトタイプ、『ヴィジョン』を発表した。このコンセプトカーの80% が市販車に反映されるという。
同社マネージングディレクターのミハエル・ヴァン・デル・サンテー氏は、「このヴィジョンをベースに、情熱を持つドライバーに向けて、現在あるスポーツカーとは異なるクオリティを提供し、彼らの魂を呼び覚ますようなロードカーを目指す」と意気込みを語る。
そのために、「この先1年間は3つのことだけに注力していく」という。ひとつは、「このクルマを完璧にし、ダイナミックなパフォーマンスを実現する。同時にハンドリングや、俊敏性、そしてディテールにもこだわり、優れたものに仕上げていく」と話す。
次に、「アルピーヌチームを作り、ディーラーネットワークを日本でも確立する。そこでは優れたサービスを提供していく」とサンテー氏。
そして最後は、「アルピーヌに相応しくレースにもチャレンジする。数年来我々のパートナーである、シグナテックアルピーヌレーシングチームとともに、既にWECをはじめとしたレースで優勝をもたらしている」と述べた。
日本市場におけるアルピーヌは1960年代から輸入されており、「これまで約600台が販売されている」とは、同社副マネージングダイレクターのベルナール・オリヴィエ氏の弁。更に、「日本には熱心なアルピーヌコレクターもおり、ルマンプロトタイプの『M63』や、『A441』などの貴重なモデルがある。『A110ベルリネッタ』は300台ほど存在する。また3つのアクティブなクラブも活動している」と日本市場の特性を評価。
サンテー氏も、「日本でのアルピーヌは既に長きにわたる成功の歴史があり、認知度は高いので、日本でアルピーヌを復活させることは理にかなっているばかりではなく、我々にとって、優先事項なのだ」と日本への導入理由を説明した。
《text:内田俊一》