“トールハンマー”と呼ぶ寝かせたT字型LEDヘッドランプや新アイアンマーク、新しいグリルなどで新世代のボルボデザインに歩調をあわせた『V40』。もともとスタイリッシュ方向に長けたスタイリングは、無理なくリフレッシュに成功した…そんな印象だ。
試乗車のドアを開けると、インテリアも上級モデル並に“明るくなった”と感じた。試乗車は上位グレードの「Inscription(インスクリプション)」だったが、気がついたのはステアリングホイールで、写真のように、リムの外周側を濃色にし、内側と水平スポーク部、センターパッド部を淡色にした新しい2トーンのデザイン。これまではいい意味でコクピット感覚だったイメージが、さらに明るく、上質なものとなり、新鮮な印象を受けた。
「D4」に搭載するのはこれまでどおり4気筒の2リットル・ディーゼルターボ(190ps/40.8kgm)。走らせている限りガソリン車に遜色のないレスポンス、性能なのは変わらない…というより、加速時のダイナミックさ、気持ちのよさはスポーツカー感覚といえるほど。同時にアイシンAWと共同開発の8速ATは100km/hで1500rpm(8速)ほどの余裕で、高速クルージングの快適性も十二分だ。
225/45R17 91Wサイズタイヤ(ミシュラン・プライマシー3)を履く乗り味もなめらかでフラット。今回の改良では「メカニカルな変更のアナウンスはない」とのことながら、もっぱら、より走りがなめらかになったと評判のよう。レポーターも異論はないが、初期型に対していえば、2015年モデルなどはすでに十分に洗練の度合いが進んでいた…と認識している。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
《text:島崎七生人》