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【日産 プロパイロット】東名高速の300Rを100km/hで曲がれるか?

自動車ニュース

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13日発表された「プロパイロット」は、ステアリングの自動制御や全車速での追従制御など、日産の自動運転技術ロードマップ上で最初に投入される技術だ。その詳細について、開発エンジニアに話を聞いた。

対応してくれたのは、日産自動車 電子技術・システム技術開発本部 AD&ADAS開発部 プロジェクト開発グループ 主管 矢作悟氏と、グローバルマーケッタビリティ部 チーフビークルアセスメントスペシャリスト内藤英司氏の2名。

プロパイロットでは、走行中でも車線や前の車両を検知しながらステアリングを操作してくれる。この制御のため、ステアリングの切れ角は0.004度の分解能でセンシングし、操舵を行っている。『シーマ』や『スカイライン』に搭載されているレーンキープ機能では、0.1度以上の精度だという(矢作氏)。

意識していないと、ステアリング制御の介入感は高いほうで、ハンドルに手を添えている程度だと、はっきりと動きがわかる。ただし、介入のオーバーライドは少しの力で切り替わるようになっているので、自分で運転する意識があればすぐに手動でのステアリングに切り替わる。テスラはかなり力をいれて制御を奪うイメージでオーバーライドするが、プロパイロットは自分で切り足しや修正を行えば自然に切り替わるという。

ステアリングを自動制御とした場合、どれくらいのカーブまで対応してくれるのだろうか。プロパイロットが、どちらかというと50km/h以下、渋滞走行の運転支援を重視したとのことで、コーナリングは、発生する横Gによて制御している。一般的な高速道路の走行条件では0.2G前後の横Gで収まるという。よほど無理な運転をしなければ、どんな高速道路のカーブでも0.2Gも発生させればクリアできるということだ。プロパイロットでは、0.12Gを上限とした制御でコーナリングさせている(矢作氏)。

もし、プロパイロット動作中のコーナリングで0.12G以上のGが発生したら、舵角は保持するがそれ以上の制御を行わない。ドライバーは車の動きやレーンキープのワーニングなどで判断し、手動運転にオーバーライドする必要がある。といっても、曲がれそうもない動きを車がすれば、ドライバーはブレーキやハンドル操作するはずなので、すぐに手動に切り替えることができる。

実際の道路では、例えば東名高速道路の大井松田、御殿場間のコーナーが連続するようなところは100km/h以上の場合、人間の操作が必要になるだろう(内藤氏)とのことだ。

夜間走行は、ヘッドライトと道路の照明があればほぼ問題なくプロパイロットは動作するそうだが、雨は条件によって厳しいようだ。ワイパースイッチがLowに入ったら、ステアリング制御は自動的にキャンセルされる。Hiに入ったら、オートパイロット(クルーズコントロール)も効かなくなるようにしている。雨や泥でカメラが汚れたり、逆光などもワーニングが表示されるそうだ。

プロパイロットの開発では、国内の高速道路や主要幹線道路など、自動車専用道路はすべて走行実験を行ったという。総距離数はおそらく20万km以上。なお、国内の自動車専用道路の総延長は約7万kmといわれている。

《text:中尾真二》

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