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【レヴォーグ STIスポーツ 試乗】“ガチガチのスポーティ”とは違う走り…諸星陽一

自動車試乗記

スバル レヴォーグ STIスポーツ全 9 枚写真をすべて見る

スバル『レヴォーグ』の最上級グレードとして「STI」の名を冠したグレードが登場した。従来のSTIモデルは完成車への架装が基本であったが、今回のSTIモデルは、すべて生産ラインで製造される。

STIのブランド名が冠されるとガチガチのスポーティモデルと考えられがちだが、今回のSTIスポーツはレヴォーグの最上級グレードという位置づけ。エクステリアでは専用のフロントバンパーやグリル、アルミホイールなどを装着。インテリアも専用配色のレザーシートなどで高級感あふれる雰囲気をつくり出したうえで、専用チューンの足まわりを組み込んでいる。スバルらしく、前後ともにビルシュタイン製のショックアブソーバーにスプリングを組み合わせたものだ。

ポイントはフロントの「ダンプマティック2」と呼ばれるショックアブソーバーで、しっかりした減衰力を確保しつつ乗り心地も両立させたもの。これはフロントだけに装備されるもので、リヤはノーマルタイプ。フロントの特性に合わせたチューニングが施されている。

コーナリング時は粘り気のある、しっかりとしたフィーリングだ。ロールの終息が早く、コーナリング時の姿勢も落ちついている。ステアリング切りはじめにシュッとクルマがインを向くハンドリングのシャープさも気持ちいい。今回はショックアブソーバー&スプリングのグレードアップに加えて、ステアリングギヤボックスまわりの取り付け剛性をアップしているのも、こうした特性の要因となっている。

ダンプマティック2は乗り心地に関しても有効。速度が遅いときはゆったりとした動きを示す。路面が荒れているような道でも流すような走り方だと乗り心地はゆったりだ。これが速度を上げ、ショックアブソーバーがよく動くようになるとビシッと締まりのある乗り心地になる。同じ段差を40km/hと80km/hで通過してみると80km/hのほうが安定した動きとなったから驚きだ。

2.0リットルエンジンはプレミアムガソリン仕様で300馬力のスペック。組み合わされるミッションはチェーン式CVTのリニアトロニック、それもスポーツリニアトロニックと呼ばれる結合感の高いタイプだ。駆動方式はもちろん4WDで、その方式はリヤへの駆動配分が多めのVTD-AWD。回頭性のよさはこの駆動配分も少なからず影響しているだろう。

「レヴォーグ2.0STIスポーツ」の価格は365万円。少々高めの価格設定だが、装備表を見るとメーカーオプションの設定はなし。つまりアイサイトを含めて装備はフル状態。レヴォーグのオリジナリティ、安全性、実用性、さらにSTIの名が冠されたスポーティな装備まで考えれば、相対値としては妥当な価格と言えるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《text:諸星陽一》

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