ドイツ発の実力カーオーディオブランドである「rainbow」が、この夏いよいよ、日本への本格再上陸を果たそうとしている。
それに際し、当ブランドの魅力と、今回日本にやっている製品群についての詳細なリポートを、計4週にわたって展開している。
今週はその2回目だ。デリバリー開始となる全スピーカーについて、その中身にを詳しくご紹介していこうと思う。
今回入ってくるスピーカーは、計5ラインがある。そのうちの1つは、『BMW専用スピーカーキット』であるので、通常の製品は4ライン、ということになる。
◆最上位モデルは、単品(ペア)発売の各スピーカーユニット
その中での最上位グレードとなるのが、こちらの『Profi Line』だ。
当ラインはコンポーネントスピーカーを持たず、トゥイーター、ミッドレンジ、ミッドウーファー(2種)、サブウーファー、それぞれが単品(サブウーファー以外はペア)で販売されることとなる。パッシブクロスオーバーネットワークはラインナップしていない。アクティブクロスオーバーを用いてのドライブが前提となっている。
顔ぶれをざっとご紹介しておく。
- PL-T28 SET(税抜価格:15万円)
- ・28mmトゥイーター(ペア) ・定格入力:80W ・周波数特性:2kHz~30kHz
- PL-M3P SET(税抜価格:11万円)
- ・9cmミッドレンジスピーカー(ペア) ・定格入力:80W ・周波数特性:250Hz~8kHz
- PL-W6P SET(税抜価格:14万円)
- ・16.5cmミッドウーファー(ペア) ・定格入力:180W ・周波数特性:35Hz~5kHz
- PL-W6C SET(税抜価格:15万円)
- ・16.5cmミッドウーファー(ペア) ・定格入力:180W ・周波数特性:33Hz~5kHz
- PL-S10(税抜価格:15万円)
- ・10インチ(25cm)4ΩSVCサブウーファー ・定格入力:180W ・周波数特性:25Hz~500Hz
価格的には、十二分にハイエンドなモデルである。しかしながら、背伸びをすれば手が届きそうな水準といえるのではないだろうか。このくらいの価格のハイエンドスピーカーを探している人は多いだろう。
全アイテムとも、生産はドイツ国内で行われている。トゥイーターはハンドメイド加工のステンレス製ハウジングに、シルクドーム、ネオジウムマグネットが搭載されている。見た目の質感も高く、高級機の香りが漂う。
ミッドレンジは、マルチレイヤーコーン、25mmボイスコイル、アルミニウムフェイズプラグ等が採用された、こちらも高品位な一品。取り付け穴直系は78mm、取り付け深さは35mmとのことで、至って平均的な大きさのミッドレンジだと言っていい。
そして特に興味深いのが、2種類のミッドウーファーだ。両者はスペック的には大きな差はなく、37mmボイスコイル、カッパーコントロールリング、アルミニウムダイキャスト製フレームが採用されている点も共通だ。しかし、振動板の見た目が大きく異なっている。『PL-W6C SET』に採用されている“アルミニウムクリスタルロックコーン”が、とにかくインパクトが抜群だ。これによりどのようなサウンドが聴かれるのか、非常に興味深い。
◆ミドル、エントリーまで、幅広くラインナップ
続いては、日本での2ndラインとなる『Germanium Line』をご紹介しよう。当シリーズは、2ウェイコンポーネントスピーカーと、3ウェイコンポーネントスピーカーの2機種から構成される。それぞれの概要は以下のとおりだ。
- GL-C6.2(税抜価格:10万5000円)
- ・16.5cm2ウェイコンポーネントスピーカー ・定格入力:120W ・周波数特性:39Hz~30kHz
- GL-C6.3(税抜価格:16万2000円)
- ・16.5cm3ウェイコンポーネントスピーカー ・定格入力:120W ・周波数特性:39Hz~30kHz
3ウェイコンポーネントスピーカーには、ミッドレンジスピーカーと3ウェイ用のパッシブクロスオーバーネットワークが加わっているのだが、それ以外については基本的に共通だ。
当シリーズは、音質、パワーハンドリングに優れたスピーカーであり、トゥイーターはシルクドーム、ミッドウーファーにはブラック塗装のアルミニウムコーン、ダブルMサラウンドが採用されている。かつての「rainbow」のスピーカーというと、シルバーのアルミニウムの振動板が印象的だったが、当機の振動板はそれにブラック塗装が施されているわけだ。それにより、サウンドがどう現代的になっているのか、音を聴くのが実に楽しみだ。
そしてお次が3rdグレードとなる、『Sound Line』だ。ラインナップは以下の2機種で構成される。
- SL-C6.2(税抜価格:4万9000円)
- ・16.5cm2ウェイコンポーネントスピーカー ・定格入力:120W ・周波数特性:39Hz~30kHz
- SL-C6.3(税抜価格:7万2500円)
- ・16.5cm3ウェイコンポーネントスピーカー ・定格入力:100W ・周波数特性:50Hz~30kHz
リーズナブルなモデルでありながら、3ウェイの設定があるあたりがうれしいポイントだ。現実的な予算の中で3ウェイに挑戦してみたいと思うならば、当機に大いに注目しよう。
そしてもう1つが、最エントリーモデルである『Dream Line』。こちらには3モデルがラインナップし、すべてがコアキシャルモデルとなっている。概要は以下のとおりだ。
- DL-X5(税抜価格:2万3500円)
- ・13cm2ウェイコアキシャルスピーカー ・定格入力:80W ・周波数特性:65Hz~21kHz
- DL-X6(税抜価格:2万3500円)
- ・16.5cm2ウェイコアキシャルスピーカー ・定格入力:80W ・周波数特性:55Hz~21kHz
- DL-X69(税抜価格:3万1000円)
- ・16.5cm3ウェイコアキシャルスピーカー ・定格入力:90W ・周波数特性:40Hz~21kHz
以上の3機種より、当シリーズは構成されることとなる。
さて、コアキシャルからエントリーグレードの2ウェイ & 3ウェイコンポーネント、そしてミドルグレードモデル、さらにはハイエンドシリーズまで、魅力的かつ、幅広い製品構成となっている今回の「rainbow」スピーカー。それぞれの実力のほどが大いに気になるところだが、基本性能の確かさは、かつてのモデルで証明ずみ。そのサウンドには間違いはないはずだ。そのあたりについては当特集の最終回でインプレッション・リポートを展開する予定なので、そちらをぜひともご覧いただきたい。
次週は、パワーアンプ、サブウーファーについて概要をご紹介していく。
《text:太田祥三》