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【ジャガー XE ディーゼル 試乗】スポーツセダンの文脈に変わりなし…島崎七生人

自動車試乗記

ジャガーXE 20d 全 6 枚写真をすべて見る

『XE』は『XF』に対し全長285mm、全幅30mm、全高40mmそれぞれ小さく、ホイールベースは125mm短い。最小回転半径も20cm小さく5.5mで、車重もおよそ100kg軽量だ。

「20d」同士で『XE』は燃料タンク容量が4リットル小さいが、JC08モード燃費は0.4km上乗せの17.1km/リットル。同じプラットフォームを用いることもあって、エンジンルームの光景などは、写真に撮ると見分けがつかないほど。ちなみにカタログの諸元表によれば、8速ATの各ギヤ比、最終減速比は共通。もちろん4気筒ターボディーゼルのスペック(180ps/430Nm)も変わらない。

その2リットルディーゼルターボは、加速を始め、十分なパフォーマンス。場合によりエンジン音と振動を僅かに意識するも、スポーツセダンのエンジンとしての資質にまったく不満はない。

さらに『XF』と比較し『XE』を試すと、改めて、クルマ自体のクラス分けがキチンとなされていることも実感する。当然ながら『XE』の運動性はすべてにおいて身軽で、“スポーティ”を文脈にこのクルマが作られていることがよくわかる。そのなかで、踏ん張りを効かす後輪の接地感や、しっとりと緻密でスムースなステアリングフィールは、ジャガーならではの味わいどころだろう。

もちろんボディはしっかりしていることが実感できる。オプションの18インチタイヤ(DUNLOP SPORT MAXX RT=225/45R18 95Y)を履く試乗車だったが、ボディに伝わる不快な振動はなく、乗り心地もスムースで、それは後席に座るチャンスがあったが同様だった。

後席の頭上も決して不満はない。トランクスペースは広大な『XF』には一歩譲るとはいえ、床面の前後長は実測で100cm(『XF』は120cm)はあり、家族旅行などでも十分にその役どころをこなしてくれるはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《text:島崎七生人》

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