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アンティフォン 松居邦彦の『カーオーディオ そこんとこ、実際ど~なのよ?』 No.90 愛用品ノート 「ダイヤトーン・DS-SA1」その3

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松居さんに、愛機「ダイヤトーン・DS-SA1」の魅力を語っていただいている。ここまでは、このスピーカーの特長、そしてこれを中心としたシステム遍歴を綴っていただいた。今回はその最終回だ。話は、システム遍歴の後半へと進んでいく…。

愛用しているスピーカー、「ダイヤトーン・DS-SA1」についてあれこれと綴らせていただいている。前回は、これを装着しているデモカー、Audiのオーディオ遍歴の、前半の3年間について書いた。

その時代には、「カロッツェリアX」のシステムと組み合わせていたのだが、そのシステム(スピーカー以外)を新たなデモカー、アクアへ引っ越しをさせることになり、Audiには、新たなプロセッサー&パワーアンプが必要になった。これを機にヘッドユニットを純正に戻し、システムを純正MMIシステムとして動作させる中で高音質を追求することと、これに割り込ませる形でハイレゾ音源を再生させる2wayシステムを構築することに取り組んだ。

プロセッサーには「audison・bit one」を使うことにした。パワーアンプは「MOSCONI」を選んだ、「BRAX」や「ARC AUDIO」も頭をよぎったが、以前「PHD」のパワーアンプをテストしたことがあり、そのことが「MOSCONI」にする動機付けになったのかもしれない。そのときに感じた、イタリア製品が持つ「情熱的表現」を、再びシステムにもたらしたいと考えたのだ。

「PHD」もとても素晴らしかったが、どんな時も情熱的であり、「DS-SA1」の密度感と相乗し過ぎる面も若干あった。それに対しこの「MOSCONI」は、“冷静”だった。

ところで、オーディオ再生の魅力には、さまざまなタイプがある。大きくは、プレーナー型やアバロンアコースティックのように広がりあるサウンドステージでイメージを展開するシステム、つまりは「ハイエンドオーディオというタイプ」と、コンプレッションドライバーを組み合わせたレコーディングルームで使用するようなスピーカーシステムを使い、「音の形のリアルを追求するタイプ」の2つが代表的なものだと考えている。

以前僕は、これを合体させることを夢に見て色々画策をしてきたのだけれど、ここ数年、写真の世界にも足を踏み入れたことで、少々捉え方に変化が生まれてきている。キーとなるのは「アプローチをする方向」なのでは、と考えるようになったのだ。

オーディオにおけるその2つのタイプの違いは、写真においての、広角レンズを使った撮影と、望遠レンズを使った撮影の差のようではないかと。「DS-SA1」の魅力を発揮させるためには、望遠レンズ的にメインのリアル感を失わないようしつつ、その他の要素も取り入れることが大事なのではないか、と、今は思っている。

「MOSCONI ZERO4」と組み合わせた今のAudiでは、それができていると感じている。結果、再生音の質感、濃度、色彩感において以前とは比べものにならないほど魅力的なものになってきた。

さらには途中からDSPを「ヘリックス・DSP PRO」へとバトンタッチし、ハイレゾ音源を聴けるようにした。そしてオーディオテクニカの新たな車載用デジタルトランスポートを使い、OTG接続でiPhoneやウォークマンが使えるようになった。こうして色々試し、現在ではソースユニットとして「SONY・NW-ZX2」を使っている。

今のシステムは、今までの中で一番と言える状態である。

ソースのハイレゾ化は、車の中を上質なリスニングルームに変えてくれた。駐車場に着いても、エンジンを止めるのが名残惜しい。

こうして「ダイヤトーン・DS-SA1」は、僕にとって、まだまだ「飽きない」スピーカーとして魅力を放ち続けてくれている。このスピーカーとの付き合いは、当分終わりそうにない。

《text:松居邦彦》

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