自分だけのカスタムや個性的なユニット選びにこだわるオーナーと腕利きショップである広島県のリクロスが作り上げたフーガ。インスールのデザインもチョイスしたユニットにもこだわり満載だ。
◆スクエアフォルムのモスコニアンプを
ウォールの一部に取り入れるデザイン
トランクルームを開けると目に飛び込んでくるのはモスコにの純白のパワーアンプ群だ。前面のウォールを使ったインストールはトランクルームを生かしつつ、120%の魅せる効果を狙った意欲的なデザイン処理といえるだろう。
トランクルーム内のカーペット素材に対比させるように、ウォールにぴたりとビルトインされているのがモスコニのパワーアンプであるAS100.4×2台。周囲をグレーの人口スエードで処理して、パワーアンプをウォールの一部に見せるアイデア。扇形にアーチを描くウォールのデザインも独特。左右のパワーアンプの存在感を際立たせるには効果的な手法といえる。
またパワーアンプの周囲にはアクリルを使った間接照明の処理を施す、しかし単色のイルミにこだわり上質さもしっかり引き出している。そんな処理を通じて平面的になりがちなトランクルームのインストールを、華やかで見応えあるものにしている。
◆L7のマグネット面をアピールする
アクリル使いのエンクロージャー
トランクルームの前面ウォール中央部にインストールされているのはキッカーのサブウーファーL7(8インチ)だ。後部をアクリルとすることでマグネット面を見せるアレンジも効果的に決まった。トランクルームはこのサブウーファーとパワーアンプとのコンビネーションでスクエアでシャープな印象のデザインで仕上げる。
さらにエンクロージャー後方のアクリル面には製作ショップであるリクロスのロゴを加えてアクセントとした。オーナーお気に入りでもあるこのポイントもトランクルームのデザイン上のアイキャッチになっている。
L7のコーン面はトランクスルー部を利用して車内に向けて設置されている。パワフルな低音再生能力でサウンドの厚みを大幅にアップさせているのも、このクルマならではの音作りの魅力となった。
◆細部の処理やラインにも注目
純正とのマッチングも絶妙に決まる
ウォールには細部にも手が込んだデザインが施されている。印象的なデザインは前面のウォール下部に施された段差を付けたデザイン処理だ。フロア面から一段持ち上げた部分にはウォールと同じグレーの人口スエードを使った処理が施され、見事にウォールとフロアの一体感を演出している。
さらにサブウーファーのエンクロージャーをビルトインしたウォール中央部には、周囲の角を落とした処理が施され柔らかなラインを作り出す。四角四面になりがちなウォールへのインストールに、曲線のアクセントを加えることでウーファー部に変化を与える。
シンプルでスマートなトランクルームを作り上げたフーガ。派手な造形やイルミ処理ではなく、パワーアンプのデザインやサブウーファーの見せ方にこだわったデザインや、純正トランクのデザインをうまく使った処理でひと味違う造形を作り上げた。次回はフロント周辺のデザインを見ていくことにするので期待して欲しい。
《text:土田康弘》