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3ウェイのメリットを手軽に得られる新機軸スピーカー MTX AUDIO『IMAGE PRO』を、徹底テスト! Part.2「IP432」&「IP463」編

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人気アメリカンブランドの1つ、MTXオーディオから発売された新機軸スピーカー『IMAGE PRO(イメージプロ)』シリーズ。トゥイーターとミッドレンジがエンクロージャーに収められている、個性的な3ウェイスピーカー群である。

これらを徹底試聴する機会を得たので、その模様を4回にわたって詳細にリポートしていく。まず先週の記事では、シリーズの概要をお伝えした。いよいよ今回から本編であるインプレッション・リポートへと突入する。

試聴は、MTXオーディオの正規輸入代理店であるイース・コーポレーションの試聴室で行った。試聴システムは以下のとおりだ。ソースユニットとして使用したのは、カロッツェリア・DEH-P01。それにMTXオーディオのパワーアンプ、『X Thunder 125.4』(税抜価格:8万4000円)を接続。ケーブル類はすべて、モンスターカーオーディオで統一している。

『IMAGE PRO』がリーズナブルな製品であるので、試聴システムも敢えて現実的なユニット構成としてある。なお、パッシブクロスオーバーネットワークを付属している製品についてはそれを使用し、ネットワークが付属していない製品については、DEH-P01のアクティブクロスオーバーでクロスポイントを設定した。

最初に、“チューンナップユニット” である『IP432』(税抜価格:3万8000円)から聴いてみた。

MTXオーディオ・IP432
『IMAGE PRO』シリーズはそもそもユニークなシリーズであるのだが、その中にあって当機は、輪をかけてユニーク。“チューンナップトゥイーター” ならば一般的なのだが、こちらは「使っているミッドウーファーに、ミッドレンジとトゥイーターを組み合わせる」という、“チューンナップ・ミッドレンジ & トゥイーター” なのである。

例えば、純正スピーカーに対して、ダッシュの上に当機を設置して、お手軽に3ウェイシステムを完成させる、という使い方が可能なのだ。トゥイーターとミッドレンジの帯域分割を行うパッシブクロスオーバーネットワークは、ミッドレンジのエンクロージャー内部に仕込まれているので、ネットワークの取り付けを別に行う必要もない。

まずは、ミッドウーファーと組み合わせることなく、敢えて当機のみで音を出してみた。ミッドレンジの再生周波数帯域は300Hzからとのことなので、このユニット単体で音を出すとどうしてもラジカセっぽい音になってしまうのだが、それでも中域、高域の質感の良さは伝わってきた。

ちなみにドアのスピーカーがフルレンジタイプだった場合、“チューンナップトゥイーター” を導入すると、高域が目の前から聴こえ、それに中・低域が引っ張られて、音像が上がる効果を得ることができる。それに対して当機ならば、300Hz以上という広い帯域の音を目の前から聴くことができるようになるので、“チューンナップトゥイーター” 以上に、聴こえ方が劇的に変わるはずだ。

ただし理想を言うならば、ドアのミッドウーファーに “ローパス” をかけられたらベスト。試聴で使用したソースユニット、DEH-P01のようにクロスオーバーが内蔵された機種を使えば、『IP432』のメリットをより大きく体感できることだろう。

さて次に、3ウェイコンポーネントのエントリーモデルである『IP463』(税抜価格:5万5000円)の試聴に移った。

イース・コーポレーションの試聴室。
しかし『IP463』、この価格で3ウェイを構築できるとは…。取り付け工賃もそれほどかさまないだろうし、つくづく当シリーズの画期的さを思い知る。

ところで当機のミッドレンジとトゥイーターは、先ほど試聴した『IP432』と同等のものとのことだ。それに組み合わせられるミッドウーファーの振動板にはポリプロピレンが使われていて、ミッドレンジについてもそれは同様とのことである。『IMAGE PRO』シリーズはすべて、ミッドウーファーとミッドレンジの構造と素材の共通化が図られている。サウンドの統一感を得るためだ。リーズナブルなエントリーモデルとはいえ、やるべきことはキッチリとやっている。

さて、その音はどうだったのかと言うと…。

最初の出音で感じたのは、音の厚み。3ウェイであることによる中域の厚み、というよりも、低域から高域まで全帯域に渡って音の厚みや量感を感じた。音数が多いのだ。そしてさらに、余韻が深めで、響きも美しい。それらが総合されて、厚みが表現されているように思えた。

次に感じたのは、フォーカスのシャープさだ。余韻や響きを多めに表現していながらも、音像がにじむことなく輪郭がクッキリとしている。そして、ステージの立体感の表現も良好だ。各楽器の前後関係をしっかりと感じ取ることができる。

定位感の確かさと、立体感の良好さは共に、3ウェイであることが功を奏しているからだと思われる。ミッドレンジがあることで、情報量が確保できているのだろう。

このスピーカーの場合、クルマに取り付けてもミッドレンジとトゥイーターと正対できるので、印象は大きく異ならないはずだ。そのことも、当スピーカーの強みだ。取り付けにおける出来、不出来の差が出にくい。つまり、ユーザーにとってメリットの大きいスピーカーなのである。

さて次週は、当機の1つ上のグレードとなる、『IP663』(税抜価格:7万5000円)を装着したデモカーの試聴リポートをお届けする。クルマに装着したときの『IMAGE PRO』の性能を、じっくりと検証してみよう。

《text:太田祥三》

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