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【日産 リーフ 試乗】乗り心地はグッとマイルドに、実用性もアップ…斎藤聡

自動車試乗記

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バッテリー容量が30KWhになって、確実に航続距離が伸び、使い勝手がよくなった。様々な意見があるが、乗る人に余裕を感じさせるだけの航続距離はやはり必要だろうと、バッテリー容量が増えた『リーフ』に乗って、改めて思う。

パワーやトルクに変更はなく、乗った印象もパワー(トルク)感に関しては変わっていない。このところ発表されたプラグインハイブリッドやEVに試乗してみるとモーターパワー(トルク)をもっと前面に押し出しており、それに比べリーフがかなり抑えた味付けになっているのが判る。特にアクセルを踏み込んだ瞬間。じつはモーターはこの時最大トルクを発揮するので、254Nmのモーター駆動トルクが一気に炸裂するはずなのだが、日産ではトルクの出方を少しマイルドにして扱いやすくしている。

それが乗りやすさにつながっているのは間違いないのだが、同時に刺激がちょっと少なめであるのが残念。リーフを走らせるとEVならではの出足の力強さは確かにあるのだが、本来はもっと刺激的な加速ができるはずなので、その性能を発揮しきれていないのがもったいない気がする。

ついでに言うと、個人的には想定走行スピードをもっと高くし、高速道路でも良好な電費が得られるようにしてほしいと思う。

ちなみに出力に変更はないと書いたが、足回りのセッティングは若干変わっているようだ。たぶんモーターの重量増+操縦性のリファインということなのだと思うが、従来の柔らかさの先に硬い芯があるような乗り心地が、グッとマイルドで、いつでも心地よい乗り味になった。カーブやレーンチェンジといったシ-ンでもスムーズでしなやかな印象になっている。

航続距離が伸びたことで、行動半径は以前より確実に広くなっており、実用性の面でも格段に良くなっているのは確か。今後のさらなる性能アップ、システムのアップデートにも期待したい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

斎藤聡|モータージャーナリスト
特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。

《text:斎藤聡》

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