「東京オートサロン」では毎回、懐かしい車に出会うことが少なくない。今回もそんな車があった。その1台がトヨタ東京自動車大学校の『パブリカ』だ。
パブリカと言えば、国民車構想の影響を受けて開発されたトヨタ自動車初の大衆車で、1961年から78年まで生産された。しかし、展示されたパブリカはその時代のものと少し違う。
「できるだけオリジナルを保ちながら、今の若者にも受け入れられるように学生5人で改造してみました」と1人の学生が説明する。
エンジンは昔のままの790ccのものを使っているが、フェンダーを迫力のあるオーバーフェンダーに改造し、タイヤに太い195、ホイールに「SSRロンシャン」を使用した。そして、シートは『コブラ』のものを使うなど、細かいところに気を遣いながら、4カ月かけて完成させたという。
パブリカの周りには特に中高年が集まり、当時のことを懐かしがりながら写真を撮る人が多かった。
《text:山田清志》